オールスター忠臣蔵まつり

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作品概要
制作会社 NHK
公開年度 1997年
内蔵助役 高橋英樹
評価 2ツ星


「お笑いオンステージ」を作った滝大作、作・演出のNHKのバラエティ番組で、どうやらもともとは「コメディーお江戸でござる」の年末用拡大版の公開収録番組。

滝大作さんっていうと太田大阪府知事(当時)が、相撲で表彰をしようとしたけど女性だから土俵に上がれない、てな問題があったとき「女が土俵に上がりたいなら、銭湯の男女の壁を取り払え!」とテレビで叫んでいたのを思い出す。

そんな滝さん(どんなだ)が作った「オールスター忠臣蔵まつり」は、あたしが観た1997年版を皮切りに数年続けて、体裁を変えて放送をされた。


1997年

おもむきはほんとに「オールスター」で、この初回も「お江戸でござる」のメンバー=伊東四朗、野川由美子、えなりかずきらにくわえ、高橋英樹(内蔵助)やモリシゲ(吉良。1シーンだけ登場。この年彼は「もののけ姫」のイノシシの声もやってる)といったベテラン俳優や。タッキー(内匠頭)や仲間由紀恵(主税)という若手。佐藤B作、佐渡稔、石井愃一という東京ヴォードヴィルショーの重鎮が脇を固めてるのも贅沢だし、五木ひろし(勘平)や坂本冬美(お軽)、瀬川瑛子(天川屋)という演歌陣。三波春夫も俵星玄蕃になって「元禄名槍譜」を披露し、途中いつものコンテンツよろしく杉浦日向子(<アンチ忠臣蔵!)先生を囲んだフリートークもあってほんとうに盛りだくさん。

演芸畑からは団しん也と坂上二郎が出ている一方で、若手お笑い芸人がまったく出てないのが妙な特徴。


なにしろ「コメディーお江戸でござる」のスピンオフなので、安心して見られるし、ところどころに歌謡曲が入って、たのしい2時間。


この97年版は、かわら版屋の伊東四朗の一家が、舞台化が御法度の「赤穂事件」の詳細を中村座にリークし、観客は劇中劇として「いろは忠臣蔵」というドタバタを楽しむ構成になっている。


狂言回しで河内家菊水丸が出ており、事件のあらましを河内音頭で披露してくれているが、手に持ったカンペーを見ながら歌ってるのが興ざめなのと、内容を理解していないのかハッキリ歌ってくれないので見てるほうが集中力がいる。コレちょっとさみしかった。

菊水丸氏のすぐあとでえなりかずき(当時、初期の変声期)がそらでメンバーの名前をつらつらっと言うシーンがあるが、7人ほどしか言えてないのに、カンペー見てる人のあとだけに、たいそう立派に見えた。


1998年

未見。

見た人のハナシを聞くと、先年の「瓦版売りうんぬん」といった設定はやめて、この年から単純なドタバタ忠臣蔵の体裁になっている。「コメディーお江戸でござる」の息吹も無い。(出演者の野川由美子、重田千穂子、桜金造、魁三太郎、えなりかずきが続投してはいる。)

初回ではじめた「二郎さんの吉良と、ジャニーズ若手との松乃廊下」のやりとりはこの98年版で今井翼が受け継ぐことから恒例となり、浅野が吉良に「二郎さん」というだとか、長袴が歩きづらいというやりとりまですっかり公演最終年度の2000年まで、先年のタッキー版を繰り返す。


1999年

1999年のパンフレット

初回はせっかくあれだけ練ったていねいな脚本だったのに、翌年から路線変更を強いられでもしたのか、脚本の滝先生におかれてはヘソを曲げたかのようなゆるさで、なにしろこっちは機会の少ない本作品を見られて大はしゃぎだった高ぶりで、なにを見てもおもしろく感じるフラグにもかかわらず、さむかった(w。

松乃廊下、道行き、などおなじみの忠臣蔵の各エピソードが順番に出てきていろんな人が入れ替わり立ち替わりいちいちふざけるといった内容。各ギャグやコントもつながっておらず、幕ごとに楽しむ趣向。

なので、三段目では勘平と逃避行中のおかるを"まるぽちゃ"の天童よしみが演じているが、六段目の一力茶屋(この舞台は仮名手本をなぞってるわけではないので七段目ではない。が、セットは見事に七段目を再現している。)ではおかるをスレンダーな年輩の水谷八重子が演じてるので、お軽が茶屋に売られたあとで病気にでもかかったかのような印象を受ける。


江守徹の内蔵助、橋幸夫の神崎与五郎、五木ひろしの安兵衛などが出演し豪華さをキープ。うれしかったのは、「峠の群像」以来の郷ひろみの赤穂浪士姿。とにかく彼の「峠」における片岡源五右衛門が大好きなので、今回の役は勘平不破数右衛門の二役であったが、それでも想い出をオーバーラップできてしびれた。(討ち入り装束でGOLDFINGER 99を熱唱)

Wikipediaでは、かつてなかば強引にジャニーズ事務所を辞めた郷ひろみが、オン・タイムにジャニーズ事務所に所属しているタレントさんと共演することをめずらしいとしているが、本作品もからみこそ無いものの、渋谷すばる(現・関ジャニ∞)と共演している。


前年にはすでに出てきているのか、この頃になると、やっとBOOMER、底抜けAIRLINE(のちのピコ太郎)、アンジャッシュといった若手芸人(当時)の参加があるが、あんまり機能はしていない。


炭小屋からモーニング娘。が飛び出して「LOVEマシーン」を歌う映像だけYouTubeで見られるが、本作品のオープニング(討ち入りから始まるのだ)である。


桜金造の浪曲が悪くなかった。が、初回の菊水丸ばりにやはり原稿を「読んでいる」。

そこへいくと随所でコントの背景になってる史実のエピソードをえなりかずきが解説するのだが、ちゃんとした台詞をよどみなく喋り、あらためて「さすが」と思う。


2000年

恒例、オープニングの吉良の二郎さんのアイドルイジメはこの年は山下智久。山Pはかわいいだけだったが(ここで共演しているゴマキとこの当時ウワサになった)、急に滝先生、気合いが入ったのか、全体を通して今回は笑える部分がいくつもあった。

とくに見応えがあったのは加藤茶(大高源五)と井上順(下僕)の城明け渡しの夜の山道のシチュエーション。舞台でのこうしたミニコント仕立ての処理はさすがで一斗缶で殴る、ズッコケるなどの所作、呼吸やリズムは芸術的にさえ見える。


前年と同じコント(例えば「8時だョ!全員集合」のコントみたいに背景に動く映像を使って早駕籠の移動をふざけるなど)をやってるのに、なぜかこっちのほうがガゼンおもしろい。もし自分がお笑い養成所の先生だったらどうしてこの「オールスター忠臣蔵」の99年版とミレニアム版の面白味が違うのかレポートを出させたい。


どんなにフザケタ内容でも、安兵衛が走ってるところにばあさんも併走してたり、伯父さんの決闘にはちゃんと相手側にロン毛が混ざっていたり、セットは「仮名手本」や「松浦の太鼓」だったり、ディティールの押さえどころはちゃんと押さえて抜かりがない。さすがNHKだなあと思う。


モー娘。が再び登場しているが1年前(石黒、市井のいるラブマ初期編成)とは比べものにならない人気(辻加護など4期が加入)になっており、NHKホールの歓声がひときわだが、ファンがすこぶるガラが悪い。

ちなみに、山Pやモー娘。は最後のフィナーレに出てこない。忙しくて帰っちゃったのだろう。例年にないこと。(要確認)

そういう「早退け」もだし、内蔵助を演じる俳優は今回村井国夫で、彼にまったく罪はないのだが、なんとなく全体的に初回の絢爛さは失われている。ただ、さっき言った加トちゃん井上順や、コロッケ、昇太師匠や喬太郎師匠など、初年度に比べるとプロのお笑いのキャスティングが目立ち、やっと純粋に笑える体制が整ってきたというのに、本シリーズはこれにて打ち止め。21世紀に続かなかった。


今回えなりかずきは講談師の役で「高田馬場」のくだりを語ったが、またイイ仕事をしていて、結局このシリーズはえなりくんが大貢献