武林唯七

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役者絵:藤木 悠

武林唯七【たけばやし ただしち】…粗忽キャラ。勇猛無双。純真無垢。

秀吉の朝鮮出兵の際の捕虜中国人の末裔。帰化している。

…と、ラジオで思いっきり言っちゃったけど山口県に漂着した孟子の後裔の子孫?

講談本によっては先祖は朝鮮半島出身で武林猛敬勇とするものも。

浅野内匠頭とは「乳兄弟」であるとする講談もある。


カミソリがじょうずなので殿様の月代を剃る御髪上げ(おぐしあげ)を担当してたりするが、粗忽なのでカミソリの柄がグラグラしてきたということで殿様の頭を使ってコツンときめこむ。痛いから怒られるが、ふつうなら金輪際目通りが許されなくなるところを唯七はいつも柔らかく叱られるだけ。殿様のお気に入りの家来。


<おもしろエピソード1>

殿様の御用も聴かずに浅野ご本家までお使いに飛び出して、間違えて隣のお屋敷に入ったことを玄関先で気づいたが居直って奥まで入っていって「あのぉ、え〜っとですね、お昼を食べさせてくれませんか?」とヘンなごまかしをしたりする天然ぶり。

その後となりのご本家へ行っても用事がわからないんで、とにかく庭のカキツバタをもらって帰ってくる。ムチの代わりにカキツバタで馬の尻を叩いてたんで内匠頭に枝だけ見せて「見事な花びらが、ありゃ!?」という具合。<アホさくれつ(笑)!※カキツバタは有栖川親王(あるいは九条関白家)から進上になったもので、はなから本家にそれを取りにいくんで出かけたという設定もある。

屋敷を間違えて、お邪魔した先でイヤと言うほどメシを食わされるくだりは「韋駄天数右衛門」という映画で不破数右衛門のエピソードとしてビジュアル化されており、泣きべそをかきながら何杯もメシを食ったあげく、屋敷の外で嘔吐するようすがコミカルに描かれている。


この「粗忽の使者」という講談は同じタイトルの落語がある。

落語版は別のキャラクターのハナシになっており内容も若干違う。そもそも落語の源流は講談・講釈ということで、これもそのひとつと思っていたが、用事を忘れて使者に出かけ、先方でお尻の肉をつねってもらって思い出そうとするその噺は原話が元禄14年の「百登瓢箪」に収録された笑い話「尻ひねり」だそうで討ち入りよりも昔、落語創世記のもの。講談のほうがアレンジをしているパターン。


<おもしろエピソード2>

上記「使者」バリエーションで、白いハトを50羽、加州侯に寒中見舞いに持っていくお使いでも失敗をし、先方で「寒中見舞い」の言葉が思い出せず、つい「あててごらんなさい」と用向きをクイズにしてしまった。

この時は一発で正解されてくやしくなったので「ブッブー。当家による能狂言のイベントのご招待でした」とでまかせを言って誤魔化したもんだから、浅野家ではホントにイベントをしないと体裁が悪いので飛んだ散財になったというレアな逸話もある。


<おもしろエピソード3>

東下りの時、鳴海の宿で人足・ジャンガラ弥十ともめて、一撃で殴り倒してしまう。

人足ひとりでも殺せばマズイので、内蔵助はその場の問屋場役人にカネで内聞にしてもらおうともちかけると、役人は大喜びで香典百両をふっかけてくる。実は気絶してただけの弥十は息を吹き返すが、その場の事情を飲み込み、死んだふりを続けてるので、芝居に気づいた内蔵助が「ひとこぶしでこの世を去るとはのう〜」と大刀の鐺(こじり=鞘の先端)で脇の下をグリグリ。しまいにゃ「唯七。クビを打ち落とせ」。これに弥十は「辛抱できるかい!」と逃げ出した。


<おもしろエピソード4>

討ち入りの際、大高源五とともに塀を乗り越えてまず乗り込む。この際、声を上げた門番の頭を掛矢(かけや)で打ち込む。頭がめり込んだ門番に対して唯七「どんな心持ちだ」門番「すめば都で胴の中も気が変わっていいですな」と言って絶命。

以上。いろんな講談本より


<おもしろエピソード5>

合言葉が「山」と「川」なら敵方にすぐ知れる。アレは講釈師の作ったフィクションだそうで、ほんとうはサイコロの目を合図にいたしました。

「一六(いちろく)」「五二(ぐに)」「四双(しそう)」「三みち」(「玉藻前(たまものまえ) 三段目・道春館」という浄瑠璃でお姫様二人が賽の目をこう呼んで双六をやってるそうです。)という具合です。

討ち入りのとき唯七がうしろから「いちろく!」と声をかけると吉良の家来・美濃部五左衛門は咄嗟に賽の目が合言葉と悟り「四五一(しぐいち)!三二六(さにろく)!」と双六と関係ない数字をたくさん答えたからすぐ知れて「こいつ!」と唯七に襟首を掴まれましたが、合羽をヒョイと脱いで逃げていった。

残ったのは合羽ばかり。

もっとも五左衛門が答えたのが「四五一。三二六」ですから、「かっぱき」はあたりまえということで。(<解説:ヨイドというカブみたいなダイスゲームで、四五一や三二六という目はカッパギと言って親の勝ちなんだそうです。…わからん)

落語「志士の打入り」より


この人も炭小屋で吉良を見つけたとされる。討ち入りが終わったあと裏門で間十次郎と「最初の一太刀はおれだ!」と手柄について功名争いをするがこの人が二の太刀(歌舞伎「元禄忠臣蔵」)。


吃音のキャラとして演出されることがあるが(サラリーマン忠臣蔵ギャング忠臣蔵)、講談のほうでそういう設定がある。声を張ってるときは決してどもらないが、それが地に落とすとつかえるそうです。だから自然と口調が乱暴になったそうでございます。


享年32。

関連項目

  • 牧野春齋(武林がウッカリ殺してしまう小坊主)