淀五郎

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四代目市川団蔵※01が今度一座で「仮名手本忠臣蔵」をやろうと言うことを決めるが、大事な塩冶判官を新米・淀五郎にやらせる。

団蔵はカンでその新米を任命したわけだが、やらせてみるとマズイので、嫌気がさして本番の時に段取り通りやらない。

淀五郎はひじょうに困り果てるが…


この話は、未熟な人が練達(&いじわる)の人に説教されて、なにが悪いのか手取り足取り教えてもらえないもんだから自分で考えなくっちゃあいけなくて、それでもどうしたらいいんだか混乱し追い詰められていく描写が、談志あたりがやると意地悪な上司と、未熟な部下をたいへんじょうずに演じ分けられて、もう聞いていられなくなるくらい「ウヒ〜!」となる話。

(談志版は講釈師・一龍斉貞丈のしこみだとかで淀五郎が自力で挽回するが、馬生や先代の正蔵はじめ落語のほうでは中村仲蔵がいろいろ"やりかた"を教えてくれる。)

若いときに聞くと若者に共感するが、大人になってから聞くと師匠に共感が出来る。


淀五郎が栄屋中村秀鶴に相談に行くくだりで「それ、誰に教わったの?誰の形でもない…ああそう」という台詞があるが、ドキュメンタリー番組の中で自分のところに弟子入りにきた若い衆に談志がリアルに言ってたし、勘三郎も亀蔵に説教するときに実際言ってました。

前者は「志ん朝師匠のを見て…」。後者は「ビデオを見て」と返答しておりました。


「良くなった奴は後を振り返ってみると小言を言われた所しか覚えてない。良かったところばかり覚えてるてえのはなんともならなかった人の台詞だろうねえ」(談志)


※01・・・沢村淀五郎は実在する市川団蔵(5th…1845没)。正蔵(8th)や志ん生は「五代目の団蔵と三代目の仲蔵」という設定で演るらしいが、それだと団蔵のほうが仲蔵より21歳も上になる。

苦労人の仲蔵が老練でおだやかで若い団蔵が容赦ない叱咤をするという設定のほうがスムーズということで三遊亭圓生(6th)が「四代目の団蔵と初代の仲蔵」というもうちょっとさかのぼった設定(これなら仲蔵のほうが9つ年上)にしたとTBS落語研究会で評論家の京須偕充さんがおっしゃってました。

でも暉峻康隆先生は「五代目の団蔵と初代の仲蔵」の噺とおっしゃっている。これだと52歳差。