編笠十兵衛

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原作:池波正太郎

松の廊下事件の片手落ちの裁決に対して幕府政道のあやまちを正すために隠密活動をする、月森十兵衛(架空の人物)のハナシ。

以下は1974 年にフジテレビで放送されたバージョンのお話です。


原作はセックス&バイオレンスのハードボイルド(<そこそこね)だが、ドラマでは主役が桃太郎侍の高橋英樹だったり、ときおり無理矢理入るそばや親子(<彼らも含め、ほかの出演者もけっこうなメンツが、前に同時刻放送されて好評だった「ぶらり信兵衛」から続投。)のコミカルなやりとり、唐突に登場する長門勇の俵星玄蕃(原作にはない)などで味付けを変え、なんとか「お茶の間向け」にしようとしている。


舞台となる江戸は徹底的な浅野びいきで描かれ、それだけに好人物に描かれている小林平八郎吉良を守ろうと孤独にアレコレ心配したり策を練ったりする姿がなんとも気の毒に見えてくる。演じるは我らが山さん・露口茂だけによけいに不憫(原作ではテレビほどの活躍はない)。

ただただ十兵衛を「殺したい」とだけ思ってる執念の敵役の舟津弥九郎=成田三樹夫が圧倒的な存在感で、コワイ。

片岡千恵蔵が特出でいいキーパーソンを演じているが、この人が出てくるとなんだか安心いたします。


任務遂行上、主役の十兵衛はジャマになる人物は遠慮なく斬り殺していくが(や、少しは遠慮する)、とにかく浪士側に肩入れする十兵衛にはおびただしい刺客が襲いかかりつづけ、ぶっちゃけ肝心な浪士たちより苦労が多く、奥さんまで殺されちゃってえらい災難である。見ていてなんだかだんだん彼がソンしてるように見えてきて「いったいなんの義理でこの人はこんな目に遭わなきゃいけないのか」と首をかしげたくなってくる。


十兵衛は、水戸黄門の印籠よろしく「御意簡牘(ぎょいかんとく)」なる葵の紋の入った切り札を持っていて、斬り殺せない相手にはこれを見せておとなしくさせる。討ち入りの当日も謀反行為を成敗に出かけようとした大名をコレでクールダウンさせている。(どうせお茶の間向きにするならもっと乱用してもよかったのではないか?)

とにかく「ご苦労様」な主人公の物語だ。


劇伴が軽快なリズムで気持ちいい。(バカボン、キューティーハニー、あゝ忠臣蔵の渡辺岳夫)


1997年にテレビ東京でも村上弘明主演でドラマ化されている。