血煙高田馬場

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作品概要
制作会社 日活
公開年度 1928年
内蔵助役 ---
評価 4ツ星
役者絵:大河内伝次郎

たった6分の短い無声映画だがじゅうぶん興奮出来る作品。


短い中に、ケンカ安の日常>おじさんからの手紙>「南無三!」>弥兵衛父娘との出会い>高田馬場の決闘・・と、エピソードがふんだんに盛り込まれている。

後年の映画やドラマでさまざまにアレンジされている「おじさんのけんかの原因」は史実通り「囲碁の争いがきっかけ」となっているのが興味深かった。

また、たすきはお幸のしごき帯ではなく神社の鈴緒(すずお=さい銭箱のガラガラについてるヒモ)を彼女が引っ張りちぎって渡す。


古い無声映画なので、あのコマ落としなチョコマカしたスピードで見落としがちだが、スロー再生してみるとさらに注目すべき演出がふんだん。

まず八丁堀の貧乏長屋にはコジキがふたりほど配置されていて、一人はガチでハンディキャップのあるように見える。

お幸は一見おしとやかだが、鈴緒をちぎるためにパッとかけだし、けっこう高い石段をひとっ飛びするなど実はすごくお転婆である。

弁士は「おじさん」といってるが、字幕もゆっくり読むと菅野六郎左衛門を「祖父」としている。

実はいろいろオリジナリティがあります。


飯南町の吉岡長太郎フィルムコレクション所蔵のフィルムには、おじさんからの手紙を読んで「しまった~!」となる前に回想シーンが入るバージョンが有る。これは一般公開や放送で2015.12月現在お馴染みの「血煙高田馬場」には無い貴重なまぼろしの場面。

茶店で酔っ払って寝ている安兵衛のところにかごに乗ったおじさんが通りかかり、安さん怒られると思ったらおじさんは「西国に出かける」などと言って酒を交わす。それが別れの盃であったというわけだが、その回想のあとに「しまった〜」になるのであります。(活弁士の坂本頼光さんがおもちゃ映画ミュージアムのイベントで見せてくれた)


愉快痛快な1本であります。


血煙高田の馬場