10,724
回編集
差分
編集の要約なし
言わずと知れた、赤穂事件を芝居にした名作フィクション。
それの昭和52年(1977)版。(平成20年の白鴎27回忌公演。平成中村座も加筆)
絢爛だけど、すさまじく、ところどころカワイイという実に不思議なエンターテインメント。
かいつまんで…
'''大序''' 鶴岡八幡宮のリフォームを祝ってのイベント中、えらい 鶴岡八幡宮のリフォームを祝ってのイベント中、偉いじいさん[[吉良上野介|高師直]](こうのもろなお)と接待係の[[桃井若狭助|桃井]]君がヘンな空気になる。フィクションとはいうもののかなり史実とかけ離れた大胆なアレンジ。「プロローグ!」てかんじでパーッときれいなビジュアルが印象的。
'''二段目''' 桃井君が側近の加古川さんに「おれ、あいつヤルから」と告白。大星由良之助の息子と加古川さんの仲良しぶりもここで出てくる。 桃井 館の場。桃井君が側近の[[加古川本蔵|加古川さん]]に「おれ、あいつヤルから」と高師直をやっちゃうことを告白する。一方で大星由良之助の息子[[大石主税|力弥]]と加古川さんの娘[[小浪]]の若いカップルの仲良しぶりがここで出てくる。
'''三段目''' 加古川さんが桃木君に内緒で高師直に詫びを入れて仲を取り持つ。高師直はいじめの矛先を 刃傷の場。加古川さんが桃井君に内緒で高師直に詫びを入れて仲を取り持つ。高師直はいじめの矛先を[[浅野内匠頭|塩冶判官]]に向ける。喧嘩場。オーバーアクションであるにも関わらず刃傷までのイライラの高ぶり、持っていきようが見事。に向ける。松の廊下で喧嘩〜刃傷。オーバーアクションであるにも関わらず刃傷までのイライラの高ぶり、持っていきようが見事。
'''四段目''' 判官切腹。慣用句?として使われる「おそかりし、ゆらのすけ〜!」って実際セリフにあるのかと思ったら実際は「由良之助か、待ちかねたわやい〜」だった。
'''五段目''' 山崎街道、鉄砲渡しの場。そもそも落語の「中村仲蔵」において仲蔵の苦心の工夫の末生まれた「定九郎」像が見たくて仮名手本忠臣蔵を見たがったのが、忠臣蔵にハマっていくきっかけだった。たしかにかっこ良かった〜。 山崎街道、鉄砲渡しの場。お家の大事にデートで駆けつけられなかった塩冶判官の家来、[[早野勘平]]が[[お軽|カノジョ]]の実家で狩人生活。イノシシと間違えて[[斧定九郎|人]]を誤射する。うたれて死ぬのは強盗の定九郎。 そもそも落語の「中村仲蔵」において初代仲蔵(歌舞伎役者)の苦心の工夫の末生まれた「定九郎」像が見たくて仮名手本忠臣蔵を見たがったのが、忠臣蔵にハマっていくきっかけだった。たしかにかっこ良かった〜。
ライブで見るとビデオよりいのししが小ぶりに感じてかわいい。
'''六段目''' 最初はもう、理不尽すぎて見ちゃいられなかったなあ。おばあちゃんの激怒も勘平のぐしゃぐしゃな気持ちも。 誤射した死体からお金を奪って仇討ちの連名に加わるために[[神崎与五郎|友達]]に軍資金を払ってホッとして帰宅すると[[与市兵衛|舅さん]]の遺体があとから運び込まれる。自分が撃ち殺してしまったのは舅でその死体から泥棒したのかと勘違いして大ショック。切腹する。
この段では由良之助と芸者衆が遊ぶとき、その公演当時の時事ネタを入れるのが楽しいのだが、平成20年中村座では「基本に忠実」がモットーだったためか「見立て」がカットになっていた。
'''十一段目八段目''' 道行旅路の嫁入り。二段目に出てきた小浪と[[戸無瀬|お母さん]]が押しかけ女房しに猥談をしながら大星家へ行く道のり。 '''九段目''' 嫁入りに来たのに、大星家では[[大石りく|おかあさん]]から自分の殿様のケンカを止めちゃった加古川さんの娘と、うちの息子と結婚なんてさせられませんと、けんもほろろに断られる。加古川さん本人が出てきて死を以て詫びを入れる。 '''十段目''' 討ち入りのための武器調達をした豪商、天川屋義平のはなし。これだけ、DVDでもライブでも見たことがない。
吉良邸の庭(奥庭 泉水の場)での殺陣は見応えがあり、特に竹森喜多八(武林唯七がモデル)と小林平八(小林平八郎がモデル)の、ダンスのような一騎打ちは目を見張り、テレビに向かって拍手しちゃいました。