阿久里/瑤泉院

役者絵:宮沢りえ
役者絵:石原さとみ

阿久里(阿久利)/瑤泉院【あぐり/ようぜんいん/ようぜいいん】

浅野内匠頭の奥さん(正室)。

結婚した時、阿久里さんで、内匠頭が死んでから仏門に帰依して改名(壽昌院>瑤泉院)。

大石りくもだが、眉毛そってお歯黒というメイクがしばしばある。


歌舞伎、仮名手本忠臣蔵で顔世御前として登場するときは高師直=吉良からデートにしつこく誘われる美女であり(胸まで触られるセクハラを受けることもある)、武具の目利きという特技も持っている。

後家になった瑤泉院に内蔵助がハリガタを見舞いに届けるが「細かりし、由良之助」と悔やんだという逸話もある(ウソ)。


広島県三次の初代藩主に浅野長治(娘が瑤泉院)が建立した鳳源寺(ほうげんじ:広島県三次市三次町1057)には瑤泉院の像と、遺髪塔があり、四十七士の木像もあります。


ちなみに吉良上野介にも「あぐり」さんという名の娘さんがいる。。


南部坂雪の別れ

討ち入りの日、大石内蔵助は事前に赤坂、南部坂の三次(みよし)浅野家の下屋敷に未亡人・瑤泉院(ようぜんいん)をいとまごいに訪ねる。が、女中に超あやしい女が混ざってたんで(かと言って人払いをしてもこれまた怪しまれるし)、ここで綿密な計画がパーになっちゃあすべて水の泡だととっさに(血を吐く思いで)嘘をつく。

瑤「こんな雪の中挨拶に来るとは?いよいよ?(ワクワク)」

内「いや、再就職が決まりましたもんですからご挨拶にまかりいでました…」

瑤「えっ。じゃ殿様のご無念をはらす気は…?」

内「やあもう、仲間の人数は減るし、トウロウの斧でヤバいんでもうアハハ…」

瑤「帰って」

内「あ、殿様にお線香だけ…」

瑤「さがりや!!!!(TдT#)!」

---すごくいやな空気になって瑤泉院は退席。側近の戸田局

戸「ね、ああ言ってたけど、ほんとはやるんでしょ?」

内「いえ」

戸「じゃ、じゃ、は…?」

内「ああなんか、幇間(たいこもち)になるつってたかな(京都で飴売りというバージョンもある)。あ、そうだコレさっき怒ってたんで渡せなかったんですけど自主制作の歌集です。」

戸「…優雅なことでございますこと。ハイハイお預かりします」

内蔵助はうそをつきまくって軽蔑されまくって、じゃっかんへこみ気味に屋敷をあとにする。

その夜、女中紅梅が戸田の部屋(とか仏壇の前)に置いてある歌集を盗もうと侵入したところを取り押さえられる。

歌集と言ってたそれは、四十七士の連判状だった。くやむ瑤泉院一同。


内蔵助がウソの再就職(農民や町人になると言うこともある)のハナシをするときの瑤泉院のリアクションはさまざまで、怒りをあらわにしないがお線香だけは許さないとか、キレた戸田の局をたしなめて内蔵助をかばうこともあったり、そうかと思うと「二十四時(じゅうにとき)忠臣蔵」という歌舞伎では殿様の位牌で内蔵助をぶん殴るという演出もある。殴るについては「尾上松之助の忠臣蔵」でも扇子で「こう!こう!」と叩いている。そのあと癪でおなかが痛くなる。

忠臣蔵 桜花の巻 菊花の巻」のように、アイコンタクトで内蔵助の心中を察するのは稀で、明治時代の講談本ではすでに上記のようにもめている。昭和初期の「元禄忠臣蔵」では最初に誤解してあとで内蔵助当人に弁解する。


講談本には陽成院(ようせいいん)とするものもある。




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