HANAGATA忠臣蔵外伝

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作品概要
制作会社 花型狂言会HANAGATA
公開年度 2016年
内蔵助役 ---
評価 3ツ星


江戸時代から続く狂言の名門・茂山千五郎家の若手(<始めた当座はw)の実験的な公演「花型狂言会HANAGATA」では古典狂言をアレンジしたりシェイクスピアとかを題材に新作狂言をしてらっしゃるそうで、2017年夏に忠臣蔵が題材となってかかった。

お話は京都の劇作家で演出家・ごまのはえさんが書き下ろした忠臣蔵外伝のオムニバス形式。


おもしろかった。

古典芸に裏打ちされたまちがいのないスキルはどんなくだらないことをやってても安定(基本的には現代的な台詞や演出でととのえてる)。

家紋のあしらわれたごくシンプルな背景で、現代的なバカを古典狂言の衣裳や表現する見てくれにも好感。

たいへん愛嬌のある男性メンバーばかり5人の存在感も大きくて「ずっとたった5人で舞台上を回してた感」が少ない見応え。男女10人以上でやってたような印象を受ける。

しまいには彼らの古典も見たくなる。(ちなみに赤穂の大石神社さんの薪能にしばしば出演されている)


「常識人 梶川与惣兵衛」…松之廊下で余計なことをしたことで後ろ指を指される梶川家での与惣兵衛夫婦の喧嘩。

「死神 間瀬孫九郎」…落語「死神」の劇化。死神の面は「うそふき」。なんで間瀬が主人公かというと史実のエピソードが少なかったからとごまのはえ氏は語るが(出典:兵庫県立芸術文化センターの冊子より)、吉田沢右衛門のほうが無いと思う。ちなみに医者に化けるのはお父さんのほうですな(落語「死神」はまじないの習得で素人が医者になる話)。野暮天で恐縮だが孫九郎を演じてらした茂山茂さんが村松三太夫を松村三太夫って言ってたw。

〜休憩〜

「名優 寺坂吉右衛門」…摂津国の寺坂の実家の造り酒屋では英霊となった吉右衛門の名前の酒を売って儲けようと画策するが寺坂は生きて帰ってくる。なんやかやあって劇中劇が始まる。


やってることははなはだハイカラなアプローチだが、見終わったあとの感触が「エンターテインメントを見たぞ!」というより、良い意味でやっぱ「狂言」を見終わったようなかんじなのが不思議。

かわいらしい&おもしろいキモチで劇場をあとにしました。