吉田忠左衛門

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役者絵:中村伸郎

 吉田忠左衛門【よしだ ちゅうざえもん】…ナンバ−2キャラ。

 足軽頭というポストで位が高い。いつもピッタリ大石のそばにいるのでドラマで目立ってる副頭領。


 城明け渡しが決まったあと、近国の諸侯が戦争になるんじゃないかといろいろ手配をしたが、三州高松の松平讃岐守の家老・大久保主膳はスパイを人足として赤穂へ派遣する。パトロール中の忠左衛門がすぐ見破り、「見たかったらどうぞ」と城の中を案内してスパイ感激。

「ご姓名は」と聞くと忠左衞門は法号(戒名)を教えた。スパイまた感激。

(このスパイは福本日南先生の「元禄快挙録」によれば三州高松の竹井金右衛門(講談本「続四十七士伝」では武井金右衛門)と紹介した上で「一党の副頭領がそんな軽率なことをするもんか」と、見てきたような講釈を一蹴している。)

 これを受けて「忠臣蔵 桜花の巻 菊花の巻」では、城の周りをうろつく怪しげな行商につめよる貝賀弥左衛門(東千代之介)を「城明け渡しと決まったからには、かような詮議はどうでもよいこと」と言って、大河内傳次郎の忠左衛門が場をとりなすシーンがあったり、「三船版」でも、非常事態を理由に関所で通行を止められていた旅芸人一座(実は柳沢千坂の放った間者)に、見回り中に通りかかった馬上の忠左衛門(役者絵の中村伸郎)が「当藩にいまさら隠し立てすることはなにもない」と言って、入境の許可を出すといったふうに、花も実もあるキャラクターとなっている。


 江戸に出てからは吉良屋敷が呉服橋にあった時分日本橋で占いをやってた。馬喰町在住(講談本)。浪曲では居酒屋経営をし、岡野に絵図面略取を命ずる。

 この店「小春屋」は番頭…神崎与五郎、手代…岡野金右衛門、徳利ひろい…矢頭右衛門七、飯炊き…矢田五郎右衛門と、そうそうたるメンバーで構成されている。東映映画が米屋に設定を変えて似たユニットを組んでいる。


 討ち入り後、直属の部下である寺坂に各地へのインフォメーションを命じている(新歌舞伎「元禄忠臣蔵」)。


 富森と一緒にメンバーを代表して自首している。足軽頭。享年64。


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