忠魂義烈 実録忠臣蔵

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2008年9月30日 (火) 15:07時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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作品概要
制作会社 マキノプロ
公開年度 1928年
内蔵助役 伊井蓉峰
評価 3ツ星


無声映画なんですけど、とにかくいま見るとかわいらしいし、わかりやすいし、ナニもかも好印象なんですよね。

ほかではない演出も多い。

人工ライトより太陽光の方がいいのか、ロケが意外に多いのがまた画面をのびのびさせている。討ち入りも真っ昼間の外で取ったりしてるご愛敬もある。(大石東下りも屋外)

いろいろ見たけど、本当の雪のところで討ち入りを撮影してるのはこの映画くらいだなあ。

あまりにも吉良が見つからないんでいったんみんなで自害するふりをするというけったいな作戦も出て参ります。

さて、すごく特徴的な残念がございます。

この映画、当時としては破格の制作費で「未曾有の超大作」だったらしいんですが、編集中にマキノ省三監督の自宅から昭和3年3月6日午後6時15分に出火したとかでフィルムの大部分を消失させちゃったんですって。残存ネガを編集して公開されたらしいんですな。火事を出すなよ〜!自宅で編集ってなんだよぉ。

今回見たものは、追加撮影されたマキノ雅弘監督の「間者」という映画(同キャストで追加撮影された作品)をところどころ挿入してつないでるものだそうです。

んま、火事を出した監督は家は丸焼けにしてもフィルムは助けたんで、その根性は買いますが、この映画のスチルを集めた本を見るといろんなおもしろそうなシーンがあるのに、それらが全部無くて、いかにも残念。…遊里に刺客が現れて寺坂吉右衛門(アラカン)が応戦するところとか、大石邸のシークエンスいろいろ<女中が子供とヘン顔対決してる。頭からそば粉だらけでなにやらコミカルそうなくすや。吉良邸に侍女として侵入したが捕まって縛られる早坂藤左衛門の娘千賀。

んまぁ、監督ご自身が一番残念だったろうけどなあ。内蔵助役の伊井蓉峰とももめてたというし、この映画に出られなかった役者陣からだいぶ反感を買ってたそうで、敵が多かったんですかねえ。<って、放火された的な言い方ですが。