このサイトについて

提供: Kusupedia
2020年5月26日 (火) 07:33時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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ソースは講談本や映画など
このサイトはイラストレーターで"忠臣蔵文化愛好画家"のもりいくすおが、ごく個人的に始めた趣味の独悦パラダイス系サイトです。

本エンサイクロペディアは赤穂事件ではなく、「忠臣蔵」物語について扱うものであり、その出典は講談や講談本。浪曲、人形浄瑠璃、歌舞伎、テレビドラマ、映画、お土産ものなどを中心として玉石混淆に構成されており、史実についてはいたって情弱であり言及はホンのついでに触れることはありますが、おもにフィクションを扱っております。


ともかく、映画やテレビで観る「忠臣蔵」がいちいちアレンジが違うので、一体どれが本寸法なのかと探るうちにハマり、その調べ物の最中に自分が「あったらいいな」と思ったサイトを具現化し、同じ気持ちの方がいらっしゃったら資したい気持ちで立ち上げました。

まだまだ加筆中です。



「キャラ図鑑」について

役者絵のプレートの見方

忠臣蔵物語の登場人物を紹介しております。

講談や映画、お芝居などでどういう役回りか、ほぼ作家の腹から産み出された設定でご紹介しておりますので、実在しない人物もアップされておりますし、実在した人物も史実とは違うバックグラウンドだったりいたします。


役者絵はもりいが描いたもので、「もしもこの役者さんが忠臣蔵のキャラを演じたら」という仮想のもとに描かれたと勘違いされることが少なくないのですが、みんな実際に演じられた役者さんの似顔絵です。

(※ただしブログにアップしてるAKB48の似顔絵は完全な妄想ももいろクローバーZさんの似顔絵は番組へのおみやげです)


江戸時代に流行した、歌舞伎役者の浮世絵(錦絵)が芝居ごとに描き分けられてるのと同じく、明治時代以降の、実在の役者さんの「忠臣蔵」における御活躍を絵にいたしました。

基本的に、実際に鑑賞できた作品お出演者しか描いておりません。


参考までに右画像において、イラストにそえてあるプレートの見方を表示させていただきます。



「作品評」について

もりいくすおが視聴できたものの勝手な感想欄であり、忠臣蔵エンターテインメントの歴史を網羅するものではありません。

評価の基準は主に「娯楽性」で、見ている最中や終わったあとの個人的満足度が星の数に反映されております。

史実に忠実かとかよりも、忠臣蔵物語に息づく忠義&忠孝、義理人情といったテーマ性を、古今の国内外のクリエーターが制作時の時代背景においてナニをなし得たか、どう工夫して楽しませてくれたかに重点を置いております。

与えられた尺の中で背伸びせず「出来ることを成し遂げてる」作品は10分のアニメでも高評価だったりします。


好き嫌い評は大きく「忠臣蔵作品リスト」と「なんじゃこら」という項目が設けてあります。

分けた基準は簡単に言うと、マトモなもの採点不能なものとで分けており、これも管理人個人的価値観や感想によって分けられております。

基本、タイトルに"忠臣蔵"とあるものは内容が外伝や「サラリーマン忠臣蔵」「長脇差忠臣蔵」などの、本来のキャラクターが出て来ず、さらに時代背景も違うという作品も、マトモな方に入れました。


いくら背景が忠臣蔵だったり、下敷きが忠臣蔵でも、クオリティや作風がBグレードの域を出ていないものや、そこに入れて置いたほうが面白いモノは「なんじゃこら」に入れてあります。

あえて一つ星の作品も、「忠臣蔵作品リスト」のほうに入れることで系譜に役立つ作品はあえて「なんじゃコラ」に入れておりません。

誤解してほしくないのですが、星の数が少なくてもなんとも愛おしいものです。これはこれほどあまた作られた忠臣蔵ならではのお楽しみ。星の数はその作品の「特徴」のひとつです。


なお、「スピン・オフ」は義士達のエピソードや関わり合いのあった人のエピソードの作品。

なのに、内容が外伝だったり(「元禄水滸伝」「忍びの忠臣蔵」など)タイトルに「外伝」とあっても(「忠臣蔵外伝 四谷怪談」「HANAGATA忠臣蔵外伝」など)本編のほうに入れてるのもあり、なんかもう、すいません。


「関連作品」というのは、忠臣蔵に絡んだ全然別の話などを指しております。ほんとうは。


尚、一覧において「尾上松之助の忠臣蔵(横田商会)」というように、プロデュースやリリースした会社を( )にいれて表記しているようなカタチをとっておりますがこれも曖昧で、たとえば「忠臣蔵 地の巻/天の巻(日活)」は厳密には日活京都の作品ですし、また「吉良ですが、なにか?(本多劇場)」は劇場が作ったのではなくアタリ・パフォーマンスさんの仕事です。

いずれ整理しようと思っております。


また、極力スポイラー・アラートの表示を心がけておりますが(「以下ネタバレ」など)、わりと節操なく内容について触れておりますので、ご承知おきの上、ご容赦ください。



忠臣蔵の魅力

どんな世の中になっても、「クソ上司」というものはいなくならない。

バイトでも正社員でも重い役職の人でも、上役やクライアントや取引先に「どうしてそういう言い方をするのかなあ」と重いキモチになることがあるもの。

目の前が真っ暗になってキレるくらい追い詰められたおぼえがあったり、そういう人を知っていれば、「いじめがあったか」「けんかがあったか」をろくに調べもせずキレたほうを一方的にNGと裁定する「おかみ」や、裁定が済んだあと、どこへなんのリアクションもせず涼しい顔のいじめっ子を不審に思う。

現実的には泣き寝入りなアレコレを、胸のすくような討ち入りで痛快に解決してくれるから忠臣蔵はいいのである。


それを以下の要素が思いっきり魅力を倍増させる。


・基本、明瞭なストーリー。

・いじめっ子がコテンパンにやっつけられるという勧善懲悪。

・元祖戦隊ヒーロー?(力を合わせて…)

・元祖変身ヒーロー?(正体を隠して…)

・江戸時代のハナシだが登場人物の心持ちや行動に自分を照らし合わせて楽しめる。

・武士道話にくくられることが多いが実は「身内」「家族」の生活エピソードが多く、あり方につていろいろ考えさせられる。

・全員が忠臣孝子というキャラではなく、軽率、だめんず、遊び好きなど人間味がある。

・トゥルーストーリーだという背景。

・メンバー全員が余命1年10ヶ月という制約の中でのお話作り。

 (しかし"脱盟"というカタチでその気になれば足かせをはずせる。)

・背景に必ず「討ち入り」というゴールがあるので、手前の話はどんなに平凡な展開でも面白くなる。

・事件に謎が多い分、創作も自由。

・本伝、外伝などのキャラの量と、豊かさ。

・スピン・オフ(銘々伝、外伝)に語られる前日談や後日談などのアレンジのバリエーション。

・ネットのない時代から続く「二次創作」的リメイクの歴史。

・日本でもっとも有名で古い?グランドホテル方式、アンサンブル・プレイ作品である。(要確認)

・リメイクに見る各クリエーター(やアクター)達の腕くらべが楽しい。

・少年ジャンプばりの「友情」「努力」「勝利」のキーワード。

・意外に学ぶべき点が多い。特に忍耐系。人間関係系。ちなみにオバケもこわくなくなる。

・映像作品においての「こんな人も出てるんだ」という配役の仕掛けの元祖?

・ファンは忠臣蔵というファクターで歌舞伎、オペラ、バレエ、史跡や寺など色んなお出かけを楽しめる。

・外伝のエピソードがいわゆる「イイ話」だらけ。

・義士伝はいろんなケースに耐えうる本質を持ち合わせているから時代や地域を超える。

・「大空港」「タワーリングインフェルノ」や一連のディザスタームービーのように、

  あたりまえの生活をしているふつうの人達が、突如まとめて大トラブルに見舞われるが、

  最終的にちからをあわせて目的を達成しようとするドラマツルギー。

・ふだんバラバラに活躍してる浪士が最終的に一丸となるクロスオーバーは、

  贅沢感やパワーがハンパじゃないしクール。言わば「アベンジャーズ」(文字通りw)のようなドリームチーム。(またはジャスティス・リーグ…いや、エグゼビアとX-メン…もういいか。)

  講談本のほとんどは、討ち入り前の「勢揃い」というアッセンブルの章を大切にしている。

  このシーンは本来ならば、某芸人さんの言い方を借りるならば「オーシャンズ11のメンバーがひとりずつ集まってくるかの如き興奮」に満ちているのが王道。

  規律違反を犯して主要クルーがほうぼうから集まり、エンタープライズ号を盗んでMr.スポックを探す旅に出る劇場版「スタートレック3」のかんじ。

・違法なことを成功させるために仲間で計画、暗躍するケイパーもののおもしろさ。

・一応ドラマでは、浪人になってからはカーストや、パワハラ、セクハラが赤穂側に無い(無い作品が圧倒的。時代によるが。)。コントラストとして吉良側にはソレがあって、やがて滅亡する。

・元禄という極彩色のカブいたビビッドな背景と、雪をバック・グラウンドに黒い装束というコントラストのクールさ。

・舞台が雪月花

・「仮名手本忠臣蔵」ではこの討ち入りまでのプロセスこそが醍醐味。

 「壮挙よりも、その陰で苦しみ、悲しみ、泣いた人間の集積が人々の官能を揺さぶる」

  講談社「歌舞伎の魅力大辞典」より

・「お話しの筋の大幹(本伝)があって、小枝(銘々伝、外伝)があって、どんな些細なエピソードも結局はその大きな幹に繋がっていくことで「ああ、義士の!」って腑に落ちちゃうんですよ。外伝にしても「義士に」加勢した、応援した…チョコレートあげただけかもしんない。でも「義士にチョコレート!そりゃたいしたもんだ」てことで腑に落ちちゃう、その腑に落ち方が忠臣蔵のすごさ。。」(国本武春さんと最後に飲んだ晩の武春さんの談話。)

・神田愛山さんが「" 忠臣蔵は忠君愛国が人気の秘密ではない。ほとんどが「別れ」がテーマであるところに大衆の心を惹きつける秘密がある "」(講談)とおっしゃってた。(神田松之丞さんNHK公開録音ほか より)。

・松之廊下事件から討ち入りまでが長い。この「間(ま)」「間合い」が良いんです。日本人は好きなんです。野球や相撲が面白いのと同じで結果までいろいろ考える時間。どの選手をどう配するか。自分が選手だったら?そこにスリルとサスペンス。推理モノで活劇。ヒューマンでありとすべての面白さがある。そこにスターがいる。大石内蔵助の逆転の勝ちゲーム。革命劇とまではいかない反権力。すべてが日本人好み。(上岡龍太郎氏・談)

・究極のネタバレ作品。キャスティング&カップリングの面白さ。(春日太一氏談)

・正しいか間違っているか以前に、他人が地位から引きずり降ろされること、またはそれに伴う興奮や熱狂に人間の脳は快楽物質を出す。そういう「シャーマンフロイデ」(と、いうらしい)がある社会のほうが、強くなるとか。また、ソレを「正義」の行為とすることにも脳は喜ぶとか。忠臣蔵は理屈の前に、生理的に楽しい要素がある。

etc.....


善と悪だけじゃ割り切れない世の中なこんにちにあっては、四十七士のおこないに数々のオピニオンの存するところでもありましょうが、数百年の武家政治によってつちかわれた封建の伝統、「万山重からずとも君恩重し」、「一髪軽からず我が命軽ろし」と言った、君主絶対の主義に生きた当時の武士道精神のあらわれでありまして、価値観には「いまと大違い」の時代のへだたりがありまして、それをふまえて忠臣蔵を楽しむべきかと思っております。



おすすめ「忠臣蔵」作品

忠臣蔵 花の巻雪の巻

 忠臣蔵物語にはおおきく人形浄瑠璃&歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」と、多くの映画やドラマのもととなってる講談や浪曲の「赤穂義士伝」、最近では赤穂事件の史実などが映像作品の大きなモトとなっており、そのつど作り手によってアレンジの違う忠臣蔵が生まれています。

 ビギナーの方にオススメできる作品は、ストーリー的にオーソドックスにまとめられた東宝娯楽「忠臣蔵 花の巻雪の巻」(DVD入手可)。体調がどんなときでもスッと入れるやさしさとわかりやすさと完成度と絢爛さがあります。ノンケの若い衆(21世紀生まれ)にも好評で、アメリカのレビューでもすこぶる評判が良いです。

 東宝よりも地味ですが「忠臣蔵がだいたいどういう話か」がわかりやすい大映の「忠臣蔵」(DVD入手可)が、若い忠臣蔵ファンの人気が高い。メイクのせいで人の顔が似通ってるのが、ビギナーには難点?

 以下、次点。

 東宝と同タイトルで、ややこしいんですが「忠臣蔵 花の巻・雪の巻 (松竹)」(DVD入手可)などは硬派でツッコミどころが少ない完成度です。が、「忠臣蔵」というより「赤穂事件」に軸足が置かれており、作品が地味なので辛抱強い人にオススメ。両「花の巻雪の巻」ともに松本白鴎の存在感が群星を圧しております。

 サムライ言葉がスッと入ってくる通人にはスタイリッシュなパッケージに仕上がった「忠臣蔵 地の巻/天の巻」(DVD入手可)もオススメです。

 「年末時代劇スペシャル 忠臣蔵(DVD入手可)」も、人気が高いです(ただし、吉良にヒゲがあることや斬首前に能を舞う演出がファンにすこぶる悪評)。テレビドラマなので肩がこらないという意味ではこちらもオススメ。

 変化球ではありますが「赤穂浪士」(DVD入手可)は圧倒的な絵作りの良さと人物設定の豊かさで出色の作品。

 春日太一先生(令和元年現在、日本でもっとも忠臣蔵の魅力を上手に語れる人)はたしか「赤穂浪士 天の巻・地の巻」(DVD入手可)を概略「ベーシックなものが全部詰まってて完璧」とおっしゃってオススメだったが(TBSラジオ「アフター6ジャンクション」2018.12ほか)、お話の原作は昭和初期の時代小説で、これも変化球作品です。傑作であることはもりいも請け合います。



当WEBサイト公開のいきさつ

キャラクターのメモを取ると同時にたくさん見た忠臣蔵映画などのメモも、まとめてみると我ながらなかなかお役立ちだしおもしろかったのと、自分がネット検索してる時に「登場人物だけまとめておいてくれてるサイトがあったらいいのに」「無いなら作ろう!」と思ったのがきっかけで、ホームページにして公開しようと思い立ちました。

それを話したら身近な誰かが「絵も一緒にあるといい」というので、浮世絵(錦絵)には忠臣蔵を演じた役者絵がいっぱいあるが、昭和以降はないなあと思い、役者さんの絵も描くことにいたしました。

そして遂に北大路欣也の「忠臣蔵」からメモを始めて1年足らずで2008年秋、WEB公開。


Wikipediaのパロディやトップページなどのデザインは友人たちに頼んで作ってもらっております。この機能で何か新しいことがしたいという来訪者のお方がおられましたら気軽に質問メールをくださいませ。ご紹介させていただきます。


始めるに当たってサイト名をどうしようかと思いましたが、講談や浪曲の中で討ち入り前に四十七士が集まったそば屋が「くすや」ということで、あたしの名前の「くすお」と似てることからコレも何かのご縁と思い、四十七士が集まったように、このサイトにも忠臣蔵ファンの方が集まっていただけるようキャラクターもそば屋のおっさんにして、そのまま「忠臣蔵ファンサイトくすや」といたしました。

お見知りおかれまして恐惶万端ひきたててよろしくお願い申し上げます。


もりいくすお