わんわん忠臣蔵

2015年2月7日 (土) 01:59時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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作品概要
制作会社 東映
公開年度 1963年
内蔵助役 ロック
評価 2ツ星

けだもの版忠臣蔵。東映動画のアニメ。

お母さん(白い犬)を虎のキラーに殺されたんで、その復讐に息子のロックが仲間と立ち上がる。


さすが当時の東映アニメ、共産圏の映画なみによく動いてる。

はじめはかわいらしさにグイグイ引き込まれる。次第に淡々としはじめていささか退屈しそうになるが、うまいタイミングで雪が降って討ち入りになる。

罪のない、クオリティの高い作品。


原案・構成:手塚治虫っていうのがすごくそそるが、出来上がったものは手塚先生の考えから相当離れてるとか…。どんな構想だったのかすごく知りたい。

手塚治虫の公式ホームページでもこの件について触れてるコンテンツがあり、当初は『森の忠臣蔵』というタイトルで絵コンテまで執筆したのが企画会議の果てに路線変更されたというようなことが書いてある。

物語の内容が最終的に「お殿様の仇」ではなく「母親の仇」とした設定の変更したことについては、サイトによると「戦争の悲惨さを体験している手塚が、どうしても「お殿様=自分の国」のための戦い、ということは描きたくない、という思いが現れているのかもしれません。」と管理者さんが予想している。


「戦争の悲惨さうんぬん」とか言われると歯が浮くが、たしかに儒教的な忠誠心だけでストーリーを組み立てるのは手塚先生の芸風ではないかもですね。

そもそも先生は「勧善懲悪のハナシは描かない」と明言している(※01)。善悪という二元的な捉え方はあたかもその間に境界線があるようだが、人間の善と悪とは行ったり来たりする…というお考えだったようなので。

そこへいくと勧善懲悪の取り締まりみたいな「忠臣蔵」という題材で、過去に「西遊記」('60)の時にそうとうヒューマン・リレーションの上で懲りた先生が、過去10年に何本も忠臣蔵を撮って、いわばお家芸的にしちゃってる?東映さんと仲良く最後までこのプロジェクトに付き合えるとはとうてい思えない。

ともあれ、世間から讃えられた四十七士の「正義」への疑い。というものを手塚先生なりに見つけていたとしたら、これはアニメでも漫画でもいいからそうとう観てみたかった。


まー、あとぁ単純に「犬」という忠義な性格を持つ動物が主君のために戦うんじゃあんまりヒネリがない(や、それが面白いと思いが)から、森の動物でやりたかったのじゃないかなあ。


(※01)・・・NHK「戦後史証言プロジェクト」で紹介された手塚治虫の考え方に基づいております。