をんな忠臣蔵

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作品概要
制作会社 松竹
公開年度 1997年
内蔵助役 板東三津五郎
評価 3ツ星


江戸の芸者にお話しを置き換えた、仮名手本忠臣蔵のパロディ。

とはいえ、ドタバタ喜劇ではなく楽しい舞踊劇。

もとは名古屋をどりという舞踊公演だったらしいが、昭和48年にアレンジされ、当時の長谷川一夫や梅幸、勘三郎が公演したという。全八幕。


時代背景は、老中・水野忠邦がぜいたく禁止令を出していた頃の江戸時代。あちこちの岡場所がとりつぶしの危機にさらされていた。

水野に近い大久保玄蕃という役人が、山谷堀の芸者・おはん(=判官)に惚れるがふられてしまう。かわいさ余って憎さ百倍。仲町の芸者・直次(=師直)といっしょにお座敷でおはんにさんざん恥をかかせる。

お座敷はしくじるし、山谷堀もおとりつぶしが決まり、すっかり自分のせいではないかと思い詰めたおはんは自殺してしまう。

姉芸者おいしをはじめ、山谷堀の芸者達は復讐を誓う。


おもに三段目、四段目、五段目、七段目、十一段目の引き揚げがなぞられている。

短く整理されたストーリーの合間合間に踊りが入る仕掛け。

復讐劇は殺伐としたものではなく、仲間で一緒に老中に掛け合おうというものだが、これも頭領・おいしが松平確堂にとりいって、大久保玄蕃の悪事をさらしてハッピーエンドとなる。


忠臣蔵のリメイクは映画などではお話しをどう撮るかに執着するが、歌舞伎はオリジナルの仮名手本の「カタチ」をどうトレースするかがこだわられており、男ばかりのドラマが女性ばかりに置き換えられて、見かけが「同じなのに違う」という、たいへん楽しいビジュアルに仕上げていて、目が楽しい。


「大奥」のドラマほど衣装代がかからないから、それこそ名代の女性タレントでいやさ、AKB48あたりでドラマ化してもらいたいものであります。本作の「踊り」部分を「歌」に変えてさ。