キラー!〜吉良上野介〜ふへんの愛

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作品概要
制作会社 座☆風流堂
公開年度 2019年
内蔵助役 早川沙千子
評価 2ツ星
チラシ。折れてしまってすみません。


愛知県は岡崎出身の俳優・楠見彰太郎さんがワークショップ(でしょうか?)「岡崎演劇塾」で募った受講者さんたち(10〜90歳)で公開された試演会。


内容は、吉良上野介はじつは良い人で、浅野内匠頭は年がら年中キレている人で、赤穂が断絶したのを吉良は同情し、討ち入られた時も自分の家来をかばうようにして吉良は四十七士に命を投げ出す。そんな態度に堀部安兵衛の剣も鈍る。

最初、「吉良上野介は名君だった」っていうすべり出しに「う〜わ、またソッチ系かよ」と辟易しかけたが、見に来てるのが吉良町(現在の西尾市)のお隣だったことを思い出して、あ、それならしょうがねえやと心持ちを正しました。(土地柄が違ってたら相当ブーブー言ってたところ。)


ご出演のみなさん(ほとんど女性)が、あとでチラシでお顔を見てもすぐ、どの人がなんの役をやったかがわかるほど、アマチュアにしてはたいへん個性豊かで、シェリー・デュヴァルを美人にしたような大石内蔵助や、アイドルのような大石主税。ご高齢でも場面をさらっていく内蔵助の母・富子(なぜ、クマではなく、吉良上野介の奥さんの名前を当てたんだろう。)、架空の女間者・静(しずか)も、少数精鋭の男子もみなさんステキでした。

たぶん参加者には、プロやセミプロ、プロを志してる人も少なくないはずであります。

こうした公演の内容は舞台に上がっているみなさんが楽しければ、もうそれでいいのだと思うんですが、なんだかじつは、脚本の構成のほうが妙に込み入ってて、あたしゃそっちが気になった。

たとえば物語の流れが(不正確ですが、印象的には)、幕末の清水次郎長宅〜さかのぼって元禄15年吉良邸本懐成就〜さかのぼって松の廊下の時の柳沢邸〜さかのぼって松の廊下事件前〜くだって事件後…みたいなかんじ。ここにまた回想が入ってきたりする。ほぼ満席(300席弱)の観客はみなさん黙って観ていらしたが、ついて来られたろうか。

NHK大河ドラマ「いだてん」の視聴率が悪い要因のひとつが、時代を行ったり来たりする構成がわかりにくいからとささやかれている昨今(鑑賞は2019年8月)に、あえてこの構成をぶち込んできた意図とは…。

その上、場面転換がすごく多い。(脚本は原 霞外さんという人。名前は社会主義活動家だが、どういう人なんだろう。)2時間の間に30場面ぐらい転換(要確認)がある。そして転換のたびに暗転になって章タイトルが映しだされる。リズムが…

見ながら「なんだか5分おきくらいに、やけに細切れに場面が変わるなあ」と思ってたが、単純に120分を30で割るとそういう数字になるんで、印象は間違ってなかったようで。


とはいえ、全体的にはあたしにはぜんぜん良い居心地でした。

アマチュア芝居の良い所というのはあの「居心地」にございます。


くすや的に、市民活動まで網羅し始めていいのかなあ。とにかくあたしは、「忠臣蔵と聞けば南極でもすぐに行く気概を持て」と、カミさんに言われ(その手紙を音読してくださったのは玉井詩織先生)たので、ムキになって、観に行くことにしますから!すくなくとも当分は…。


<附言>

討ち入り後に、この岡崎の藩主・水野忠之のところに預けられた赤穂浪士・矢頭右衛門七の供養塔が、会場のすぐ隣のお寺さんにあるのに、そうしたゆかりをスルーして、なぜか該当(?)の浪士の名前は「やがしら うえもん」になっていた。わざわざ、なんで?