テレビ朝日開局45周年記念企画 忠臣蔵
作品概要 | |
制作会社 | テレビ朝日 |
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公開年度 | 2004年 |
内蔵助役 | 松平健 |
評価 |
タイトルはかっこいいしオープニングは「おッ」と思うほどつかみがじょうずで、ずるずる引き込まれた。
ところが間もなくタイトルが終わったぐらいのところでデジャブのような既視感にとらわれる。
なんとなく脚本家の古田求(ふるたもとむ)さんでググってみたら、仲代達矢の「忠臣蔵 風の巻・雲の巻」91を皮切りに、北大路欣也「忠臣蔵」96、中村吉右衛門「忠臣蔵−決断の時」03もぜんぶこの人が書いてるのだった(異色作「忠臣蔵外伝 四谷怪談」94もそうだが、これについては監督の深作欣二がほとんど書いてるらしいので「古田度」は感じない)。
で、既視感は、一字一句台詞がまったく同じシチュエーションがところどころにあったことが原因である(<そんなことがあっていいのでしょうか?とはいえ他作品のDVDをとっかえひっかえ、俳優の演じ方や演出などを見比べると、遊びとしては面白い)。
古田さんはもう、ご自分が「スタンダード」なんですね。くちさがないファンはこれを「使い回し忠臣蔵」と呼んでいる。
(補足:使い回し自体は、新藤兼人さんも「赤穂浪士 天の巻・地の巻(56)」「 赤穂浪士(テレビ朝日)(79)」の脚本で、同じようなシチュエーションやセリフを繰り返している。問題は全体のパッケージとしての出来栄えにあると思うが、古田さんの場合はいささか短期間に続きすぎたのでディスられたのかと。)
前に見た思い出をふりきれば、やがて中盤の頃にはまた新たな気持ちでマツケン版に慣れてくる。ラストに行くに従ってどんどん良くなる。
近年の忠臣蔵ドラマの中ではチカラの入ってるほうである。
内匠頭や吉良は最大限にあっさり描き、内蔵助&メンバーに重点を置いた構成。
しかしあれですな。脚本が使い回しなら、キャストの豪華さで「目新しさ」を計ってもよかったのでは。テレ朝45周年のアニバーサリー番組っていうんだから、もっと大胆に人気番組から登板させればよかったのだ。
たしかに主人公は暴れん坊マツケンで、サブではぐれ刑事の藤田まこと。赤かぶの橋爪功、おみやさん櫻井淳子が出ているが、さらに黒柳徹子や市原悦子。水谷豊&寺脇康文。大和田獏、松岡修造、古舘伊知郎や大山のぶ代やロンブーなど当時のテレ朝への貢献者をいっぱい出すシャレが効いてたら間違いなく語りぐさになっただろう。(あ、あと、柳生博、児玉清、桂三枝…)
暴れん坊将軍Ⅱ
松平健のヒットドラマ「暴れん坊将軍」第2シリーズ(1986年放送)には、討ち入りから20年経った江戸が舞台の話がある。
討ち入り後20周年に盛り上がる江戸で、おかる勘平に似た事情で討ち入りに参加できず、おめおめと生き残ってることにコンプレックスを抱えてひっそり暮らす元・赤穂の浪人夫婦。。
いろいろ事件があって万事解決したあとに浪人は第8代将軍・吉宗に向かって
「吉宗様が元禄の御世にあらせられましたらおそらく赤穂の事件は起きなかったものと…」
と残念がるセリフを吐く。
オープニングでも江戸城で大名たちが元禄当時を振り返ってあれこれ話しているシーンとラストが呼応して、ヒーロー・吉宗の存在感を大きくして幕を閉じる心憎い構成となっている。
第157話 「天晴れ! 赤穂の竹光夫婦」