「七段目」の版間の差分

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ハードルが高いとはいうものの、コミカル要素は多いので、思っていたより講座で見かける回数が多い印象です。。
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ハードルが高いとはいうものの、コミカル要素は多いので、思っていたより高座で見かける回数が多い印象です。。

2011年10月15日 (土) 13:01時点における版

七段目【しちだんめ】…(落語)


タイトルは歌舞伎の仮名手本忠臣蔵の七段目のこと。芝居キチガイの若旦那と小僧さんのおはなし。

お使いの帰りに寄り道をして芝居見物をしてきた若旦那が親父さんからけんつくを食うが、帰るなりいきなりガミガミやられたのがしゃくにさわったんで、返答を全部、芝居のセリフで返してたらケンカになる。番頭が仲裁に入って、若旦那は二階でまたぞろひとりで芝居のマネをやってるところへ同じく芝居好きの小僧さんが上がってくる。二人は仮名手本忠臣蔵の七段目ごっこをやろうということになる。


この噺は「四段目」よりもさらに、仮名手本忠臣蔵をよく知らないと楽しみが半減する。

「四段目」は芝居の再現をやりながら解説が付くが、こっちは平右衛門お軽のくだりをそのままやるからだ。ちなみに「四段目」はひとり芝居を演じるのだが、「七段目」は若旦那と小僧が演じてるところを演じなければならないハードルが噺家に課せられる。

芝居の再現をする後半はともかく、前半部についてはは噺家がうまいと楽しめると思います。それって、ん〜、言ってることはよくわからなくても楽しめるときってありますよね。タモリが古地図のことを喋ってるときとか、ガンダム大好き芸人がある場面を再現してるところなどいい例だと思う。だから、噺家がホントに芝居が好きで、かつ演じ方がうまいと、ちゃんと引き込まれる仕掛けになってるのです。

性格が素直なだけのノンケの監督のポルノ映画が抜けないように、ハナシだけ暗記してカッコだけつけても面白く仕上がらないんですな。「ああ、勉強熱心でらっしゃるんですね」つっておわり。


さて、わたしが初めてコレを聴いたときはお名前は忘れましたがテレビでどなたかのを拝見して、直球ストレートに「つまらない」と思い、これはもう、こっち側に芝居知識の下地が無ければまったく楽しめないのだなと。とにかくキャラクターがナニを喋ってるのかとんと意味がわからない、と思って途中で見るのをやめてしまいました。

ところが、歌舞伎が趣味で歌舞伎座で働いてたこともあり、奥さんも歌舞伎役者の娘さんだという春風亭一朝さん(枕で一瞬市川歌右衛門のマネをしたが、よく似てたりする)のを聴いたら、前に見ててつまらないという先入観がありながら、すごく楽しめた。もっともわたしのほうも最初に聴いたときから1年ほど経っており、それまで現在に至るまで歌舞伎の仮名手本はさんざっぱら繰り返し見ているが。それにしても、である。in三田落語会

その日の一朝師匠の登板は、盗撮をしてとっつかまった、おとうと弟子の春風亭正朝の代打だったが、スカートの中を撮られた女性には同情するものの、この番狂わせをココロから感謝いたしました。


ハードルが高いとはいうものの、コミカル要素は多いので、思っていたより高座で見かける回数が多い印象です。。