不破数右衛門

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2009年7月26日 (日) 22:15時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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役者絵:千葉真一


不破数右衛門 【ふわ かずえもん】…ワイルドキャラ。一徹短慮の粗忽者。浅野家をリストラされている浪人。お家の大変を聞いて赤穂城まで鎧櫃(よろいびつ)をしょって駆けつける。

豪放磊落にして愉快に描かれることも多い。

「おつむがたりない」みたいに言われることも(三船の「大忠臣蔵」)。豪傑なわりに「泣き男」とあだ名される涙もろさも。


リストラの原因

唯一の趣味が刀剣類。ある日、刀屋・杉本屋から買った無名の貞宗を試したくて、乞食が沢山いるところに行って、そのひとりに「腰も抜けて三食も心にまかせないんじゃ生きてたってしょうがないだろ。早く死んで生まれ変わったほうがいいんじゃないか」と声を掛ける。冗談だと思って乞食が「さようでございます。早く死にたいですわ」と答えると数右衛門が「そうか!この一刀を試したいんで殺してやろう」とホントに抜いたんでイザリの乞食は一目散に逃げた。(この噂が乞食のあいだで評判になり、赤穂城下は乞食の種切れになる)

その後、仲間(ちゅうげん)・文助が「お化けが出る」と言って仕方がないので、原因となってる、最近死んだその知人とやらの墓を掘り起こして死体を細切れに斬りまくった。数「コレならもうお化けになってでやしまい」文「こう細かいと、毎日ちょっとずつ来るんじゃないでしょうか」

掘り起こす際に使ったクワから足が付いて数右衛門は棺場やぶりの重罪でとがめられるが、内匠頭のお気に入りだったので死罪にした体裁で彼を追放するに止める。

この死人の試し切りや、お城に駆けつるために住んでた加古川をあとにする際、正逆(まさか)の役に立つまじと幼少の我が子を殺してから出かけてくるなどのバイオレンスな講話が影響してか、彼が猟奇殺人する歌舞伎の出し物に「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」というのがある。


元禄15年2月、江戸は山村座というところで「東山栄華の舞台」という芝居やってて「器用にこないだの刃傷事件を芝居に盛り込んだものだなあ」と言う評判を聞いたので数右衛は芝居見物。見てたら上野介役の役者にキレて客席から舞台に飛び上がり梶川与惣兵衛役の役者を殴打。上野介役に「慮外千万!」と斬りかかる。「おもしろい芝居ですなぁ。今日の幕は一人役者が増えましたなぁ」やがて数右衛門はクールダウンして楽屋で謝るが、ちまたでは「アレはきっと赤穂の浪人だ。芝居がリアルだから思わずあんなことを」と評判になる。


討ち入りに参加

殿様刃傷&切腹のニュースを持った早駕籠と地元・加古川の西道で偶然ばったりでくわした数右衛門「もし片岡源五右衛門殿ではござらぬか!?」(<ゲンゴが早駕籠メンバーの講話がしばしばある)。さっそく赤穂城へ出向こうとする。妻は夫の勇気を増すがために自害。子供も殺してしまう。もろもろの事情を聞いた内蔵助は妻子の志を不憫に思い、殿様に変わって帰参を許す。

討ち入りメンバーの加盟については病気の妻が足手まといにならないように自害する際、「夫をメンバーに加えてくれ」と内蔵助に遺書を残すというアプローチもある(浪曲)。

奥さんに関しては、子供と一緒に死んじゃう方は村松喜兵衛の娘・お國(くに)。また、自害する際メンバー加盟の嘆願書を書くのがお藤と、いろいろ。


映画やテレビでは帰参のエピソードはさまざまだが、だいたい遠くから内蔵助を見守ってチャンスをうかがい、刺客に狙われる内蔵助をボディガードして許されたり、みたいなイメージが強い。最近いつもオファーされてる古田求さんの脚本では、泉岳寺の殿様の墓前で土下座して内蔵助に許してもらっている。


討ち入りでは裏門係だったがいても立ってもいられず渦中に飛び込み最もめざましい働きをしたと伝わる。


東映「赤穂城断絶」ではクローズアップされ、千葉真一が演じて相当カッコよかった〜。

享年34。


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