中山安兵衛(日活大将軍)

作品概要
制作会社 日活
公開年度 1925年
内蔵助役 ---
評価 2ツ星


京都、二条のおもちゃ映画ミュージアムさんにおもちゃ映画(玩具映写機の販売のために劇場用映画の一部を切り売りしたもの)用のフィルムが残っており、一部が3分48秒だけ見られる。


4分弱で1項目もうけるのもどうかと思いましたが、不完全で言えばNHK大河ドラマの「赤穂浪士」も「討ち入り」しか見てないわけですし、エイヤ!とUPいたします。


見られるのは高田の馬場の決闘シーンの一部のみだが、劇場で擦り切れるまでくりかえし使われてたフィルムに比べて状態が良く、おもちゃミュージアムさんが再生速度を調節してるので、一番古い作品なのに、ちょこまかした動きとオーバーアクションのいかにもサイレント映画〜!という感じで、お目にかかる機会の多いサイレント映画で言えば後塵の「血煙高田馬場」よりもよほど「映画っぽい」(?)クオリティ。

とはいえ殺陣が歌舞伎っぽくてかわいらしく時代を感じ、安兵衛が段取り的に大勢と闘うシーンが楽しい。

早稲田に残る「決闘の際に見物客が昇って見てたと言われる大木」が登場する。大勢がよじ登って安さんを応援している。

いつもなら卑怯にも突如なぎなたで不意をつこうとする中津川友範が、陣幕のこっち側でほかのメンバーとわるだくみしている「卑怯ライジング」なシーンもある。

前後しますが、「働きにくうございましょう」とシゴキ帯とかんざしをお幸(ホリ?ともかくのちの奥さん)が安兵衛に挙げるところが比較的アップで丁寧。


さらに珍しいところでは安さんの衣装にジャージのデザインのように肩から腕にかけてラインが入ってるのが印象的。


残念ながら殺陣の途中でフィルムは終わっている。


赤穂市が出してる文芸、史料、エンターテインメントのことなど全七巻に収めた「忠臣蔵」五巻(歌舞伎等、浄瑠璃の上演年表。映画やテレビの作品年表を収録)に、なぜか本作が載ってない。