「元禄繚乱」の版間の差分

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[[画像:kannzabu2.jpg|thumb|役者絵:中村勘三郎]]
 
[[画像:kannzabu2.jpg|thumb|役者絵:中村勘三郎]]
  
大河ドラマだと1年かけてゆっくりほうぼうの表現ができるので良いですな。事件にまつわる実在した人物のトゥルーストーリ−に焦点を当てて、こまかい実話エピソードもいちいち映像化してて良い。たいへん勉強になりました。
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大河ドラマだと1年かけてゆっくりほうぼうの表現ができるので良いですな。事件にまつわる実在した人物のトゥルーストーリ−に焦点を当てて、こまかい実話エピソードもいちいち映像化してて良い。忠臣蔵にくわしくない時期に本作品を連続してみることでたいへん勉強になりました。
  
「立場」を丁寧に脚色してるので不義士とか悪役、というこれまでの偏ったニュアンスが各キャラから消えている。現代人が見るにはちょうどいいと思いました。あたしはこの作品を見て「忠臣蔵」にハマった感があるなあ。
 
  
また配役がひじょうにイメージに合ってる。
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各「立場」を丁寧に脚色してるので不義士とか悪役、というこれまでの偏ったニュアンスが各キャラから消えている。現代人が見るにはちょうどいいと思いました。あたしはこの作品をオン・タイムで見て「忠臣蔵」にハマった感がある。
  
まず中村勘三郎が[[大石内蔵助]]をいいバランスで演じている。池波正太郎作品とか読んでると彼のイメージが近い。東山紀之の[[浅野内匠頭]]も頭が堅そうで良かったし、いろいろ博学で実際はそんなにやさしくなさそうな石坂浩二が[[吉良上野介|吉良]]で合ってたし。阿部寛の[[堀部安兵衛|安兵衛]]も、宮沢りえの[[阿久里/瑤泉院|あぐり]]も、辰巳琢郎の[[大高源五]]なんかにいたるまでよかった。役者当人のキャラをうまく利用している。
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そもそも配役がひじょうにイメージに合ってる。
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まず中村勘三郎が[[大石内蔵助]]をいいバランスで演じている。池波正太郎作品とか読んでると、本気になるとコワイ昼行灯のイメージが彼に近い。東山紀之の[[浅野内匠頭]]も頭が堅そうで良かったし、いろいろ博学で実際はそんなにやさしくなさそうな石坂浩二が[[吉良上野介|吉良]]で合ってたし。阿部寛の[[堀部安兵衛|安兵衛]]も、宮沢りえの[[阿久里/瑤泉院|あぐり]]も、辰巳琢郎の[[大高源五]]なんかにいたるまでよかった。役者当人のキャラをうまく利用している。
  
 
これを見た以降、忠臣蔵キャラをこの番組の配役でイメージすることが多い。そこへお笑い芸人や元AV女優、大石内蔵助の子孫まで出演して作品の色を添えてひじょうに楽しい。
 
これを見た以降、忠臣蔵キャラをこの番組の配役でイメージすることが多い。そこへお笑い芸人や元AV女優、大石内蔵助の子孫まで出演して作品の色を添えてひじょうに楽しい。
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原作がそうなのか、浮世絵「大星一代噺」に見られる、[[八介|下僕のじいさん]]にお別れに絵を描いてあげるエピソードや遊郭の天井に落書きするエピソードも劇中にあって楽しい。ちょっとほかでは見たことがない。
 
原作がそうなのか、浮世絵「大星一代噺」に見られる、[[八介|下僕のじいさん]]にお別れに絵を描いてあげるエピソードや遊郭の天井に落書きするエピソードも劇中にあって楽しい。ちょっとほかでは見たことがない。
  
 
エンターテインメントの「忠臣蔵」的エピソードをほとんど扱っていないにもかかわらず、まさに「繚乱」なイメージに仕上がっている。
 
エンターテインメントの「忠臣蔵」的エピソードをほとんど扱っていないにもかかわらず、まさに「繚乱」なイメージに仕上がっている。
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ただ、フィクション部分があんまりおもしろくなかったかなー。
 
ただ、フィクション部分があんまりおもしろくなかったかなー。

2009年3月29日 (日) 02:14時点における版

作品概要
制作会社 NHK
公開年度 1999年
内蔵助役 中村勘三郎
評価 4ツ星
役者絵:中村勘三郎

大河ドラマだと1年かけてゆっくりほうぼうの表現ができるので良いですな。事件にまつわる実在した人物のトゥルーストーリ−に焦点を当てて、こまかい実話エピソードもいちいち映像化してて良い。忠臣蔵にくわしくない時期に本作品を連続してみることでたいへん勉強になりました。


各「立場」を丁寧に脚色してるので不義士とか悪役、というこれまでの偏ったニュアンスが各キャラから消えている。現代人が見るにはちょうどいいと思いました。あたしはこの作品をオン・タイムで見て「忠臣蔵」にハマった感がある。

そもそも配役がひじょうにイメージに合ってる。

まず中村勘三郎が大石内蔵助をいいバランスで演じている。池波正太郎作品とか読んでると、本気になるとコワイ昼行灯のイメージが彼に近い。東山紀之の浅野内匠頭も頭が堅そうで良かったし、いろいろ博学で実際はそんなにやさしくなさそうな石坂浩二が吉良で合ってたし。阿部寛の安兵衛も、宮沢りえのあぐりも、辰巳琢郎の大高源五なんかにいたるまでよかった。役者当人のキャラをうまく利用している。

これを見た以降、忠臣蔵キャラをこの番組の配役でイメージすることが多い。そこへお笑い芸人や元AV女優、大石内蔵助の子孫まで出演して作品の色を添えてひじょうに楽しい。


原作がそうなのか、浮世絵「大星一代噺」に見られる、下僕のじいさんにお別れに絵を描いてあげるエピソードや遊郭の天井に落書きするエピソードも劇中にあって楽しい。ちょっとほかでは見たことがない。

エンターテインメントの「忠臣蔵」的エピソードをほとんど扱っていないにもかかわらず、まさに「繚乱」なイメージに仕上がっている。


ただ、フィクション部分があんまりおもしろくなかったかなー。

柳沢慎吾や高岡早紀のスパイ活動は出てくるたんびにテンポが崩れるし、本筋にグイグイ食い込んでくる吉田栄作と鈴木保奈美のよろめきシークエンスは、じゃっかんウンザリする。この二人、以前つきあってたのだが鈴木保奈美が柳沢家に側室として召し抱えられる。できた子供は不義で作った元カレ吉田栄作の子供でうんぬんっていう架空のハナシ。いらなくね?

で!こともあろうに吉田栄作は寺坂吉右衛門とメンバー交替して討ち入りに参加する。だからこのドラマの四十七士は正式メンバーではない。それはやっちゃダメでしょう〜。

中盤で内蔵助が思い出を振り返る「プチ総集編」があったのもじゃっかんさめた。