刃傷未遂

作品概要
制作会社 大映
公開年度 1957年
内蔵助役 −−−
評価 4ツ星


舞台は内匠頭による刃傷沙汰の1年前。この年の饗応役を任命された岡部美濃守(長谷川一夫)も進物がショボかったが、彼は上野介のイジメを甘んじて受けることはなかった…

弟(カツシン)が知り合いの宗匠(珍しくコメディアンとしての山茶花究が見られる)や身請けした湯女(岡田茉莉子が超〜かわいい!)をつかって、前年の担当者から記録を見せてもらったり、吉良邸から情報をスパイしたりして奔走。兄の仕事がうまくいくようにアレコレ知恵を絞る。


「知らぬが当然!わからねばこそおうかがい申すので!」と美濃守が上野介にくってかかるシーンはスカッとする。わからんとはいいながら、情報は得てるので、上野介に「そんなことも知らないのか」と一瞬威張らせておいて「んま、この程度なら知ってるが」とスラスラと知識を披露して鼻をあかす。

喧嘩というものは用意周到が一番。先手必勝。

内匠頭のようにただションボリして我慢しているだけでは能がないと、製作者は言いたげ。

バカ上司も、懲りずに嫌がらせを繰り返すからしまいにゃ首を落とされるんだ。あらためなければ身の破滅だという、なかなか痛快なオハナシ。


要はごうつくばりの吉良のイジメがうまくいかないばかりか、逆に彼がいじめられて、遺恨をおぼえるわけである(笑)。

あ〜やだやだ。それにしても人間関係ってめんどくさくってたいへんだわいなあ。


本作品は講談「忠臣蔵本伝 序・元禄十三年 岡部美濃守」がベースになっていると思ったら、それをさらに丹下左膳の林不忘が超いいかんじに脚色したものが原作だったことを教えていただきました。

ロビーカードを読んでみると、サンデー毎日に連載していた本作は、オールドファンには馴染み深い作品だそうで、昭和6年「元禄十三年」(稲垣浩監督。脚本伊丹万作。主演片岡千恵蔵。千恵プロ)。昭和13年松竹で「風流荒大名」(冬島泰三監督。坂東好太郎主演。松竹)と、戦前に2度映画化されており、特に千恵プロの方は人気ベスト10にも入ったらしい、人気の題材である。

今回は時代劇の父・伊藤大輔が湯女のスパイ活動をスタイリッシュに盛り込んでいる。