初祝二刀流「高田馬場前後」改題

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2015年11月7日 (土) 16:20時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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作品概要
制作会社 日活
公開年度 1944年
内蔵助役 ---
評価 3ツ星


嵐 寛壽郎(アラカン)主演の堀部安兵衛映画。

数少ない戦時中の忠臣蔵モノ。

五年前に制定された軍事主義制作の「映画法」の影響をモロに受けている珍品。安さんは「ぐでんの安」でも「のんべえ安」でもない。

ほかの作品には見られない品行方正な安兵衛が珍しい。

トントンと高田馬場の仇討ちシーンになるが、なにしろ酔っ払っていないのでおじさんからの手紙を読まない理由が無く、助太刀に間に合わないプロセスにじゃっかん無理があるw。長屋で一人、ただねっころがって(<だらしなくない)ぼんやりしていて、フと放置(机の上にきちんといてある)していた手紙を読み始め「しまったー!」としらふで一大事に駆けつける。アクションシーンは迫力があるが、これまた特徴的なのは、サチからしごき帯をもらわず、かんざしも鉢巻に挟まない。女子からのプレゼントを露骨に身にまとうのは軟弱であるとでも言いたげ(ご婦人からもらう武運のお守り千人針とはニュアンスが違うのだろう)。


この作品で一番ウエイトがおかれてるのは堀部弥兵衛が安兵衛を婿にほしがる(=赤穂藩の藩士になってほしがる)エピソード。

弥兵衛がいくら口説いても婿になってくれないんで、とのさま(浅野内匠頭)が一肌脱いでくれる。殿様であることを内緒にして安兵衛に会った内匠頭は弥兵衛同様に安兵衛に惚れ、安兵衛もほだされる。

安兵衛映画は酔っ払ってなんぼなのだが、それが全部無いので、笑いを取るシーンはここに集まる。自分の身分を隠す殿様が隠しきれず色々ボロを出すのを安さんに突っ込まれるのだが、これが品のよいコミカルなシーンに仕上がっており、制作側の腐心の勝利。


その赤穂藩にスカウトする部分が豊かに膨らんでいるので主従の絆が強調され、そのために松の廊下シーンが「忠臣蔵 地の巻/天の巻」の使い回しであるにもかかわらずいっそう絶望的で印象的な感じがする。

そして、弥兵衛、安兵衛親子のニッコニコしながら、雪の中を討ち入りに走っていくシーンで映画は終わります。


時代背景を知らずに見た時はなんだか栄養不足な作品、といった印象を持ち、ほんとは3っつ星というほど面白かったわけじゃないものの、2つ星にするとなんだかかわいそうな、そういう存在感を感じた。


ちなみに、日本映画データベースで見ると、以降何度も堀部弥兵衛を演じる薄田研二のファースト・弥兵衛。


リバイバル上映や「増補」ものが当たり前にあった時代なので、きっと「改題」とあるのでしょうか。

世代的には「怪獣総進撃」を「ゴジラ電撃作戦」っていうタイトルでリバイバル上映したのを思い出した。

(2014年のCS放送では「旧題 高田馬場前後」としてあり、言い方としてはそっちのほうが理解しやすかった。)


南方の戦局が相当悪い、終戦間近の作品。数ヶ月後、神風特攻隊。