刺客請負人
森村誠一原作の時代劇小説を村上弘明を主役に展開するドラマ。
面白いものを作ろうという意気込みがたいへん感じられ、ビジュアル的にも近年の時代劇には珍しく、「元禄時代の華々しさ」をビジュアル化しようという心がけが小気味いい作品。
よくある、藩の陰謀で浪人生活を余儀なくされた浪人もののお話のパターンだが、討ち入り後の赤穂浪士がちょいちょい絡む。
原作は読んでいないのだが、きっと森村先生は忠臣蔵そのものもネタとして扱ってらっしゃるし、元来お好きなのだと思うが、ドラマを見ますと、なんていうんだろう・・赤穂浪士を引っぱってきて絡ませるところにそこはかとない「わざわざ」感がある。
たぶん、刺客を請け負うライバル業者の存在や、主人公・松葉刑部(村上弘明)のバックグラウンドなど、大きな別の柱があって、これが赤穂事件となんの関係もないからではないかと。
知らない人が見ると、時々出てくるよくわかんない浪人に「これ、なんなの?」って思っちゃうんじゃないだろうか。(不遜ながら、当てられてる大部屋役者さんたちがもうひとつ魅力を出してくれてないのかもなぁ。)
なのでしばらくこの作品の項目はもうけず、「腕におぼえあり」の「補遺」に記載しておりました。
でも、赤穂浪士の登場頻度がそんなに低くもないし、作品そのものの魅力がありますのであらためました。
第3話「赤穂遺臣」 大石内蔵助の討ち入りが失敗したときのために控えていた奥野将監率いる第二陣(あとは郡さん、小山田庄左衛門、毛利小平太)が、浅野家がお世話になった豪商の娘の仇を討つために新興宗教に殴り込みをかける。のを、主人公・松葉刑部が助太刀するハナシ。
このエピソードをきっかけに仲良くなった郡さんたちは別のハナシで松葉刑部と街の不良をやっつける「世直し組」を結成する。(第5話「武士と人間の間」)
第6話にも和久半太夫なる腕の立つ、でも今は病人という浪人が出てくるが、吉良との因果関係は出てこないので氏素性が不明。
このドラマには第2シリーズがあり、第4〜5話「狙われた軍用金」で大石内蔵助の生前に用意した「隠し軍用金」のうわさを巡って登場人物みんながいろいろ動く。
前のシーズンに出た高田たちはここにも登場する。
原作森村誠一の解釈した(推理した?)「赤穂事件の真相」が語られる。