大奥#32「刃傷お鈴廊下」ほか

2017年7月21日 (金) 20:59時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「{{Cinema|制作=関西テレビ|公開=1968|内蔵助=久保菜穂子|星=3|頃=}} 浪花千栄子:この人が鬼のように… 1968年...」)

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作品概要
制作会社 関西テレビ
公開年度 1968年
内蔵助役 久保菜穂子
評価 3ツ星


浪花千栄子:この人が鬼のように…

1968年版の関西テレビ「大奥」全52話中の3エピソードが忠臣蔵のパロディになっている。

時代は十代将軍家治の時代なので赤穂事件から少し後の背景。…だが、あんまりそのへんは関係ない。

大奥総取締・藤岡なる老婆が、世継ぎを生んだ大奥筆頭の側室・お知保を毛嫌いしてて、息子もろとも死に至らしめるので、お知保の部屋付きだったスタッフたち11人が藤岡に仕返しをするというお話し。

この、イジワルばばあ・藤岡を演じるのがオロナインH軟膏のホーロー看板で有名な浪花千栄子なのだが、彼女の怪演がすこぶる光っている。上野介役の俳優ベスト10を作ったらこの人も混ぜて上位に入れていいくらい。演技はもとより。顔つき、発声にいたるまで上出来である。すごく楽しそうに演じている。


さて、「女社会での忠臣蔵」というパロディがすこぶるおもしろく、うまく遊べてて、ふすま変え(…という事件がおこる。もちろん忠臣蔵の畳替え事件のパロディ)の職人も全員女で腰元連中も手伝うのだが「見て!あたしの手、糊だらけだわ!」「あたしもよ、ほら!アハハハハ」とかしましい。

いじわるも女子が主役になると本領発揮といおうか、侍社会よりも板についていて、見ていて自然。そう、イジワルも仕返しも徒党も、実は女子の専売特許ではないか?

本家の忠臣蔵には無い、仲間内にいる密告者などの存在もドラマを豊かにしている。


んま、一点、団体で死を覚悟して事をなすという価値観が女子っぽくないと思った。実際なら真っ正面から突撃して相手を殺したあと、全員で墓前で自決…などしないで、もっと「ひねった」仕返しをすると思う。しかしそれじゃあ忠臣蔵にならないので、神田祭を背景に手古舞の扮装で身を固めた(忠臣蔵の火事装束と比べるとまったく防具的な意味はないので、ほんとにただのコスプレ)メンバーが、逃げ惑う浪花千栄子を追い詰め、本懐を遂げる。


この番組終了後に同局で放送された、同じスタッフの「あゝ忠臣蔵」よりよっぽど歯切れが良く、念のいった忠臣蔵で、後年の必殺シリーズやプレイガールをも彷彿とさせる元気を感じる。


32話「刃傷お鈴廊下」/33話「鮮血の誓い」/34話「仇討ち神田祭」