天下御免

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ごひいき様から送っていただいた脚本「天下御免」。早坂 暁著。

NHKドラマ「天下御免」は「カツラをつけた現代劇」といわれた昭和46年のNHKのパロディ時代劇で、高視聴率をマークし、当時としては相当画期的ドラマ作品。

若き平賀源内(山口崇)と仲間達が毎回難題を解決する連ドラだが、時代劇の扮装のまま現代の銀座のホコテンでロケしちゃうような破天荒ぶりで、見かけは斬新でも内容は当時のゴミ処理問題から田中角栄内閣批判。はては人種差別問題まで盛りこみ、毎回痛烈な社会風刺などをやっつけた内容だったようです。

三谷幸喜や松尾スズキ、中島かずきらがインスパイアされたと言われ、ことによると作品の感じからして渡哲也の「浮浪雲」(倉本聰)なんかも影響うけてるのでわと思いました。


脚本によると第10話で忠臣蔵が取り上げられた。タイトルは「Xマスには切腹を」。

劇中劇のカタチになっており、発明家で作家でもある源内が弱小一座のために変わり種の忠臣蔵を描き下ろすという内容。

昭和46年当時で早くも「史実に基づいた赤穂事件の劇化」に挑戦しており、源内が演技指導をしながら、セオリーどおりに演ろうとする仲間達にダメ出しをするカタチで、装束のことや当時の天気のことなど、おそらく当時の視聴者としては耳に新しい史実の情報を紹介している。

こう書くと、近年の歴史バラエティの元祖みたいな構成であるが、こうしたパターンはまれで、本作はいつもはふつうのドラマである。

つまり、ふつうのドラマの、ある回は歴史バラエティになってるなんてところがもう、画期的でありますし、新しい。

で、「スタートレック」あたりの海外ドラマなんかはときどきあるんですが、連ドラのおなじみキャラが「違う役をやる」というのはマンネリ回避のテクニックなんですよねえ。


討ち入り後、評議所での柳沢を始めおえらいさんがたによる浪士の処置についてアレコレ話し合うシーンをわかりやすく盛りこんで、お預けの細川家で切腹あたりまでを描き、びわのヒッピーバンドがラストソングを歌ってるところに役人が「ご政道批判の芝居、ご用だ!」とやってくるのでみんな逃げちゃって終わる。


ぜひ見てみたい作品だが、このシリーズは一度傑作選のカタチで再放送はしたもののNHK当局のお達しで当時貴重品のテープは上から別のものを録っちゃって、VTRが一切残ってないというのがいかにも悔やまれる。

貴重品だ、高価だと言ったって前年に放送してるTBS「ありがとう」とか「時間ですよ」とかちゃんと残ってるのを見ると、政治的圧力だったんじゃないかと邪推してしまうなあ。