女間者

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2010年1月10日 (日) 17:09時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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女間者…スパイ。

男臭い「忠臣蔵」に花を添えるリリーフとしてしばしば登場。

柳沢が放ったり、上杉家(千坂兵部または色部)が放ったり、江戸組の浪士が吉良邸に放ったり(「忠臣蔵 花の巻雪の巻」の水野久美/「忠臣蔵 桜花の巻 菊花の巻」のひばり)と、さまざまなキャラクターや設定が作られている。


内蔵助に接近した女間者は、たいがい彼の人望に惚れてしまって任務を遂行できないというのが相場。


忠臣蔵(大映)」「ミフネ版大忠臣蔵」「忠臣蔵ー花に散り雪に散りー」のようにスパイと言えども彼女達のシークエンスがたっぷりオリジナルで用意されてる作品も少なくない(多くもないけど)。

片岡源五右衛門の娘が吉良邸に侵入する「女間者秘聞 赤穂浪士」という作品もある。


大佛次郎の小説「赤穂浪士」に大変よく書けているな美女間者、お仙(千坂側)というキャラが出てまいりまして、物語にいいアクセントとなっている。聡明で運動神経にも長けており、度胸がすごく、カネがある。俯瞰で見ているような立ち位置は右往左往してる男達より「一枚上手」なイメージ。それでいて「もろさ」「家庭の事情」も持っており、ひじょうに使い勝手のよい魅力的な登場人物となっている。

"ゾッとスゴイばかりの美人"という記述にあるように、映像のほうでは「私生活が想像できない」系のヒトがキャスティングされると安心する。そのほうが得体が知れなくミステリアスなのだ。

ヨロキン版・赤穂浪士では、お仙を中島ゆたかが演じたが、現代劇の彼女よりかなり良かった。

たとえば今(H21現在)なら中島美嘉、香椎由宇、黒木メイサ…あたりのを推挙するものであります。栗山千明もミステリアスでいいのだが、じゃっかんあどけなく、男をたぶらかす色香に欠ける。


元禄繚乱」などは、これを真似したがってるのではないかというような、お順という女スパイが出てくる(あのキャラって原作の『新・忠臣蔵』にあるのか?)。血気にはやる浪士たちと、冷めた目で彼らを見るお順のコントラストが印象的で、ある時は保母さんのような高い視点、ある時はオッカケの小娘のような低い視点に自在に変身し、浪士たちを翻弄した。

演じた高岡早紀はしたたかさはあるものの「美貌」には欠けていた。彼女のような愛嬌のある庶民的な面構えはホッとすることはあってもドキッとすることは無い。やはりこのポストは妖艶な人が当てられるのが、もはや伝統なのではないだろうか。

あくまで「化かす」彼女たちはタヌキというより狐のイメージであるべきなのだ。


「元禄繚乱」や「あゝ忠臣蔵」では、間者がとしごろの大石主税に接近してオトシにかかる。


関連項目

  • お縫B(吉良邸へ侵入)
  • 紅梅(瑤泉院宅に侵入)
  • お蘭(元は講談のキャラだが知的で腕利きに演出するドラマが少なくない)