忠臣蔵1/47

提供: Kusupedia
2008年10月22日 (水) 05:41時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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作品概要
制作会社 フジテレビ
公開年度 2001年
内蔵助役 佐藤浩市
評価 2ツ星
役者絵:木村拓哉

主役は木村拓哉の堀部安兵衛

悪い意味で優等生的な作品。

「これまでにない忠臣蔵」を目指すのも結構だし、おはなしはこざっぱりまとめてあるし、ところどころ斬新だし、スタッフやキャストは無難に仕事をこなして入るんだけど、トータルでは「こだわり」の無さだけを感じてしまう。独特の気合いは伝わってくるのだが、全編が「のっぺり」している。

「あ、どうぞどうぞ」と、行儀のいいスタッフがお互いを譲り合って大胆な仕事を避けて、無事故に終わったが、そのかわり思い出が無い遠足ってかんじ。

四十七士ってユニットは、かっこいいのもいれば無骨もいればバカもお笑いもいろいろいるわけでしょう?そういう強弱がぜんぜん無いんですよ。「まったいら」なの。 アソビが徹底的に無い。

役者をそろえておきながらよくあれだけ極彩色豊かな「忠臣蔵」をこんだけ油を抜いて仕上げられたなと思う。

破天荒でユニークなはずの安兵衛像が全編ツツマシヤかで、キムタクの奮闘があさってを向いているから、おいしいところを全部安兵衛にやらせる構成は、やり方によってはすごくバカバカしくなっておもしろくもなるだろうに、これもうまくいってない。

キムタクってある意味安兵衛像に近いと思う。やるときはやるけど愛嬌のある人気者だ。たとえば糊屋のばあさんに研ナオコかなんかを当てて「おぃばばぁ!ちょ待ぁてよ!」ってやったらもう、安兵衛のイメージぴったりなのに、終始すましてばかり。自由に作っていいはずの安兵衛像が現実のキムタク以下なのだ。 「一晩で畳替え無理っしょ」とか「即日ハラ切るのおかしくね?」「待つの超〜だりい!」とかさ。やっちゃえばよかったんだよ。

この"熱くない"テンションってもしかしたら、時代劇を平成風な演出にしようという試みにも見受けられなくもない。「吉良に謝りに行こう」とか「今風」だったし。なんかそれもなー。パーッとふくらんでない気がする…。

最後の最後に魅力的なカットがあったし、泉岳寺の土産物屋の若女将さんとこの作品の話題になったが彼女は「キムタクがタクアン食べてましたネ」と言ってた。そうやってポツリポツリ印象に残るシーンがあるんだけど…。

愛が伝わってこないというか、見かけがいいからせっかく体を許したけど遠慮があってかかなりふつうのセックスだった、というようなシラケ方に似ている。…または、お付き合いをはしょっていきなり結婚に踏み切ったらケガをしたような作品。もっと愛してほしかった。

最初「★」だったんだけど、何度か見てると、すごくマジメにやろうという姿勢が見え隠れいたしまして、どっか憎めないので星二つ。