「忠臣蔵 花の巻・雪の巻 (松竹)」の版間の差分

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{{Cinema|制作=松竹|公開=1954|内蔵助=松本白鴎|星=3|頃=}}
 
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松竹映画ということで、その時点で仮名手本で由良之助を2回しかやったことのない松本幸四郎時代の若き松本白鴎(出典:当時の対談より)が主役に引っ張りだされてる。
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松竹映画ということで、仮名手本で由良之助をまだ2回しかやったことのない松本幸四郎時代の若き松本白鴎(出典:当時の対談より)が主役に引っ張りだされてる。
  
 
当時にしてはかなり大胆なアプローチの大作忠臣蔵。
 
当時にしてはかなり大胆なアプローチの大作忠臣蔵。
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オープニングが勅使下向シーンからとか、瀬戸内海に集まる大艦隊(マットアートですが)とか、討ち入りのときに相手を斬った時バサッと返り血を浴びるなどなど。そしてもっとも注目すべきが討ち入りを「あだうち」ではなく、小藩取り潰し政策への反抗というレジスタンスに描いているところ。当時のパンフレットにも「まったく新しい解釈」とうたってそこをアピールしている。
 
オープニングが勅使下向シーンからとか、瀬戸内海に集まる大艦隊(マットアートですが)とか、討ち入りのときに相手を斬った時バサッと返り血を浴びるなどなど。そしてもっとも注目すべきが討ち入りを「あだうち」ではなく、小藩取り潰し政策への反抗というレジスタンスに描いているところ。当時のパンフレットにも「まったく新しい解釈」とうたってそこをアピールしている。
  
これを見るまで、古い部類では60年代の[[忠臣蔵 花の巻雪の巻|東宝の]]がけっこう斬新だと思っていたが、実はいくつかの要素<small>※1</small>がまんまこっちが先にやっていて、ハスに見るとこの作品のパクリ?とも取れなくないくらい。んま、影響力があった1本というかんじなんでしょうね。だって、会社違うのに題名まで一緒なんですよ。そう言えば!
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これを見るまで、古い部類では60年代の[[忠臣蔵 花の巻雪の巻|東宝の]]がけっこう斬新だと思っていたが、実はいくつかの要素<small>※1</small>がまんまこっちが先にやっていて、ハスに見るとこの作品のパクリ?とも取れなくないくらい。んま、影響力があった1本というかんじなんでしょうね。だって、会社違うのに題名まで一緒なんですよ。あっそう言えば主人公も松本白鴎で一緒だ。どうなってるんだ。
  
 
あと、セットがすごくて、松の廊下もオープンセット。戦後最高の規模だそうで、松の廊下は850坪の敷地に作られたとか。
 
あと、セットがすごくて、松の廊下もオープンセット。戦後最高の規模だそうで、松の廊下は850坪の敷地に作られたとか。
  
いろいろ申し分無いが、'''マジメ'''。もうちょっと笑えるところとかがあったらいいなと思ったし音楽も控えめ。
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いろいろ申し分無いが、'''マジメ'''。もうちょっと彩りがあったらいいなと思った。その反省をふまえて染め直したのが東宝のほうの作品っていうことなのかしら。
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2008年12月現在、AmazonのDVDのタイトルは「花の巻・'''雲'''の巻」と誤植のままであります。
  
  

2008年12月8日 (月) 23:12時点における版

作品概要
制作会社 松竹
公開年度 1954年
内蔵助役 松本白鴎
評価 3ツ星


松竹映画ということで、仮名手本で由良之助をまだ2回しかやったことのない松本幸四郎時代の若き松本白鴎(出典:当時の対談より)が主役に引っ張りだされてる。

当時にしてはかなり大胆なアプローチの大作忠臣蔵。

オープニングが勅使下向シーンからとか、瀬戸内海に集まる大艦隊(マットアートですが)とか、討ち入りのときに相手を斬った時バサッと返り血を浴びるなどなど。そしてもっとも注目すべきが討ち入りを「あだうち」ではなく、小藩取り潰し政策への反抗というレジスタンスに描いているところ。当時のパンフレットにも「まったく新しい解釈」とうたってそこをアピールしている。

これを見るまで、古い部類では60年代の東宝のがけっこう斬新だと思っていたが、実はいくつかの要素※1がまんまこっちが先にやっていて、ハスに見るとこの作品のパクリ?とも取れなくないくらい。んま、影響力があった1本というかんじなんでしょうね。だって、会社違うのに題名まで一緒なんですよ。あっそう言えば主人公も松本白鴎で一緒だ。どうなってるんだ。

あと、セットがすごくて、松の廊下もオープンセット。戦後最高の規模だそうで、松の廊下は850坪の敷地に作られたとか。

いろいろ申し分無いが、マジメ。もうちょっと彩りがあったらいいなと思った。その反省をふまえて染め直したのが東宝のほうの作品っていうことなのかしら。

2008年12月現在、AmazonのDVDのタイトルは「花の巻・の巻」と誤植のままであります。


※1…城明け渡しにあたって合戦になるかもと領民が逃げ出す群衆シーンや、病気のために討ち入りに間に合わない浪士とか、62年の東宝作品にはかぶるシーンがいくらもある。