差分

提供: Kusupedia
移動先: 案内検索

忠臣蔵 花の巻雪の巻

1,436 バイト追加, 2020年6月27日 (土) 11:23
編集の要約なし
明らかに他社と毛色の違う、新しい作り方の「東宝的な」忠臣蔵を作ろうとしてる印象で、それは成功しているように見える。東映が老舗のイタリア料理ならこっちはこしゃくな和風フレンチという感じ。(<なんだそれ。by後年の本人)
東宝時代劇となると東映よりじゃっかん堅い作りこみだが、当時の黒澤映画や社長シリーズやお姐ちゃんシリーズ、怪獣映画でおなじみの東宝スター勢揃い。無理くり総出演させてる割にキャスティングがうまくいってて、そういった意味で華やか。時代劇となると東映よりじゃっかん堅い作りこみ?だが、当時の黒澤映画や社長シリーズやお姐ちゃんシリーズ、怪獣映画でおなじみの東宝スター勢揃い。無理くり総出演させてる割にキャスティングがうまくいってて、そういった意味で華やか。
んま、それを言うと素晴らしい存在感の主人公・松本幸四郎(のちの松本白鴎1st)がアウェイに感じるかもだが、どのシリーズの人でもない彼をひっぱってきて内蔵助としていただいたのは正しかった気がする。偏らないから。
その他にも、あまりほかの映画では描かれないシーンがいくつか(赤穂城開城にあたって、戦争になるかもと恐れをなして逃げる民衆のモブシーンなど<small>(註03)</small>)あってすごく個性的。
[[萱野三平]](中村吉右衛門2nd)の最後や「大石東下り」、[[高田郡兵衛]]や[[寺坂吉右衛門]]の人生などにオリジナルアレンジが加わってるが、これは賛否両論だろうなあ。東宝の持ち味を出すにはこうしたアレンジがよかったのかなあ。あたしは定石通りやってほしかったっす。(この記述から8年ほどたっての感想ですと、高田の結末と本筋とのカラミが実にみごとで、そのあとのシーンとの流れもうまく機能していて見事。いまは好き)の人生などにオリジナルアレンジが加わってるが、これは賛否両論だろうなあ。東宝の持ち味を出すにはこうしたアレンジがよかったのかなあ。あたしは定石通りやってほしかったっす。<small>(註04)</small>
ただしこの作品は公開当時の興行成績がかろうじてベストテンに入っているものの下位で振るわず、これまで他社(東映や大映)が首位だったのもあり、東宝三十周年の独参湯にはならなかったのは残念。『キネマ旬報』誌上では「柄にもない」「まともすぎる」と酷評されていたそうである。
 
 
 
また、[[堀部弥兵衛]]を演じている小杉義男の項目では、三船敏郎との共演作品は太字で表示されているはずが、令和二年現在、なぜか本作では共演してないことになっている。
 
その、小杉義男さんだけど…黒澤映画にも本多猪四郎作品にもご常連のベテランだが、堀部弥兵衛?…存在感と役柄にどうもギャップがある。蕎麦屋をやってる藤原鎌足じゃどうしてダメだったんだろう(もったいないか)。のちにミフネ版で弥兵衛を演じる有島一郎でも良い気がするし(大きいか)…
 
 
それにしてもまったく同じ題名でこの映画の公開前年に松竹から東宝に移籍した白鴎を内蔵助に立てて、特徴的なシーンまでかぶるというのは、なにかしら挑戦的なキナ臭さを感じる。
 
註04…最初の記述から8年ほど経って、あらためて観ますと、高田の結末と本筋とのカラミが実にみごとで、そのあとのシーンとの流れもうまく機能していて、いまは好き。
 
「大石東下り」は未だに気になる上に、あるシーンで大幅に削除されたことが伺える。
 
大石内蔵助は、[[垣見五郎兵衛]]でも[[立花左近]]でもない、尾花光忠という、忠臣蔵ファンには聴いたこともない人物の名を語って東下りをするのだが、本物の尾花光忠が現れて「いつもの」パターンになるのではなく、尾花と面識のある地元の役人が会いに来る。これを宿屋の主人であるモリシゲが間に入って、大石に会わせまいとするのだが、その手管(実際にご覧になってご確認ください)と、大石をかばおうとする根拠が、ちょっと弱い。
 
まんまとごまかされて宿屋をあとにする役人だが、その際になぜかみな、酔っ払っている。おそらく、たらふくごちそうをされて煙に巻かれたのだろうと予想できるが、そのシーンが無い。
 
 

案内メニュー