「新春ワイド時代劇 忠臣蔵〜その義その愛」の版間の差分

提供: Kusupedia
移動先: 案内検索
24行目: 24行目:
 
安兵衛と道場仲間の吉良側キャラとの友情をわざわざ用意しておきながら、その名を清水一学としなかった理由はナニか?
 
安兵衛と道場仲間の吉良側キャラとの友情をわざわざ用意しておきながら、その名を清水一学としなかった理由はナニか?
  
10年前の[[忠臣蔵1/47|キムタク版]]で間違ってた素材が今度は正しかったんで一瞬喜んだのに「うーわ今度は具が全然ちげー!」と気づいたときのガッカリ具合といったら…。
+
[[忠臣蔵1/47|キムタク版]]で間違ってた素材が今度は正しかったんで一瞬喜んだのに「うーわ今度は具が全然ちげー!」と気づいたときのガッカリ具合といったら…。
  
「全部入り」登場まで、また10年待たないといけないのかな。
 
  
 
+
大好きな「逃亡者(のがれもの)おりん」もやってるプロデューサーなのに、あのサービス精神に富んだ人が、どうしてビジュアルや設定にこだわらなかったのか??不可解千万!(<吉良の台詞)。
大好きな「逃亡者(のがれもの)おりん」もやってるプロデューサーなのに、あの時代劇離れした人でも食いつける漫画的な作品を手がけられる人が、&サービス精神に富んだ人が、どうしてビジュアルや設定にこだわらなかったのか??不可解千万!(<吉良の台詞)。
 
  
 
じゃっかん、弁護すると、そうした要素を「知らなかった」というわけでは無さそうなんですな。それらの要素を彷彿とさせるものが別のカタチで出てくるので。
 
じゃっかん、弁護すると、そうした要素を「知らなかった」というわけでは無さそうなんですな。それらの要素を彷彿とさせるものが別のカタチで出てくるので。
44行目: 42行目:
  
 
結果、最終的に、わたしには討ち入りがじゃっかん殺伐としたものに見えました。
 
結果、最終的に、わたしには討ち入りがじゃっかん殺伐としたものに見えました。
 +
 +
1950年代に脱盟者に焦点を当てた作品が量産されたがやがて路線がまた本寸法に戻った。評論家の佐藤忠夫さん曰わく「'''「忠臣蔵」は期待通りにハナシが進展しないと観衆の不興を買う。'''」
  
  

2012年1月3日 (火) 15:22時点における版

作品概要
制作会社 テレビ東京
公開年度 2012年
内蔵助役 舘ひろし
評価 3ツ星


主人公は内野聖陽の堀部安兵衛

正月恒例のテレ東の長時間ドラマ。


お家断絶後の、上方の長分別に待ちくたびれる江戸の浪士の話がメインで、安兵衛内蔵助の温度差〜緊張感が上手に描かれており、それなりの意欲作。

安兵衛の気性はこんな感じでなくっちゃ、というイメージをいいかんじに内野聖陽が演じきっていて、良かった。

あと、ホリ役の常盤貴子もすばらしかったです。


しかしながら、星二つか三つかは悩んだ。あまりにも、「安兵衛が主役」と聞かされて高まった安兵衛映画ファンをないがしろにしすぎ。上記の、役者の貢献がなければ迷わず星は二つにしたいところだが。とはいえ以下はあくまでファンのこだわりなのでオミットです。


ビジュアル的にも、バックグラウンド的にも、彼を形作るときに欲しい素材の全部が捨てられた。コレは痛かった。

安兵衛像にほしかった要素としては、赤鞘、黒羽二重、大酒飲み、あだ名、けんか仲裁、バラエティ豊かな長屋の住人(本作ではじゅっぱひとからげに"町民")、面倒見てくれてるとなりの糊屋のばばあ、中津川友範弥兵衛父娘の馬場の目撃、弥兵衛の日参、好敵手・清水一学、「よけいな事をするな親不孝者!」など、以上のすべてが無い

定番の具を全部捨てられて「コレも美味しいと思います!」と食べたことのない、でもそれなりに美味しい具でお好み焼きを差し出されたような残念さと言ったら通じるだろうか。

安兵衛と道場仲間の吉良側キャラとの友情をわざわざ用意しておきながら、その名を清水一学としなかった理由はナニか?

キムタク版で間違ってた素材が今度は正しかったんで一瞬喜んだのに「うーわ今度は具が全然ちげー!」と気づいたときのガッカリ具合といったら…。


大好きな「逃亡者(のがれもの)おりん」もやってるプロデューサーなのに、あのサービス精神に富んだ人が、どうしてビジュアルや設定にこだわらなかったのか??不可解千万!(<吉良の台詞)。

じゃっかん、弁護すると、そうした要素を「知らなかった」というわけでは無さそうなんですな。それらの要素を彷彿とさせるものが別のカタチで出てくるので。


とはいえ、黒羽二重は最近放送されたドラマ「JIN〜仁〜」で内野聖陽が演じた龍馬像とかぶっちゃうから避けたかもしれない。

また、全体のムードから言えば、あまり中山姓時代の安兵衛を豊かに描きすぎると、後半の仕官〜断絶〜討ち入りとのコントラストがむずかしくなるので割愛したのかも。過去の安兵衛作品も結局そこんところがアンバランスなものもあった。


さて

内蔵助の長分別を待ってる浪士をあんまり説得力を入れて描くと、現代人は脱盟者に同調してしまう。「わたしは殿の顔も見たことないのに、なんのために貧乏してまでXデーを待ってなくちゃいけないんだ??」という価値観は7時間もドラマにつきあってるお茶の間のくたびれた心持ちに簡単にリンクしてくるのだ。

結果、最終的に、わたしには討ち入りがじゃっかん殺伐としたものに見えました。

1950年代に脱盟者に焦点を当てた作品が量産されたがやがて路線がまた本寸法に戻った。評論家の佐藤忠夫さん曰わく「「忠臣蔵」は期待通りにハナシが進展しないと観衆の不興を買う。


いつか、300年以上つづいてる定番の新作を見て「そうこなくっちゃ!」「待ってました!」と叫んでみたいと、心から待ちわびております。


あ、蛇足を少々。

「よんどころな仕儀」とか「家の女子」(<セリフでは"武家のおなご")とか、放送中の字幕に脱字アリ。あと、ヘンな奴を指すときの「かぶきもの」って「歌舞伎」っていう漢字を当てていいの??

凶報の第2の使者の原惣右衛門が評定の場で内蔵助が「殿は切腹した」とみんなに知らせると、彼がみんなと一緒にビックリしてたのが笑った。おめえが教えてくれたんじゃねえかよ!(笑)