桃中軒雲右衛門

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2018年12月27日 (木) 23:52時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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 シンプルに傑作。

 忠臣蔵モノで一気にスターダムにのし上がった明治時代の浪曲師・桃中軒雲右衛門のお話。


「おれのカラダは傷だらけだ。完全を求めるなッ」

 芸に生きようとやりたいようにやるという気まぐれやわがまま。

 そんな芸術家の考え方や心持ちを、うまくズシリと来るセリフにして散りばめる真山青果の原作(<は、知らないけど。これが良かったんじゃないかと。)も見事だが脚色もした成瀬巳喜男監督の紡ぎ方にまた文句がない。


 どっかでかかったのか、比較的最近(2018.12)観たという人のレビューをネットに5件ほど見つけたのだが、映画のクオリティとは別に雲右衛門の生き様はまったく受け入れられず「クズ」「理解できない」とさんざん。(あッYouTubeにあがってやがら)

 朋友の国本武春氏の曽祖父師匠に当たる雲右衛門への馴染みや、月形龍之介びいきなのが他の人と私との感想を違えたのかと思うが、映画に共感を覚えようとする人にはたしかにイラッと来るのかも。


 最初、浪曲を語るシーンで雲右衛門を演じる月形龍之介のリップシンクロが上手いなと思ってたら。コレなんと月形龍之介がそっくりに演じているのだった!すごすぎる!そっくり。


 あ、劇中に浪曲「村上喜剣」(あともうひとつは「南部坂」かなあ)や仮名手本の四段目にまつわるエピソードが出てまいります。