「江戸むらさき特急」の版間の差分

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1995年にリリースされたVシネマ作品。
 
1995年にリリースされたVシネマ作品。
  
ビッグコミックスピリッツの同名漫画(お馴染みのいろんな人気時代劇のパロディ漫画)が山城新伍のハートをつかみ、彼がメガホンをとって、京都撮影所の全面協力により映像化が実現した。
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ビッグコミックスピリッツの同名ギャグ漫画(お馴染みのいろんな人気時代劇のパロディ短篇集)が山城新伍のハートをつかみ、彼がメガホンをとって、京都撮影所の全面協力により映像化が実現した。
  
 
「遠山の金さん」や「隠密同心」など13話のオムニバスのトリに、「忠臣蔵外伝の巻」として忠臣蔵が扱われている。
 
「遠山の金さん」や「隠密同心」など13話のオムニバスのトリに、「忠臣蔵外伝の巻」として忠臣蔵が扱われている。
  
この作品、ビックリするような出演者で、「大奥」のパロディを岸田今日子のナレーションでやってたり、忠臣蔵も内蔵助は風間杜夫である。
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この作品、ビックリするような出演者で、「大奥」のパロディを岸田今日子のナレーションでやってたりするし、忠臣蔵も内蔵助は風間杜夫である。
  
  
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風間杜夫は子役時代からいままで大石主税〜浅野内匠頭〜堀部安兵衛〜大石内蔵助と順調にキャリアを積んできた時代劇役者の役で、そのパーソナリティはあたかも「蒲田行進曲」の銀ちゃんのその後じゃないかと思わせるような演じぶりで贅沢に感じられる。
 
風間杜夫は子役時代からいままで大石主税〜浅野内匠頭〜堀部安兵衛〜大石内蔵助と順調にキャリアを積んできた時代劇役者の役で、そのパーソナリティはあたかも「蒲田行進曲」の銀ちゃんのその後じゃないかと思わせるような演じぶりで贅沢に感じられる。
  
内蔵助が[[天野屋利兵衛]]に夜這いを掛けてしまって「男でござる!」と叫ばせたり、[[阿久里/瑤泉院|瑤泉院]](中島ゆたか!)にはりがたを渡して「細かりし由良之助」と言わせるなど、古典の小咄の映像化もうれしい。
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[[もりいくすお]]には、つかこうへい劇団というイメージの強い風間さんだったが、どっこい「住田知仁」名義で子役で活躍をした、往年の東映京都の時代劇キャリアのある人である。大人になって、大友柳太朗に再開した時すっかり忘れられていたそうだが。笑<small>(ワイズ出版「大友柳太朗快伝」)</small>)
  
討ち入りの陣太鼓を叩いてると近所のオバサンが「うるさいなあんたらっ!!いいかげんにしよしっ!!」と苦情を言う山城新伍の実体験で全75分の作品の幕は閉じる。
 
  
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内蔵助が[[天野屋利兵衛]]に夜這いを掛けてしまって「男でござる!」と叫ばせたり、[[阿久里/瑤泉院|瑤泉院]](中島ゆたか!)に、はりがたを渡して「細かりし由良之助」と言わせるなど、'''古典の小咄の映像化'''もうれしい。
  
1995年と言えば「ダウンタウンのごっつええ感じ」が絶頂期にあり、お茶の間のギャグセンが温められてる中で、その当時ですっかりオトナの山城監督の撮り方にはじゃっかんの温度差があるが、氏の時代劇に対する愛情がイタイほど感じられる作品であります。
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討ち入りの陣太鼓を叩いてると近所のオバサンが「うるさいなあんたらっ!!いいかげんにしよしっ!!」と苦情を言うシーン(山城新伍の実体験)で全75分の作品の幕は閉じる。
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1995年と言えば「ダウンタウンのごっつええ感じ」が絶頂期にあり、ギャグセンが温められてるお茶の間と、その当時ですっかりオトナの山城監督の撮り方にはじゃっかんの温度差があるが、氏の時代劇に対する愛情がイタイほど感じられる作品であります。

2021年1月18日 (月) 11:50時点における版

1995年にリリースされたVシネマ作品。

ビッグコミックスピリッツの同名ギャグ漫画(お馴染みのいろんな人気時代劇のパロディ短篇集)が山城新伍のハートをつかみ、彼がメガホンをとって、京都撮影所の全面協力により映像化が実現した。

「遠山の金さん」や「隠密同心」など13話のオムニバスのトリに、「忠臣蔵外伝の巻」として忠臣蔵が扱われている。

この作品、ビックリするような出演者で、「大奥」のパロディを岸田今日子のナレーションでやってたりするし、忠臣蔵も内蔵助は風間杜夫である。


「忠臣蔵外伝の巻」は劇中劇の形をとっており、おそらくコレだけは漫画の原作と関係がない(要確認)。

風間杜夫は子役時代からいままで大石主税〜浅野内匠頭〜堀部安兵衛〜大石内蔵助と順調にキャリアを積んできた時代劇役者の役で、そのパーソナリティはあたかも「蒲田行進曲」の銀ちゃんのその後じゃないかと思わせるような演じぶりで贅沢に感じられる。

もりいくすおには、つかこうへい劇団というイメージの強い風間さんだったが、どっこい「住田知仁」名義で子役で活躍をした、往年の東映京都の時代劇キャリアのある人である。大人になって、大友柳太朗に再開した時すっかり忘れられていたそうだが。笑(ワイズ出版「大友柳太朗快伝」)


内蔵助が天野屋利兵衛に夜這いを掛けてしまって「男でござる!」と叫ばせたり、瑤泉院(中島ゆたか!)に、はりがたを渡して「細かりし由良之助」と言わせるなど、古典の小咄の映像化もうれしい。

討ち入りの陣太鼓を叩いてると近所のオバサンが「うるさいなあんたらっ!!いいかげんにしよしっ!!」と苦情を言うシーン(山城新伍の実体験)で全75分の作品の幕は閉じる。


1995年と言えば「ダウンタウンのごっつええ感じ」が絶頂期にあり、ギャグセンが温められてるお茶の間と、その当時ですっかりオトナの山城監督の撮り方にはじゃっかんの温度差があるが、氏の時代劇に対する愛情がイタイほど感じられる作品であります。