決闘高田の馬場

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2010年3月12日 (金) 15:18時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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作品概要
制作会社 日活
公開年度 1937年
内蔵助役 ---
評価 5ツ星


オリジナルは講談や浪曲で有名な「堀部安兵衛 決闘高田馬場」「血煙 高田馬場」

中山安兵衛時代の堀部安兵衛の、おじさんの仇討ちの話。


そうとう底抜けにおもしろかったです。スーパーエンターテインメント劇。

これ見て、主役の阪東妻三郎のファンになった。とにかくバンツマが素晴らしすぎる。顔が、表情が、立ち居振る舞いが美しい。アヴァンギャルドのようでもあり、ばかばかしいかんじもする。

生涯の1本に入れてもいいくらい素敵な作品。


ほめるにあたって、その評価は「いままで5〜6本見た高田馬場作品の中でベスト」なのか「映画としてクオリティが高い」なのか、てところなんですが、んまぁ「両方」って言っていいんじゃないかしら。この映画、監督もちゃんとしてる人(マキノ雅広/稲垣浩)なのでたぶんそこそこ下地のある人なら喜んでいただけると思います。

よけいなものが無くスマートに整理されててすごく良い作品。Wikipediaによれば『血煙高田の馬場』という映画の短縮版だということだが、それで2時間弱なんだから、短縮して良かったんじゃなかろうか。ちなみに体感時間は1時間強である。それほど飽きが来ない。


おそらくこれが決定版で、以降の作品では安兵衛の周囲のキャラを膨らませていったり、彼の内面をクローズアップしたりと模索が始まりバリエーションが生まれるんでしょうね(でしょうか)。

とくにクライマックス(高田馬場の仇討ち)は最高でした。見ていて動悸と血圧と体温と呼吸数が上がる。チャンバラが昔ながらの殺陣で愉快痛快。

殺陣のどっかのパートをおぼえようと思った。チャンバラってかっこよくて楽しいんですね!黒澤映画のリアル殺陣しか知らなかったので新鮮千万!


見終わったあとで過去に見た「忠臣蔵 地の巻/天の巻」等のバンツマ主演作品をあらためて見返そうと思った。


近年基本に近いことをしたのは三谷幸喜の「決闘!高田馬場」だが、もしかしたら本作をお手本にしてるんじゃないかしら。彷彿とさせるシーンがいくつかある。


※2010年3月現在、Wikipediaの本作品のあらすじの記述に「安兵衛が高田の馬場に到着すると、村上とその一味の中津川祐範(瀬川路三郎)、小野寺十内(久米譲)らの多勢に無勢で闘った叔父は、すでに瀕死である。」というのがあるが、小野寺十内=久米譲という配役はあってるが、十内は四十七士じゃねえか。当然村上兄弟なんかに加勢はしてない。どう間違えて、こうなっているんだろう??ちなみにホントの十内さんは江戸の町を弥兵衛翁と娘の縁談を喋りながら歩くシーンに登場する。


講談の「決闘 高田馬場」

喧嘩の仲裁屋をやって毎日飲んだくれてる中山安兵衛にはひとりのおじさんがいて、いつも安兵衛のていたらくに説教をしている。ある日そんなおじさんに村上さんという人から果たし状が突きつけられる。決闘の場所は高田馬場。安兵衛は助太刀に間に合うのか!?決闘場のギャラリーには将来安兵衛を婿に取る、赤穂藩の武士、堀部弥兵衛の姿があった。