瀬尾孫左衛門

役者絵:香川照之
役者絵:役所広司

瀬尾孫左衛門【せお/せのお まごさえもん】

内匠頭ではなく大石内蔵助の家来。頭分(かしらぶん)としてなかなか役に立ち、内蔵助の信頼も厚かった陪臣。。

講談では改易のあと、矢頭右衛門七といっしょに関東へ下った右衛門七のお母さんが途中でリタイアしUターン。大石内蔵助を頼ったあと、瀬尾に身を預けられるエピソードがある。(講談)


瀬尾は内蔵助とともに江戸下向したが、先に来ていた足軽の矢野伊助と、夜討ち道具を隠してある平間村の屋敷で留守番を命じられ、二人で酒盛りをしているうちに矢野が

「作戦が成功しても旦那方は亡君への忠義が立つが、我々はこんなところで番をしてたって、縁の下の力持ちなだけで…こりゃ、名誉かなあ」

と言いだし、上方に一緒に逃げようと説得され、最終的に瀬尾は変心。討ち入りの2日前にふたりで逃亡した。(講談)


実際伝えられている話では、大石内蔵助は、江戸へ下った時滞在した、この川崎・平間村では瀬尾の名前をかたっていたらしいし、家来とはいえ、けっこう親近感があったのではないかと言われており、そんなことからこの逃亡には密命説がある。


四十七人の刺客」「最後の忠臣蔵」(両方、池宮彰一郎原作)では、内蔵助から直々に「赤ちゃんが出来たからお軽の面倒を見てくれ」と言われる。


この人を活躍させる「最後の忠臣蔵」映画版で役所広司が圧倒的な存在感を出すまでは、陽の当たらなかったキャラクター。

DVDのブックレットに役所広司は「恥ずかしながら、赤穂浪士の物語にこのようなエピソードがあるとは知らず・・」とコメントを寄せていますが、恥じることはありません。映画のエピソードは作家さんの創作(1994年に発表「四十七人目の浪士」新潮社)だから。

てか、そのコメントを載せちゃう映画会社もいい心臓してるよなあ。

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