10,724
回編集
差分
忠臣蔵
,編集の要約なし
{{Cinema|制作=フジテレビ|公開=1996|内蔵助=北王子欣也北大路欣也|星=23|頃=}}
[[画像:OOTAKA.jpg|thumb|役者絵:平田 満]]
フジテレビ系列の連続ドラマ。
突飛なアイデアも無く、大胆な演出も無く、スピード感があるわけでもなく、非常に無難に話が進む。可もなく不可もない平均点的な優等生的なオーソドックスな'''草食系忠臣蔵'''。エアコンがいい感じに効いてる図書館みたいな印象で、食事中でも療養中でも、いつビデオを再生してもカンにさわらない。
あんまりほめてないように聞こえるかもしれないが、連ドラでこうした「退屈しない」ペース配分は意外にむずかしく、昭和時代の作品にはどこかしら中だるみが出てくるものだが、本作品にはそれが無い。
生き残った浪士、[[寺坂吉右衛門]](ここでは足軽というより内蔵助の家で完全に下男奉公してるここでは内蔵助の家で完全に下男奉公してる)の回想というかかたちで、彼を全体の語り部に配している。
ビギナーが見ると、「ああ忠臣蔵ってこういう話なのか」と理解しやすい。
細かい表現にしても気を遣ってるようで、あえて[[畳屋]]に「殿様が俺たちに頭を下げている」と感動させて、時代劇離れしている視聴者には「全部同じちょんまげ」に見える登場人物の上下関係をはっきりさせたり、「なんの苦労もなく育ってきて辛抱なんてしたことがないから、吉良さんの態度はつらい」とに「殿様が俺たちに頭を下げている」と感動させて、時代劇離れしている視聴者には「全部同じちょんまげ」に見える登場人物の上下関係をはっきり説明したり、「私はなんの苦労もなく育ってきて辛抱なんてしたことがないから、吉良さんのあの態度はつらい」と[[浅野内匠頭|内匠頭]]にわざわざ説明的にグチらせるなど、あたりまえと思いがちな、見慣れた忠臣蔵的相関関係に新鮮な空気を取り入れてる。親切。にわざわざ説明的にグチらせるなど、見慣れた忠臣蔵的相関関係に新鮮な空気を取り入れて、新しい世代にもわかりやすくアプローチしており、親切。(加筆:あらためて[[忠臣蔵 風の巻・雲の巻|仲代版]]を見てみたら同じセリフがあったので、特にこの作品の特徴というわけではない。脚本は本作と同じ古田求氏) 本編を「草食系」と感じた理由は、なんなのか。 キャスティングは手堅い。メインの役者は決して淡白ではない。寺坂の寺尾聰や、このあと何度も内蔵助をやる北大路欣也、また、[[堀部安兵衛|安兵衛]]の世良公則は友人やネット上の評判もよい。 安兵衛だけの「高田の馬場」エピソードも特別版で用意<small>(*註)</small>されて、これは肉食的に脂ぎっている。おじさんの[[菅野六郎左衛門]]を竜 雷太がやってるのだが、まさに先輩ゴリさんとボギー刑事がだぶるので「太陽にほえろ!」ファンにはうれしい七曲署的な高田の馬場である。<small>※註…スペシャル番組が入った関係で放送予定日がずれ、コレだと討ち入りが1月中旬になっちゃうのでこのエピソードだけ連ドラからはずし、別枠で放送されたとか。</small>
[[清水一学]]の隆大介もすごく熱量を感じる役者さんだ。隆一学は安兵衛の友人時代は話せるやつで良いキャラになりそうだったが、吉良側に雇われたとたん情け容赦ない冷酷無比なキャラになってしまってつまんない。
となると、「撮り方」がサラッとしてるのが草食的印象の原因か。良し悪しはともかくそもそもどういうわけか絵ヅラに濃淡がなくサラッとしてる。一枚トレーシングペーパーを添えたかのような。コレが役者の油を吸い取ってる?。
そして衣裳に特別な個性がない。江戸でお勤め中の赤穂藩士は、まるで制服のようにおなじ色味でコーディネートされており、元禄っぽくない。
[[Category:くすおの忠臣蔵作品評|1996]]