脇坂淡路守

役者絵:萬屋錦之介

脇坂淡路守【わきさか あわじのかみ】…赤穂城城明け渡し(4/18)担当の大名。新しい赤穂藩主(永井直敬)がくるまでの当座の仮藩主。


絵づら的には、お城を引き取りに一戦を交える覚悟で軍隊を編成して赤穂までやってくるので「敵軍」っぽいイメージだが、内匠頭が江戸城に勤務中はいろいろ助けてくれた先輩

大猷院(だいゆういん=徳川家光)50回忌で吉良とイヤなことがあったとかで、事件以前に浅野と酒飲みながら「気持ちわかるよ。とにかく我慢だよ」と忠告してくれたりする演出もある(<「赤穂浪士(東映)」や仲代版)。内匠頭もこの脇坂さんも播州の人なんですね(おとなり播磨・龍野藩:そうめんやっぱり揖保乃糸)。

このくだり、講談では加藤さんって人のセリフ。物語によっては戸澤下野守政庸という友達の場合もある。(<実際のところ室鳩巣のスタッフも戸澤さんのアドバイスについて取材を残してるとか。)


日頃から心配してあげてたので、刃傷事件のときは「しまった〜!」とくやしがり、松の廊下で搬送される吉良とわざとぶつかって「我が家の紋所を不浄の血でけがすとはなにごとぞっ!無礼者!」などと言って怪我して血だらけの吉良を、持ってる檜扇(ひおうぎ)とかでピシャリとぶつという演出がオーソドックス。


城明け渡しのときは「誠に見事なる城明け渡し。弓一丁、わらじ一足に至るまで行き届いたる主欄。淡路ほとほと感服いたしたぞ」と、城代家老内蔵助をほめる。


役者絵の萬屋錦之介は2回この役をやってる俳優さん。


通称「あわじ」。