薄桜記

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2010年9月11日 (土) 21:58時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

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作品概要
制作会社 大映
公開年度 1959年
内蔵助役 −−−
評価 4ツ星

【はくおうき】

伯父さんの仇討ちに走る中山安兵衛が道すがらバッタリ出会った旗本・丹下典膳と運命の出会いを果たし、その後もろもろの皮肉な運命…


いやもう、この映画はもう、あたしがなんだかんだ言うまでもなく、ちゃんとした良い作品でございまして、忠臣蔵スタンスからよけいなことを言うと、そうとう的外れなレビューになりますれば、気になった方は各々ご購入、またはレンタルなどしてご覧なさればよろしかろうて。

途中までズ〜〜ッと丹下左膳と安兵衛の話だと勘違いしながら見てたときは、血槍無双みたいな娯楽作品だと思ってたんですが、なんだか「別格」でありました。だってオープニングのテンポとか、娯楽映画的にグイグイ引っ張りこんでくれるんですもの。

それに左膳って大岡越前の頃の人でしょう??時代もメチャクチャ違うわけでもないし、てっきり「丹下左膳/エピソード1」かと思っちゃったら興奮しちまいまして…。でも途中からなんだかヘンだなあ〜と思ってたら勘違いでした。なんでそんな紛らわしことをするのか?名前や容姿がかぶり過ぎだろ。気持ちを入れ替えてもう一回見ないといけません。


あるシーンの殺陣がいいので原作を読みたくなったが(一体どう表現するとこういうことになるのかと)、どうも脚本のほうがいいらしくて、で、監督も、そして雷蔵もものすごいいきごみで作ったらしいんですね。だからなんというか、ものすごい昇華を遂げたわけですよ。でも映画のプレスに「妖気をはらんだ五味康祐の評判小説」とあるから、やっぱりちょっと読みたい。五味康祐って柴田錬三郎とかわりばんこに「ほんものは誰だ?!」のパネラーで出てた人ですよね。

やー、しかし、あたしは忠臣蔵の外伝に分類分けいたしましたが、「関連作品」に近いかなあ。とにかく、映画としては五つ星です(忠臣蔵ものとしては星四つね)。

忠臣蔵がサブでも、こっちが忠臣蔵スタンスで見ていると、すごくもりあがってるメインの壮絶さや悲しさよりも、やっぱり茶会の日取りがわかったところでグッとくるんですよね。「忠臣蔵モード」って不思議です。ヒイキってこういうことなんですかね。


雷蔵が光り輝いてるが、この翌年、カツシンが「不知火検校」で新しく生まれかわります。


時代劇スペシャル忠臣蔵外伝薄桜記丹下典膳と堀部安兵衛

同じ原作で1991年秋に杉良太郎を典膳に迎えドラマ化された。

テレビサイズにいいかんじにコンパクトに整理されており、演出にも小技が利いていて杉さまの貫禄も良く、好感が持てる作品。

雷蔵のようなでっかい存在感に振り回されないぶん、ストーリーにしっかり集中できる。

ただ、この当時ってキャスティングに「?」と思うことがしばしばある。安兵衛役の竜雷太はファンだが、なにも当時51歳の彼を安兵衛に当てなくても…。4年後に伯父さんの菅野六郎左衛門演るヒトですよ。どういう事情なのだか。

典膳の元・妻、佳那ガラシア晃子にしてもそう。申し分ない俳優たちだが、同じ"バブル期"の「幸四郎版の大忠臣蔵」にも言えることだが、キャスティングがまったくのお手軽。


薄桜記 [DVD]

市川雷蔵 出演, 勝新太郎 出演