「討ち入り〜8人の志士たちの挑戦〜」の版間の差分

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ただ、やるならちゃんとやれば良かったのに、お歴々が出演してるこの番組で、コントに松ちゃんが不在(なぜ?)という時点でまず残念。
 
ただ、やるならちゃんとやれば良かったのに、お歴々が出演してるこの番組で、コントに松ちゃんが不在(なぜ?)という時点でまず残念。
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内容も、実は忠臣蔵ではない。こういうときは[[おニャン子版忠臣蔵|夕やけニャンニャン]]でさえ下敷きはちゃんと忠臣蔵でやるのに、作家が勉強不足なのか、なにかワケでもあるのか、おかげでコント史においてはいささか浮いた存在なのではなかろうか。こういう状況で松っちゃんがいないと、晩年のモンティパイソンにおいてジョン・クリーズが出演拒否したのが想起される。松っちゃんも内容を評価しないから不参加だったのかと邪推をしてしまう。ココでまず見る側の期待が半減。
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おはなしは主君の仇討ちならぬ、亡き友(松本人志)の仇討ちという設定。忠臣蔵の裏側で、もうひとつの吉良に対する討ち入りがあったというサイドストーリー。
 
おはなしは主君の仇討ちならぬ、亡き友(松本人志)の仇討ちという設定。忠臣蔵の裏側で、もうひとつの吉良に対する討ち入りがあったというサイドストーリー。
  
プロローグが長く、わざとシリアスに撮ってる。これはあとのコントとのギャップを狙っている。レギュラ−8人のひとりひとりに「書道の達人なにがし」というふうに、忠臣蔵とは関係ないが、とにかくオリジナルのキャラクターをつけて、'''ひとりずつ'''紹介するのに時間をかけている。(以上の紹介シーンや吉良邸に駆けつけるシーンの映像は凝った撮り方で、それなりのグレード)
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あとのコントとのギャップを狙ってプロローグをたっぷり長く、わざとシリアスに撮ってる。レギュラ−8人のひとりひとりに「書道の達人なにがし」というふうに、忠臣蔵とは関係ないが、とにかくオリジナルのキャラクターをつけて、'''ひとりずつ'''紹介するのに時間をかけている。(以上の紹介シーンや吉良邸に駆けつけるシーンの映像は凝った撮り方で、それなりのグレード)
  
 
で、討ち入りコントになる。
 
で、討ち入りコントになる。
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ほんとは浜ちゃんの切れ方の見せ所であり、ごっつええの「ゴレンジャイ」みたいなトコロに落ち着けばもっと面白かったのかもしれない。浜ちゃんもこの背景でどうふくらましてダレに怒ってイイか困ってるようで、あげく宮迫ばかりをいじるから二人コントになってしまって、返しも「なんで叩くんですか」系の繰り返しで薄い。何人もが「居るだけ」。そもそもセリフが薄いのは、おそらくスタッフにドリフやひょうきんのスタッフ&キャストのような「下地」が無いから。
 
ほんとは浜ちゃんの切れ方の見せ所であり、ごっつええの「ゴレンジャイ」みたいなトコロに落ち着けばもっと面白かったのかもしれない。浜ちゃんもこの背景でどうふくらましてダレに怒ってイイか困ってるようで、あげく宮迫ばかりをいじるから二人コントになってしまって、返しも「なんで叩くんですか」系の繰り返しで薄い。何人もが「居るだけ」。そもそもセリフが薄いのは、おそらくスタッフにドリフやひょうきんのスタッフ&キャストのような「下地」が無いから。
  
とはいえこの討ち入り、コント自体は'''つまらないわけではない'''。長い前フリ要らないからもう2〜3回ギャグシチュエーションを増やして全5回くらい、ふざけ続けてくれたら後味も変わったと思う。
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とはいえこの討ち入り、コント自体は'''つまらないわけではない'''
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長い前フリ要らないからもう2〜3回ギャグシチュエーションを増やして全5回くらい、ふざけ続けてくれたら後味も変わったと思う。
  
 
今般の「コント番組の冬の時代」に忠臣蔵ものをやってくれただけでもお笑いファンとしては感謝なのかな。なんか惜しい作品。
 
今般の「コント番組の冬の時代」に忠臣蔵ものをやってくれただけでもお笑いファンとしては感謝なのかな。なんか惜しい作品。

2010年1月10日 (日) 01:37時点における版

作品概要
制作会社 TBS
公開年度 2008年
内蔵助役 浜田雅功
評価 2ツ星


バラエティ番組「リンカーン」で2週にわたって放送されたコント。出演:浜田雅功、雨上がり決死隊、キャイ〜ン、さまぁ〜ず、ぐっさん。

これたぶん、作家さんが忠臣蔵をやっておきたかったんじゃなかろうか。ドリフひょうきん族も通ってきた道だから。

ただ、やるならちゃんとやれば良かったのに、お歴々が出演してるこの番組で、コントに松ちゃんが不在(なぜ?)という時点でまず残念。

内容も、実は忠臣蔵ではない。こういうときは夕やけニャンニャンでさえ下敷きはちゃんと忠臣蔵でやるのに、作家が勉強不足なのか、なにかワケでもあるのか、おかげでコント史においてはいささか浮いた存在なのではなかろうか。こういう状況で松っちゃんがいないと、晩年のモンティパイソンにおいてジョン・クリーズが出演拒否したのが想起される。松っちゃんも内容を評価しないから不参加だったのかと邪推をしてしまう。ココでまず見る側の期待が半減。


おはなしは主君の仇討ちならぬ、亡き友(松本人志)の仇討ちという設定。忠臣蔵の裏側で、もうひとつの吉良に対する討ち入りがあったというサイドストーリー。


あとのコントとのギャップを狙ってプロローグをたっぷり長く、わざとシリアスに撮ってる。レギュラ−8人のひとりひとりに「書道の達人なにがし」というふうに、忠臣蔵とは関係ないが、とにかくオリジナルのキャラクターをつけて、ひとりずつ紹介するのに時間をかけている。(以上の紹介シーンや吉良邸に駆けつけるシーンの映像は凝った撮り方で、それなりのグレード)

で、討ち入りコントになる。

討ち入りコントは、「8人で討ち入りに来たのはいいけどハシゴが無いから吉良邸の塀を越えられないで困る」というのがきっかけで、そのあとのどうするのかが、オモシロどころ。(<前半のプロフィール紹介はシャレで作られているので、まったくコントに活かされない。)

で、どんなギャグやボケのオンパレードになるのかなーと思って見ていると、とりあえず浜ちゃんがキレて、仕方なく6人がピラミッドして「重い重い」「痛い痛い」言う。邸内の人間が騒ぎに気づいて「ダレだ!!」って声がするんでみんなちりぢりに逃げて1本終わり。コントと言ってもショートコントなのである(塀を乗り越えるための1アイデアに1コント)。だから「2週にわたって」とは言ったものの、このコントは飛び飛びに、上記のような短いやつが、別のメインコーナーとメインコーナーの間にちょいちょいブリッジ的に入れられる構成。

計3回のコントはバリエーションがあるが、オープニングとみんなが散り散りに逃げるシーンは同じVの繰り返し。

ほんとは浜ちゃんの切れ方の見せ所であり、ごっつええの「ゴレンジャイ」みたいなトコロに落ち着けばもっと面白かったのかもしれない。浜ちゃんもこの背景でどうふくらましてダレに怒ってイイか困ってるようで、あげく宮迫ばかりをいじるから二人コントになってしまって、返しも「なんで叩くんですか」系の繰り返しで薄い。何人もが「居るだけ」。そもそもセリフが薄いのは、おそらくスタッフにドリフやひょうきんのスタッフ&キャストのような「下地」が無いから。

とはいえこの討ち入り、コント自体はつまらないわけではない

長い前フリ要らないからもう2〜3回ギャグシチュエーションを増やして全5回くらい、ふざけ続けてくれたら後味も変わったと思う。

今般の「コント番組の冬の時代」に忠臣蔵ものをやってくれただけでもお笑いファンとしては感謝なのかな。なんか惜しい作品。

しっかし、こだわりのない、安い時代だなあ。


忠臣蔵ファンでお笑いファンだからメチャクチャ依怙贔屓で星ふたつ。