「討ち入り〜8人の志士たちの挑戦〜」の版間の差分

提供: Kusupedia
移動先: 案内検索
5行目: 5行目:
 
これたぶん、作家さんが忠臣蔵を'''やっておきたかった'''んじゃなかろうか。[[忠臣蔵松の廊下|ドリフ]]も[[TAKECHANマン忠臣蔵|ひょうきん族]]も通ってきた道だから。
 
これたぶん、作家さんが忠臣蔵を'''やっておきたかった'''んじゃなかろうか。[[忠臣蔵松の廊下|ドリフ]]も[[TAKECHANマン忠臣蔵|ひょうきん族]]も通ってきた道だから。
  
ただ、やるならちゃんとやれば良かったのに、お歴々が出演してるこの番組で、コントに松ちゃんが不在(なぜ?)という時点でまず残念。
+
ただ、やるならちゃんとやれば良かったのに、お歴々が出演してるこの番組で、コントに松ちゃんが不在(なぜ?)という時点でまず残念。これにかぎって松っちゃんがいないという状況に、晩年のモンティパイソンにおいてジョン・クリーズが出演拒否したのが想起される。松っちゃんも内容を評価しないから放棄したのかと邪推をしてしまう。ココでまず見る側の期待が半減。
  
内容も、実は忠臣蔵ではない。こういうときは[[おニャン子版忠臣蔵|夕やけニャンニャン]]でさえ下敷きはちゃんと忠臣蔵でやるのに、なにかワケでもあるのか、おかげでコント史においてはいささか浮いた存在なのではなかろうか。こういう状況で松っちゃんがいないと、晩年のモンティパイソンにおいてジョン・クリーズが出演拒否したのが想起される。松っちゃんも内容を評価しないから放棄したのかと邪推をしてしまう。ココでまず見る側の期待が半減。
+
内容も、'''実は忠臣蔵ではない'''。こういうときは[[おニャン子版忠臣蔵|夕やけニャンニャン]]でさえ下敷きはちゃんと忠臣蔵でやるのに、なにかワケでもあるのか、おかげでコント史においてはいささか浮いた存在。でもお笑いファンとしてはこの豪華なメンツで「ぽい」事をしてくれたことを讃えたいのであります。
  
  
 
おはなしは主君の仇討ちならぬ、亡き友(松本人志)の仇討ちという設定。忠臣蔵の裏側で、もうひとつの吉良に対する討ち入りがあったというサイドストーリー。
 
おはなしは主君の仇討ちならぬ、亡き友(松本人志)の仇討ちという設定。忠臣蔵の裏側で、もうひとつの吉良に対する討ち入りがあったというサイドストーリー。
  
 +
そういう設定は一応説明されるものの、要は吉良邸の門前でおこなわれるコントがメインで、説明のVTRが凝って撮ってるぶん、あとのコントのマヌケぶりとのギャップを計っている。
  
あとのコントとのギャップを狙ってプロローグをたっぷり長く、わざとシリアスに撮ってる。レギュラ−8人のひとりひとりに「書道の達人なにがし」というふうに、忠臣蔵とは関係ないが、とにかくオリジナルのキャラクターをつけて、'''ひとりずつ'''紹介するのに時間をかけている。(以上の紹介シーンや吉良邸に駆けつけるシーンの映像は凝った撮り方で、それなりのグレード)
 
  
で、討ち入りコントになる。
+
「8人で討ち入りに来たのはいいけどハシゴが無いから吉良邸の塀を越えられないで困る」というのがきっかけで、そのあとのどうするのかが、オモシロどころ。
  
討ち入りコントは、「8人で討ち入りに来たのはいいけどハシゴが無いから吉良邸の塀を越えられないで困る」というのがきっかけで、そのあとのどうするのかが、オモシロどころ。(<前半のプロフィール紹介はシャレで作られているので、まったくコントに活かされない。)
+
で、どんなギャグやボケのオンパレードになるのかなーと思って見ていると、とりあえず浜ちゃんがキレて、仕方なく6人がピラミッドして「重い重い」「痛い痛い」言う。邸内の人間が騒ぎに気づいて「ダレだ!!」って声がするんでみんなちりぢりに逃げて1本終わり。コントと言っても計3分ほどのショートコントなのである(塀を乗り越えるための1アイデアに1コント)。
  
で、どんなギャグやボケのオンパレードになるのかなーと思って見ていると、とりあえず浜ちゃんがキレて、仕方なく6人がピラミッドして「重い重い」「痛い痛い」言う。邸内の人間が騒ぎに気づいて「ダレだ!!」って声がするんでみんなちりぢりに逃げて1本終わり。コントと言っても計3分ほどのショートコントなのである(塀を乗り越えるための1アイデアに1コント)。だから「2週にわたって」とは言ったものの、このコントは飛び飛びに、上記のような短いやつが、別のメインコーナーとメインコーナーの間にちょいちょいブリッジ的に入れられる構成。
+
だから「2週にわたって」とは言ったものの、このコントは飛び飛びに、上記のような短いやつが、別のメインコーナーとメインコーナーの間にちょいちょいブリッジ的に入れられる構成。
  
計3回のコントはバリエーションがあるが、オープニングとみんなが散り散りに逃げるシーンは同じVの繰り返し。
+
計3回のコントにはバリエーションがあるが、例の説明のVTRはお約束で毎回同じのが流れる構成。
  
ほんとは浜ちゃんの切れ方の見せ所であり、ごっつええの「ゴレンジャイ」みたいなトコロに落ち着けばもっと面白かったのかもしれない。浜ちゃんもこの背景でどうふくらましてダレに怒ってイイか困ってるようで、あげく宮迫ばかりをいじるから二人コントになってしまって、返しも「なんで叩くんですか」系の繰り返しで薄い。何人もが「居るだけ」。そもそもセリフが薄いのは、おそらくスタッフにドリフやひょうきんのスタッフ&キャストのような「下地」が無いから。
+
 
 +
ほんとは浜ちゃんの切れ方の見せ所であり、ごっつええの「ゴレンジャイ」みたいなトコロに落ち着けばもっと面白かったのかもしれない。
 +
 
 +
浜ちゃんもこの背景でどうふくらましてダレに怒ってイイか困ってるようで、あげく宮迫ばかりをいじるから二人コントになってしまって、返しも「なんで叩くんですか」系の繰り返しで薄い。何人もが「居るだけ」。そもそもセリフが薄いのは、ドリフやひょうきんのスタッフ&キャストのような「下地」が無いから?
  
 
とはいえこの討ち入り、コント自体は'''つまらないわけではない'''。
 
とはいえこの討ち入り、コント自体は'''つまらないわけではない'''。
30行目: 33行目:
  
  
結局レギュラーメンバーで討ち入りをやるには人数が足りないから設定を新しくしたのではないかとも思われるが、他局だが「[[忠臣蔵 吉良邸討ち入りの夜|はねるのトびら]]」で忠臣蔵を扱ったときに、人数がたりなくてもコントをまっとう出来てるのを考えると、いかにも惜しい。これだけのメンツなのに…この番組はいつもそういう「不器用さ」がつきまとう。
+
ぶっちゃけ、忠臣蔵のままでいいじゃん。設定変えた必要がよくわからない。
 
 
 
 
今般の「コント番組の冬の時代」に忠臣蔵ものをやってくれただけでもお笑いファンとしては感謝なのかな。しっかし、こだわりのない、安い時代だなあ。
 
 
 
  
お笑いファンなればこその、星一個。
+
結局レギュラーメンバーで討ち入りをやるには人数が足りないから設定を新しくしたのではないかとも思われるが、他局だがこの数年も前に「[[忠臣蔵 吉良邸討ち入りの夜|はねるのトびら]]」で忠臣蔵を扱ったときに、人数がたりなくてもコントをまっとう出来てるのを考えると、いかにも惜しい。これだけのメンツでロケまでしてこのクオリティとは…この番組はいつもそういう「不器用さ」がつきまとう。

2010年3月22日 (月) 10:27時点における版

作品概要
制作会社 TBS
公開年度 2008年
内蔵助役 浜田雅功
評価 1ツ星


バラエティ番組「リンカーン」で2週にわたって放送されたコント。出演:浜田雅功、雨上がり決死隊、キャイ〜ン、さまぁ〜ず、ぐっさん。

これたぶん、作家さんが忠臣蔵をやっておきたかったんじゃなかろうか。ドリフひょうきん族も通ってきた道だから。

ただ、やるならちゃんとやれば良かったのに、お歴々が出演してるこの番組で、コントに松ちゃんが不在(なぜ?)という時点でまず残念。これにかぎって松っちゃんがいないという状況に、晩年のモンティパイソンにおいてジョン・クリーズが出演拒否したのが想起される。松っちゃんも内容を評価しないから放棄したのかと邪推をしてしまう。ココでまず見る側の期待が半減。

内容も、実は忠臣蔵ではない。こういうときは夕やけニャンニャンでさえ下敷きはちゃんと忠臣蔵でやるのに、なにかワケでもあるのか、おかげでコント史においてはいささか浮いた存在。でもお笑いファンとしてはこの豪華なメンツで「ぽい」事をしてくれたことを讃えたいのであります。


おはなしは主君の仇討ちならぬ、亡き友(松本人志)の仇討ちという設定。忠臣蔵の裏側で、もうひとつの吉良に対する討ち入りがあったというサイドストーリー。

そういう設定は一応説明されるものの、要は吉良邸の門前でおこなわれるコントがメインで、説明のVTRが凝って撮ってるぶん、あとのコントのマヌケぶりとのギャップを計っている。


「8人で討ち入りに来たのはいいけどハシゴが無いから吉良邸の塀を越えられないで困る」というのがきっかけで、そのあとのどうするのかが、オモシロどころ。

で、どんなギャグやボケのオンパレードになるのかなーと思って見ていると、とりあえず浜ちゃんがキレて、仕方なく6人がピラミッドして「重い重い」「痛い痛い」言う。邸内の人間が騒ぎに気づいて「ダレだ!!」って声がするんでみんなちりぢりに逃げて1本終わり。コントと言っても計3分ほどのショートコントなのである(塀を乗り越えるための1アイデアに1コント)。

だから「2週にわたって」とは言ったものの、このコントは飛び飛びに、上記のような短いやつが、別のメインコーナーとメインコーナーの間にちょいちょいブリッジ的に入れられる構成。

計3回のコントにはバリエーションがあるが、例の説明のVTRはお約束で毎回同じのが流れる構成。


ほんとは浜ちゃんの切れ方の見せ所であり、ごっつええの「ゴレンジャイ」みたいなトコロに落ち着けばもっと面白かったのかもしれない。

浜ちゃんもこの背景でどうふくらましてダレに怒ってイイか困ってるようで、あげく宮迫ばかりをいじるから二人コントになってしまって、返しも「なんで叩くんですか」系の繰り返しで薄い。何人もが「居るだけ」。そもそもセリフが薄いのは、ドリフやひょうきんのスタッフ&キャストのような「下地」が無いから?

とはいえこの討ち入り、コント自体はつまらないわけではない

長い前フリ要らないからもう2〜3回ギャグシチュエーションを増やして全5回くらい、ふざけ続けてくれたら後味も変わったと思う。


ぶっちゃけ、忠臣蔵のままでいいじゃん。設定変えた必要がよくわからない。

結局レギュラーメンバーで討ち入りをやるには人数が足りないから設定を新しくしたのではないかとも思われるが、他局だがこの数年も前に「はねるのトびら」で忠臣蔵を扱ったときに、人数がたりなくてもコントをまっとう出来てるのを考えると、いかにも惜しい。これだけのメンツでロケまでしてこのクオリティとは…この番組はいつもそういう「不器用さ」がつきまとう。