「赤穂浪士(テレビ朝日)」の版間の差分

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この年はテレビ番組が豊作で「探偵物語」「西部警察」「金八先生」「熱中時代刑事編」「俺たちは天使だ!」「トミーとマツ」「マー姉ちゃん」などが放送中で、テレビがめちゃめちゃにぎやか。
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この年はテレビ番組が豊作で「探偵物語」「西部警察」「金八先生」「熱中時代刑事編」「俺たちは天使だ!」「トミーとマツ」「マー姉ちゃん」などが放送中で、めちゃめちゃにぎやか。
 
なんと12チャンでは「Mr.チョンボ危機乱発(吹き替え版のフォルティタワーズ)」まで放送されていた。そんな時代背景。
 
なんと12チャンでは「Mr.チョンボ危機乱発(吹き替え版のフォルティタワーズ)」まで放送されていた。そんな時代背景。
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(成田三樹夫は探偵物語とこっちの柳沢吉保役の掛け持ちで忙しかったろうなあ)
 
(成田三樹夫は探偵物語とこっちの柳沢吉保役の掛け持ちで忙しかったろうなあ)
  
  
「赤穂浪士」には史実にはいない[[堀田隼人]]、[[蜘蛛の陣十郎]]、[[女間者|お仙]]なるキャラが出てくるのだが、演じている田村正和、長門勇、中島ゆたかが見事にハマッており、原作のイメージにひじょうに近い。
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原作の「赤穂浪士」には史実にはいない[[堀田隼人]]、[[蜘蛛の陣十郎]]、[[女間者|お仙]]なるキャラが出てくるのだが、演じている田村正和、長門勇、中島ゆたかが見事にハマッており、イメージがひじょうに近い。
 
とはいえ、ほかの映画もそうなんだけど、この3人の扱いはひじょうにむずかしく、前半はものすごく魅力的に動く3人なのだがキャラ的にやはりラストになるにしたがってコレと言った見せ場も無く尻切れトンボにフェードアウトしてる感じが否めない。これはどうしても途中から赤穂浪士たちに食われてしまうからである。お株を奪われるのだ。はっきりと赤穂城無血開城から彼らに'''用が無くなる'''。
 
とはいえ、ほかの映画もそうなんだけど、この3人の扱いはひじょうにむずかしく、前半はものすごく魅力的に動く3人なのだがキャラ的にやはりラストになるにしたがってコレと言った見せ場も無く尻切れトンボにフェードアウトしてる感じが否めない。これはどうしても途中から赤穂浪士たちに食われてしまうからである。お株を奪われるのだ。はっきりと赤穂城無血開城から彼らに'''用が無くなる'''。
  
クールだったお仙は中盤からおきゃんな感じになり、最終的に愛におぼれるよろめき風になり、演出の苦慮が見受けられる。
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クールだったお仙は中盤からおきゃんな感じになり、最終的に愛におぼれるよろめき風になり、と演出の苦慮が見受けられる。
  
  
さて本作のヨロキン内蔵助はメンバーに問われれば討ち入りをするかしないかをモゴモゴごまかしたりせず、はっきり「やる」と仲間に言うのだが、これがなかなか実行に移さず、だ〜いぶ待たされるので、視聴者をも巻き込んで浪士と一緒に終始じれったい気持ちになり役者と一緒にテレビに向かってつい「太夫は何を考えておられるのだ!?」と叫んでしまう。ちょっとした疑似体験が出来る'''視聴者参加版忠臣蔵'''。
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さて本作のヨロキン内蔵助はメンバーに問われれば討ち入りをするかしないかをモゴモゴごまかしたりせず、はっきり「やる」と答えるのだが、これがなかなか実行に移さず、だ〜いぶ待たされるので、視聴者をも巻き込んで浪士と一緒に終始じれったい気持ちになり役者と一緒にテレビに向かってつい「太夫は何を考えておられるのだ!?」と叫んでしまう。ちょっとした疑似体験が出来る'''視聴者参加版忠臣蔵'''。
  
 
待たされる感じがする理由は、開城までにやたら評定に時間をかけてるのが大きく影響してると思うのだが、これは前述の3人を活躍させられるのがそこなので、それで開場まで時間がかかったのかな、なんて思った。
 
待たされる感じがする理由は、開城までにやたら評定に時間をかけてるのが大きく影響してると思うのだが、これは前述の3人を活躍させられるのがそこなので、それで開場まで時間がかかったのかな、なんて思った。

2009年8月28日 (金) 04:59時点における版

作品概要
制作会社 テレビ朝日
公開年度 1979年
内蔵助役 萬屋錦之介
評価 4ツ星


全36回の連続ドラマ


この年はテレビ番組が豊作で「探偵物語」「西部警察」「金八先生」「熱中時代刑事編」「俺たちは天使だ!」「トミーとマツ」「マー姉ちゃん」などが放送中で、めちゃめちゃにぎやか。 なんと12チャンでは「Mr.チョンボ危機乱発(吹き替え版のフォルティタワーズ)」まで放送されていた。そんな時代背景。

(成田三樹夫は探偵物語とこっちの柳沢吉保役の掛け持ちで忙しかったろうなあ)


原作の「赤穂浪士」には史実にはいない堀田隼人蜘蛛の陣十郎お仙なるキャラが出てくるのだが、演じている田村正和、長門勇、中島ゆたかが見事にハマッており、イメージがひじょうに近い。 とはいえ、ほかの映画もそうなんだけど、この3人の扱いはひじょうにむずかしく、前半はものすごく魅力的に動く3人なのだがキャラ的にやはりラストになるにしたがってコレと言った見せ場も無く尻切れトンボにフェードアウトしてる感じが否めない。これはどうしても途中から赤穂浪士たちに食われてしまうからである。お株を奪われるのだ。はっきりと赤穂城無血開城から彼らに用が無くなる

クールだったお仙は中盤からおきゃんな感じになり、最終的に愛におぼれるよろめき風になり、と演出の苦慮が見受けられる。


さて本作のヨロキン内蔵助はメンバーに問われれば討ち入りをするかしないかをモゴモゴごまかしたりせず、はっきり「やる」と答えるのだが、これがなかなか実行に移さず、だ〜いぶ待たされるので、視聴者をも巻き込んで浪士と一緒に終始じれったい気持ちになり役者と一緒にテレビに向かってつい「太夫は何を考えておられるのだ!?」と叫んでしまう。ちょっとした疑似体験が出来る視聴者参加版忠臣蔵

待たされる感じがする理由は、開城までにやたら評定に時間をかけてるのが大きく影響してると思うのだが、これは前述の3人を活躍させられるのがそこなので、それで開場まで時間がかかったのかな、なんて思った。


敬語でメンバーを説き伏せるヨロキンには説得力があり、なかなか見てる方がちゃんとコントロールされる。 時間も経つしメンバーも多いから、ついつい諸事情やいろんなイデオロギーが出てきたりすると初一念がブレそうになるのだが、このヨロキンの頭領はひじょうに安定感があり、たのもしく、すごい。「これはご公儀に向けての反抗なのだ!」

グッと張り詰めていた気持ちが討ち入り成功と共にほうっと、なにかから解き放たれたような気分になる。 達成感であろうか。


確実に一歩ずつ展開を進める、堅実で重厚な作品。


音楽担当が黒沢明と「乱」の時にモメた武満徹で、心に訴えてくるメロディーが印象的。

ただ、その音楽をどう当てるかが監督の腕の見せ所なのだが、演出家によってはくりかえし愛のテーマをリフレインで流したりするので「イー!」となってくるときがある。

小粒でじゅうぶん辛いのでドッサリ入れられると食傷気味になるのだ。


キャスティングがひじょうにうまくいってるが決して豪華ではない。