「赤穂浪士(NHK)」の版間の差分

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[[画像:ooisi4.jpg|thumb|役者絵:長谷川一夫]]
 
[[画像:ooisi4.jpg|thumb|役者絵:長谷川一夫]]
  
初期のNHK大河ドラマ。
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初期のNHK大河ドラマ。(当時はまだ、「大型ドラマ」という言い方をしていたみたい。)全52回。
  
 
現存するビデオは第47回「討ち入り」と総集編のみ<small>※註</small>。で見たのは第47回のほう。総集編のほうをリリースしてくれよぉ!
 
現存するビデオは第47回「討ち入り」と総集編のみ<small>※註</small>。で見たのは第47回のほう。総集編のほうをリリースしてくれよぉ!
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知的なおじいちゃん役ばっかりの志村喬(古い映画ではマヌケじじいが多い)が槍をつく姿を見て「あ、そう言えばこの人、七人の侍のリーダーだった」と思い出すのでありました。
 
知的なおじいちゃん役ばっかりの志村喬(古い映画ではマヌケじじいが多い)が槍をつく姿を見て「あ、そう言えばこの人、七人の侍のリーダーだった」と思い出すのでありました。
  
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前年に放送したドラマ「花の生涯」(S38.4〜12月放送)放送中に成功の見通しがついて、8月頃に「次、どうしようか」と議論を重ね、9月に「赤穂浪士」やろうってなってからキャスティングに入って、当時の歌舞伎界、映画界、新劇界、テレビタレントまで揃えるのだから、なんとなく時代のゆとりを感じる。
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それでもやはり、「かくて国鉄まがいのダイヤならぬ、明細なスケジュール表が作られ、七夕さまのように、全員ばったり顔を合わせる、貴重な一時をねらって深夜のビデオどり」と、なったとか<small>(週刊朝日S39.2.28号)</small>。
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徹夜で録って朝を迎えると、またみんな自分の畑仕事に去っていき、四十七士は半分くらいになっちゃうという、そんなすったもんだに、長時間全部を付き合ってた長谷川一夫もいいかげん(穏やかに)苦言を呈したという<small>(野村康一「実録テレビ時代劇史」ちくま文庫)</small>
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そのほかにも、日本画家の新井勝利先生にお伺いを立てながら気を使ったはずの時代考証も、浅野家の家紋(違い鷹の羽。の入った小道具でしょうか)が、運んでる途中で180度ひっくり返って、左上のぶっ違いになって放送し、視聴者から怒られたとか、雨のヘリコプターの飛来で、羽音が入ったまま、千坂兵部と小林平八郎(実川延若と芦田伸介)の釣りのシーンがオンエアになった<small>(週刊朝日S39.2.28号)</small>とか、黎明期のテレビの現場は、なかなかてんてこ舞いだったようす。
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<余談>
  
 
さて、音楽の芥川也寸志のテーマ曲は有名なんですが、あたしが小学生のみぎり、映画「八つ墓村(松竹)」のサントラのドーナッツ版レコードのB面「落武者のテーマ」聴いてたら(これも芥川作曲)、親が「赤穂浪士じゃん」て言うんで「八つ墓村だよ」と水掛け論を繰り広げたのをおぼえてます。
 
さて、音楽の芥川也寸志のテーマ曲は有名なんですが、あたしが小学生のみぎり、映画「八つ墓村(松竹)」のサントラのドーナッツ版レコードのB面「落武者のテーマ」聴いてたら(これも芥川作曲)、親が「赤穂浪士じゃん」て言うんで「八つ墓村だよ」と水掛け論を繰り広げたのをおぼえてます。
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ちなみに「八つ墓村」本編でこのソックリ曲は流れません。きっと野村芳太郎監督は「赤穂浪士じゃん」って言ってボツにしたのかもですな w。
 
ちなみに「八つ墓村」本編でこのソックリ曲は流れません。きっと野村芳太郎監督は「赤穂浪士じゃん」って言ってボツにしたのかもですな w。
  
(ちなみに調べたら「赤穂浪士」は「たけくらべ」(1955)の主題曲の使い回しでもあるそうです。)
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(ちなみに「赤穂浪士」のテーマ曲は、ガッツリと、映画「たけくらべ」(1955)の主題曲の使い回しです。)
  
 
余談が続いて恐縮ですが、のちの大河「武蔵坊弁慶」(芥川作曲)も似たオスティナート法であります。
 
余談が続いて恐縮ですが、のちの大河「武蔵坊弁慶」(芥川作曲)も似たオスティナート法であります。

2022年3月13日 (日) 19:09時点における最新版

作品概要
制作会社 NHK
公開年度 1964年
内蔵助役 長谷川一夫
評価 2ツ星
役者絵:長谷川一夫

初期のNHK大河ドラマ。(当時はまだ、「大型ドラマ」という言い方をしていたみたい。)全52回。

現存するビデオは第47回「討ち入り」と総集編のみ※註。で見たのは第47回のほう。総集編のほうをリリースしてくれよぉ!

(※註…都市伝説?最近のWikiには「総集編は無い」と書かれている。)


1本しか見てないからイイも悪いもないが、延々とチャンバラですがさすがにこのころは殺陣がしっかりしてて見栄えがいいですな。ほかの作品と見比べても見劣りいたしません。「史上最高の視聴率53.0%!」を記録した回だそうです。

知的なおじいちゃん役ばっかりの志村喬(古い映画ではマヌケじじいが多い)が槍をつく姿を見て「あ、そう言えばこの人、七人の侍のリーダーだった」と思い出すのでありました。


前年に放送したドラマ「花の生涯」(S38.4〜12月放送)放送中に成功の見通しがついて、8月頃に「次、どうしようか」と議論を重ね、9月に「赤穂浪士」やろうってなってからキャスティングに入って、当時の歌舞伎界、映画界、新劇界、テレビタレントまで揃えるのだから、なんとなく時代のゆとりを感じる。

それでもやはり、「かくて国鉄まがいのダイヤならぬ、明細なスケジュール表が作られ、七夕さまのように、全員ばったり顔を合わせる、貴重な一時をねらって深夜のビデオどり」と、なったとか(週刊朝日S39.2.28号)

徹夜で録って朝を迎えると、またみんな自分の畑仕事に去っていき、四十七士は半分くらいになっちゃうという、そんなすったもんだに、長時間全部を付き合ってた長谷川一夫もいいかげん(穏やかに)苦言を呈したという(野村康一「実録テレビ時代劇史」ちくま文庫)

そのほかにも、日本画家の新井勝利先生にお伺いを立てながら気を使ったはずの時代考証も、浅野家の家紋(違い鷹の羽。の入った小道具でしょうか)が、運んでる途中で180度ひっくり返って、左上のぶっ違いになって放送し、視聴者から怒られたとか、雨のヘリコプターの飛来で、羽音が入ったまま、千坂兵部と小林平八郎(実川延若と芦田伸介)の釣りのシーンがオンエアになった(週刊朝日S39.2.28号)とか、黎明期のテレビの現場は、なかなかてんてこ舞いだったようす。


<余談>

さて、音楽の芥川也寸志のテーマ曲は有名なんですが、あたしが小学生のみぎり、映画「八つ墓村(松竹)」のサントラのドーナッツ版レコードのB面「落武者のテーマ」聴いてたら(これも芥川作曲)、親が「赤穂浪士じゃん」て言うんで「八つ墓村だよ」と水掛け論を繰り広げたのをおぼえてます。

ものすごく似てて、40年くらい同じだと思ってました。

ちなみに「八つ墓村」本編でこのソックリ曲は流れません。きっと野村芳太郎監督は「赤穂浪士じゃん」って言ってボツにしたのかもですな w。

(ちなみに「赤穂浪士」のテーマ曲は、ガッツリと、映画「たけくらべ」(1955)の主題曲の使い回しです。)

余談が続いて恐縮ですが、のちの大河「武蔵坊弁慶」(芥川作曲)も似たオスティナート法であります。