赤穂浪士

提供: Kusupedia
2009年7月7日 (火) 14:02時点におけるKusuo (トーク | 投稿記録)による版

移動先: 案内検索
作品概要
制作会社 東映
公開年度 1961年
内蔵助役 片岡千恵蔵
評価 5ツ星
ファイル:Ooisi1.jpg
役者絵:片岡千恵蔵
役者絵:市川歌右衛門

先年の「赤穂浪士 天の巻・地の巻」(と「忠臣蔵 桜花の巻 菊花の巻」)のイイトコ取りのやきなおし。

同じ原作で同じ監督。堀田隼人の大友柳太朗や吉良上野介の月形龍之介は続投だし、制作意図は?って最初思ったんですが、せっかくの傑作だし、東映のスタイルが確立したし、創立10周年だからパワーアップしてもう一回やろうよ!というノリなのかなんなのか、ひじょうに華やかなエンターテインメントになってる。ビジュアル的に必要な部分にちゃんと金がかかってて豪華だし、日本語わからない人も見てて楽しいんじゃないだろうか。(逆に、日本語わかるけど忠臣蔵ビギナーにはキツイ)

絢爛だが歌舞伎よりも浪花節に近いあたたかみ。


内蔵助のライバル千坂兵部や、職人のお兄ちゃんのエピソードをふくらませたことで、元のストーリーにはじゃっかんアレンジが加わっているものの「忠臣蔵」のいいところを保ちつつ、とにかく全体的に素晴らしい完成度。

「映画で忠臣蔵」と言ったときはこの作品のビジュアルが思い浮かぶ。そんな決定版っぽさがある。

脚本、音楽、演出、撮影、編集など素人が見ても随所に「必要」な作業が申し分なくなされており、プロの映画人の仕事という感じがする。


適材適所の配役がうれしいし「キャラクター大合戦フェスティバル」という感じでとにかく甚だ楽しい。看板役者をうんと引き立てて、見せ場をいっぱい楽しめる。

あたしの役者絵も気づいてみたらこの作品からの抜粋がかなり多いことがあとから判明。それだけ魅力あるんでしょうなー。

とにかく、最近あまり物語作りの上で重要視されない(現代人に伝わりにくい)主君と家臣たち(義士たち)の関係性がよくわかり、彼らのいじらしさやかいがいしさが、ラストの「討ち入り」に、いい振り幅で反映されている。どのキャラも「人間っぽい」?

WEB上で見かけるファンには前作の落ち着いたかんじがイイという人もいるが、かなり「別物」。


とはいえ、東映ファンでなかったり、ビギナーの目にはどう写るかは「?」。独特の間合いなどが味がわかるようにならないとじれったいかも。しかし、意味のある「ため」=要所要所の「腹芸」が素晴らしい。特に田村邸は涙が止まらない。


林家木久扇師匠が言ってましたがフルスロットルの片岡千恵蔵や大河内伝次郎はなにをしゃべってるのかよくわかんないけど、気にならない。こういうとき、東映のDVDも字幕が出ればいいのになあと残念に思う。でもね、新宿の映画館で「東映時代劇祭」をやってた際にスクリーンで見たが、このころの脂の乗った日本映画は大画面にかぎる。

DVDのとき気づかなかったんだけど、どう見てもチャンバラトリオの頭(かしら:南方英二)が出てる気がして、帰宅してタイトルロールだけ確認したら出てました〜!!錦之介さんの付き人やってらしたんですね。

当時の差し歯の材質の限界が、萬屋錦之介(役者として本作において八面六臂の活躍をするMVP)の前歯に見て取れる。


赤穂浪士 [DVD]

片岡千恵蔵 出演, 市川右太衛門 出演