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通し狂言 仮名手本忠臣蔵

822 バイト追加, 2020年6月30日 (火) 19:35
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「通さん場」といって劇場のお客さんの出入りが許されない大事な段。
さて、ビギナーにはとっつきにくい歌舞伎の所作には実は玄人も実はよくわかってないこともおありだそうで、たとえばこの切腹の場にやっと到着した由良之助が検使役・石堂右馬之丞に「近う近う〜」と言われて花道で一回両手を懐に入れる仕草について、落語の「四段目」(出典:志ん朝版)では「ひょいっと顔を上げてみるってえと、もうお殿様はお腹を召してるから"しまった〜"と思っても、ここでもってあわてちゃあいけないと思うから両方の手をこうやってフトコロへ突っ込んで腹帯をキュウッと締め直す。」と説明しているが、市村羽左衛門(17th)がある番組で言うには「なんでああいう仕草をするんだか九代目からおじさん達が聞いてないんですよ。演出の意図がハッキリしていないから、あれは腹帯のことだろうと思うが、締め直すんだかゆるめるんだかはおまえ達の解釈でやれと言われ、あたしはゆるめてます。あすこで締め直す由良之助じゃ仇は取れない。」だそうです。がある番組(歌舞伎チャンネル)で言うには「なんでああいう仕草をするんだか九代目からおじさん達が聞いてないんですよ。演出の意図がハッキリしていないから、あれは腹帯のことだろうと思うが、締め直すんだかゆるめるんだかはおまえ達の解釈でやれと言われ、あたしはゆるめてます。あすこで締め直す由良之助じゃ仇は取れない。」だそうです。
「早駕籠に乗ってくるんだから腹帯をキュッと締めていたのをゆるめて、臍下丹田に落とす」という"ゆるめ説"もある。
そうかと思うと、いっぽうで松本幸四郎(7th)は「師匠がシメる方でやってたから自分もそうしているが、これから大切な場なのだからウンと腹帯を締めて…否、肚(はら)を緊めてかからなければならない。緩めるのははき違えではないか」と国立劇場の冊子で言っている。は「師匠がシメる方でやってたから自分もそうしているが、これから大切な場なのだからウンと腹帯を締めて…否、肚(はら)を緊めてかからなければならない。緩めるのははき違えではないか」と言っている(「假名手本忠臣蔵」国立劇場上演資料集256)。
雑誌「歌舞伎」でも明治時代から「シメる」「ユルめる」両説が載ってるそうで結論が出ていない。
そもそもは人形浄瑠璃にあったのを三代目坂東三津五郎が歌舞伎に取り入れたとか。どっちにしろイイ形なので残ってるようであります。そもそもは人形浄瑠璃にあったのを、三代目坂東三津五郎が歌舞伎に取り入れたとか。どっちにしろイイ形なので残ってるようであります。
補足だが歌舞伎では、ただでさえでっかく設えられた表門が由良之助の歩みとともに表門全体が奥へ移動を始め、遠のいていくシーンがダイナミック。舞台を有効に使って距離を表現している。
 
<附言「日本の喜劇人」(小林信彦・新潮文庫)によると、この「城のほうが下がっていく演出」は、古川緑波による昭和17年の「四十七分忠臣蔵」において、時短のために緑波がアチャラカで考案したものとある。どっちが先なのだろう…と思ったら「演技の伝承」(川尻 清潭 著)に、大正〜昭和に活躍した晩年の団十郎(9th)が「大掛かりに丸物の赤門を飾らせ、それをそのまま斜めに後へ引き下げて(略)が評判よく、以来大劇場の上演では(うんぬん)」とあったので、緑波がリスペクトしたものと推測いたします。ごちゃごちゃすいません。>

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