元禄快挙余譚土屋主税 落花篇・雪解篇

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作品概要
制作会社 松竹
公開年度 1937年
内蔵助役 嵐徳三郎
評価 2ツ星

主人公は、吉良邸のおとなりさんの土屋さん。

なんか、細部にも気を使ってるし、すごくモダンな演出、小道具、カメラワーク、音楽。そして衣装。

戦前の忠臣蔵って、みんな衣装の柄がかわいくてよろしい。

さて、吉良邸のオトナリさんなんか主人公にしてどう話を膨らませるのかと思ったが、主人公の土屋主税を演じる長谷川一夫(この映画の当時は林 長二郎)は四十七士の杉野十平次と二役やってて、話はほとんど四十七士の臥薪嘗胆にシフトする。

杉野はナニを思ってか品川あたりで放蕩三昧の毎日。寄り合いにも出てこないもんだから仲間はいらつくし、母親は恥に思って自害しちゃう。

もともとある彼のエピソード「よたかそばの当たり屋」「俵星玄蕃」は出てこない。

前編、落花篇はここまでで、タイトルになってる土屋さんは吉良さんちから引越の挨拶をもらっただけ。あくまで杉野のストーリー。


なんでおなじみのエピソードがある杉野をわざわざこのスピンオフに引っ張りだして、そんなにおもしろくもない新作オリジナル話をしつらえてダラダラと飲んだくれに描いてるのか、新キャラ杉野になんの魂胆があるのかさっぱりわからないまま後編「雪解篇」。

ひょんなことから杉野は絵図面を手に入れる。すると唐突にやる気になる杉野。吉良家の偵察に単身乗り込むがケガをするので隣家に逃げ込むと土屋さんち。手当てしてもらう。いままでいろいろすっぽかしてたくせに臆面もなく偵察の守備を内蔵助に報告。

なんで杉野が急にやる気になったのかイマイチよくわからないまま討ち入りの日は来る。

後編はじゃっかん土屋さんにちゃんとウエイトがかかってて、「月、雪、花か」と外を見てると塀の向こうから槍先がニュッと出てきて、となりで討ち入りが始まる。

火事ではござらぬか、と客の宝井其角が心配したり、太鼓の音を聞いていろいろ憶測していると挨拶が聴こえてくる。しばらくすると呼び子が鳴って勝ちどきが聴こえる。塀のこっち側って視点はおもしろいし斬新だが、やりようによってはもっともっと膨らませられる気がした。

結局、前半で母親の死に目にも会わず、杉野がかたくなに飲んだくれてた理由は不明のままエンドマーク。

現在リリースされてるDVDは後編の「雪解篇」だけだが、消化不良の上に後半になんにも活かされてない前半を考えると、理由がなんとなく理解できた。(コレを書いた翌'09年に「落花篇」もリリースされました)


('15加筆:忠臣蔵仲良しから聞けば、初代中村鴈治郎の娘と結婚したこともあり門下でもあった長谷川一夫がリスペクトと追悼で鴈治郎の当たり役「土屋主税」を映画でやったという、企画優先の作品であったかもであります。そのため?どこか、ゆるい?)