忠臣蔵・いのちの刻

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作品概要
制作会社 TBS
公開年度 1988年
内蔵助役 児玉清
評価 1ツ星
舞台版パンフレット('90)

TBS石井ふく子プロデュース「女」系忠臣蔵シリーズ第3弾 

「忠臣蔵・いのちの刻(とき)」

第3弾目にして脚本の橋田壽賀子、脱盟。ピンチヒッター?服部ケイ。


橋田壽賀子が書いたヒット作「女たちの忠臣蔵」リリースから10年近くなってるが、もう、最初おいしかったんで2回目までは残りの肉もそぎ落として料理したものの、もう今回にいたっては食べるところも無くカスカスで、とりあえず残った骨でスープをとって付け合わせの野菜でごまかしたというおもむき。「まだ使える」というかんじでボロボロになった着ぐるみで「ウルトラファイト」を撮ったやけくそを思い起こした。TBSさんのお家芸なのでしょうか。


石井ふく子さんは絶対大石りくを江戸下向させたがるんで、今回もそうなのだが、そこそこ無目的に下向したわりには八面六臂の大活躍で、周囲の女友達と協力し合って武器調達の軍資金の用立てからユニフォームのデザイン〜仕立て(採寸もせずに)、果ては絵図面取りや茶会の日取り情報の奪取まで討ち入り以外の全部を彼女たちがやっちゃうので、誰にもたのまれてないのにたまたま気を利かせて彼女たちが勝手に立ち回ったから良かったようなものの、この女たちがいなかったら浪士たちは一体、討ち入りをどう実現させるつもりだったの??という超〜大疑問を残す珍品に仕上がっている。


主役はあくまで浅岡ルリ子演じる大石りくであり、夫・内蔵助もはなはだ存在感がなく放送開始から30分以上経っても出てこず、登場してもやることはなく、オマケに役を当てられてるのが無害な児玉清。彼はなぜか妻であるルリ子とのツーショットが1場面もなく(一緒にいるかのようなシーンはあるのだがそれぞれ別撮りが丸わかり)、児玉さん、役柄的にも扱いもおいしいところがひとつも無い。

一方で、江戸っ子からいやがらせを受ける梶川家のほうが印象的なエピソードを用意されており、丹波哲郎が良い味を出してるのだが、よほどこっちが好人物に描かれている。もしかして脚本家さんは大石内蔵助が、きらいか


こうしたまったく「能のない赤穂浪士」のストーリーに花を添えるのが熟女たちで、57歳の瑤泉院!(=久我美子。ホントの瑤泉院は事件当時27歳である)の登場やら、同じく57歳の呉服屋主人(香川京子)と大石主税のラブ・ロマンス(註01)、また若い女船頭と原惣右衛門のプラトニックというトッピングもあり、とにかくフケ専が徹底しててちょっとしたカルトムービーのおもむきもある。


いろんな面から見ても、石井ふく子本人がこのシリーズに自分で引導を渡した感じ。


吉良上野介がイモセちゃんというチンを飼ってるが、演じる若山富三郎のせりふの背景に鰹節を削るような音がするのでなんだろうと思ってたら、イモセちゃんの激しい呼吸音で、ハテは喋ってる富三郎に飛びついて顔をナメ出すというヤンチャぶりを披露している。


全体的にゆるゆるの中で、ひときわ素晴らしかったのは尼さん役の美空ひばりのお経。ひばりのTBS最後の出演作品で、ちょっとしたキーパーソンなのだが、彼女はお経の歌声も素晴らしい!(註02)


註01…石井ファミリーから女優を選抜する制約が、年齢設定に無理を作ったひとつの要因かも。

どのくらいの年齢差なのかは劇中でも触れていたかもだが、舞台版パンフレットの石井ふく子のコメントを見ると、呉服屋の女主人に思慕する青春の主税とは「15歳差」としている。香川京子さんは二回りほど若い役を当てられている。


註02…晩年のひばりとたいへん仲良くしてた石井ふく子が、ひばり邸に招かれてご飯食べてるときに、この番組に取り掛かってる話をすると、ひばりがノッてきて「わたしにやれる役、なにか無いかしら。なんか作って」と懇願して、その場でできた尼さんの役だそうである。(大下英治「石井ふく子 女の学校」文藝春秋刊) なので、当て書きの「照月尼」なる人物は、舞台版には登場しない。


<附言>

1990年に帝国劇場でお芝居になっている。(雪の華 〜忠臣蔵 いのちの刻〜)

石井ふく子には、「 女たちの忠臣蔵」以来の、2度目の忠臣蔵の舞台。


石井ふく子プロデュースのTBSおんな忠臣蔵