二段目

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芝居風呂

式部小路の湯屋の又さんは芝居が大好き。芝居好きしか入れない湯屋をリニュアルオープンする。今で言うウルトラマン好き対応のエンターテインメント居酒屋・「怪獣酒場」といったところでありましょうか。

湯に入りに来たのに、内装やスタッフのセクトがいちいち芝居小屋のようなアレンジでお客さんは喜んだり戸惑ったり。

「そういえば今度の市村座は大層な景気だね」「松切りは(二段目)見ものだろうね」と芝居のウワサが始まるが、だんだんと盛り上がって客同士でケンカが始まってしまう。

「本当に忠義の侍は本蔵のことを言うんだ。カタキなんか打ったって家が潰れてどうなるんだ。由良之助の大石なんか女郎買いして金がなくなってやけくそでよんどころなく仇討ちをしたんだ」

「馬鹿野郎。本蔵なんてフィクションじゃねえか。大石は国家老だ。播州赤穂にいて江戸のことがわかるかよ!てめえみてえのを井の中のフナと言うんだ」

・・こんな具合でしまいには取っ組み合いの喧嘩が始まる。

「たいへんだ。松切りから喧嘩場になっちゃった。」

「側杖を食っちゃたまらねえ。俺はお先に御免をこうむらあ。おいおい番頭、俺の着物は?」

「(棚の)二段目じゃ〜い!」


CDやYouTubeで(正蔵8thや圓生版)聴くことの出来る「芝居風呂」は、流しの隅で客がひつ(湿瘡)に薬をつけて乾かしてるところへ三助が湯が汚れるからとその客の入浴を阻止しようとするところが芝居がかった立ち回りとなるのだが、まったく忠臣蔵と関係がない。

また、サゲも「二番目じゃ〜〜い」というふうに違っていて、これはむかし芝居小屋で一番目狂言が終わった時の止め木「二番目じゃ〜い」というのと、脱衣所の棚の二番目に衣類が入ってるというのとがかかってるということらしいが非常にわかりにくく、圓生なんぞは全体の約半分をこうした昔の芝居の解説に費やしていて、噺がリーズナブルではない。


上記の「忠臣蔵バージョン」は明治時代の速記がソースで三代目柳家小さんのものでございますが、ふんだんに忠臣蔵要素が入っていて、長さも程よく、気やすいパッケージ。