あゝ忠臣蔵

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作品概要
制作会社 フジテレビ
公開年度 1969年
内蔵助役 山村 聰
評価 2ツ星
役者絵:遠藤太津朗
役者絵:長門勇

全39話の連ドラ。民放初のカラー忠臣蔵。

基本的に、古い作品には敬意を払いたいのでありますが、不遜を承知で言わせてもらうならば…、あーんまりおもしろくなぁ〜〜い!

しかし放送当時は評判が良かったとか。


イマイチな理由

すべり出しはかなり好きな物語運びだった。安兵衛親子のエピソードと、内匠頭の新婚エピソードが上手に絡み合ってコレまでにない「やさしい忠臣蔵」「あたたかい忠臣蔵」というジャンルを築けそうに見えた。女性や動物の入れ方にそつがない。

こんないい人たちがとんだことになってしまって、これからどういうがんばりを見せてくれるのかなあと期待していたら、10話も進んだところであろうか、急に脚本家が変わり、美空ひばりと里見浩太朗の「お軽勘平」が2話続いたあたりから、あきらかにドラマの方向性が迷走し始める。


どんなふうにへんてこりんになったかというと、全編メロドラマになってしまった。(つまり、ほぼオリジナルストーリーに書き換えられている)

入れ替わり立ち替わりいろんな女優が出てきては浪士の誰かと恋に落ち、「でも最後は失恋」の大ワン・パターンが延々と繰り返される。

それでも見せ方に工夫さえあれば毎回楽しみなのだが、マズイことにどのエピソードも似たり寄ったりな上に各女優に当てられた登場人物に個性がまったく無い。気が強い、やさしい、くらいの強弱はかろうじてあるものの、新造も年増もみーんなおしなべて「愛する彼のためには毅然とした態度も取る。でも、恋に破れたら泣いちゃう。だって女の子だもん」の一点張り。

代わり映えしないから飽きちゃうし陰気くさいし。テンポも悪いし。明らかにスクリプトの量と放送の尺が合わずにもてあましてる風なときも多いし、そんなちょうしで全部で40話近くもあるし。最初はご愛敬に見えた「月をぶらさげてるヒモ」にも俄然イライラしてくる。


どうかと思うのは、吉良家と浪士の図式の、これまたワンパターンの追い打ち。浪士側がどう慎重に暗躍しても、どう内蔵助がとぼけようとも「なぜか」吉良側はいつも、必ずなにもかもを見抜いてしまう。ピンポイントで「もしやあいつ赤穂の…」と付け狙うのだ。で、浪士側はこともあろうに近寄ってきた吉良側の用人をすぐにあっさりと斬りさいなんでしまう。時には壁の向こうでただ聞き耳を立ててるだけのヒトも斬り殺す。そんな、あんた、毎回毎回偵察にでかけた身内が戸板に乗っけられて帰ってきたらどう考えても怪しむだろう!討ち入りうんぬん以前に、吉良家の関係者ばかりを狙う謎の大量殺人事件として奉行所が動くんじゃないのか?


いったん「さようなら」とドラマを去っていったキャラクターをまたすぐカム・バックさせるのもブザマだし、とにかく構成が「その場しのぎ」「いきあたりばったり」っぽいのが特徴。


以上のように途中がグダグダきわまりないが、討ち入りの際の俵星玄蕃(長門勇)にはたいへんイイ見せ場がある。そもそも起伏のない本作品にははじめから長門勇の俵星玄蕃の存在感が唯一の「救い」であった。(あとバンジュンの弥兵衛も良い)


放送当時の評価

さて、当時の放送局は本作品を「大奥」の後番組としてオンエアしたそうで、それを聞いて憶測したのだが、もしかしたら最初はちゃんと硬派に作ろうとしてたのに思ったほど視聴率が伸びないので、途中から「大奥」を見ていた奥様方を視聴者に当て込んでヨロメキに路線変更を試行錯誤したのではないだろうか。お軽勘平のときから急に予告編で「美空ひばりと里見浩太朗によるお軽勘平…」とわざわざ次回に登場する役者の名前を発表する習慣が始まったり、どことなく不自然なのだ。

とはいえ、放送当時はたいへん評判は良かったそうで放送終了後の泉岳寺の墓参も増えたと回顧しているサイトもある。それが本当なら、あたしが「迷走」と言ったテコ入れは見事に視聴者のハートをつかんだことになる。

当時はビデオやDVDが無い時代であり、まとめて全話を見て総合点を出すという習慣もなかったわけだし、そんなにムキになってドラマなんか見ないから「その場しのぎ」のエピソードで構成してなんのさしつかえもなかったのだろう。やっぱり人気の後年の里見版もそうなのだが、クオリティよりも、ふんわりした「ノリ」のほうがお茶の間には評価が高いのかも。

不思議な実力に免じて星ふたつ。


後年にキューティーハニー、バカボン、ガンダムもやった名匠・音楽の渡辺岳夫さんの印象深いクリスタルギターの旋律は素敵だったが、アニメのほうがノッてやってるかんじがする。


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