当時にしてはかなり大胆なアプローチの大作忠臣蔵。
「日本の現状は政治的にも経済的にも非常な危機に直面していて、一歩を過まれば国が滅びるほどの憂うべき状態にある。」だから、大松竹が日本人の精神的奮起の一助となるようにコレを提供すると、チラシの中で大谷竹次郎社長は挨拶している。
忠臣蔵は波乱重畳で運命と闘う忍苦の悲劇。現代日本の時宜(じぎ)に最も適している。…と、続く。
瀬戸内海に集まる大艦隊(マットアートですが)とか、討ち入りのときに相手を斬った時バサッと返り血を浴びるなどなど。そしてもっとも注目すべきが討ち入りを「あだうち」ではなく、小藩取り潰し政策への反抗というレジスタンスに描いているところ。当時のパンフレットにも「まったく新しい解釈」とうたってそこをアピールしている。とはいえ見かけは非常にオーソドックスで'''地味に見えちゃう'''忠臣蔵。
これを見るまで、古い部類では60年代の[[忠臣蔵 花の巻雪の巻|東宝の]]がけっこう斬新だと思っていたが、実はいくつかの要素<small>(註釈01)(註01)</small>がまんまこっちが先にやっていて、うがった見方をすると、後年の東宝はこの作品のパクリ?とも取れなくないくらい。だって、会社違うのに題名まで一緒なんですよ。あっそう言えば主人公も松本白鴎で一緒だ。どうなってるんだ。んま、影響力があった1本というかんじなんでしょうかね。(←このへんの憶測、[[忠臣蔵 花の巻雪の巻|東宝版]]にてじゃっかん解説。)
あと、セットがすごくて、松の廊下もオープンセット。850坪の敷地に作られたとか。戦後最高の規模だそうです。
って、この記述だけだと、大胆さや斬新さばかりほめちぎるようだが、史実において討ち入りのときに用意されたとされる「ドラ」が映像化されてるのはこの作品ぐらいだそうです。って、この記述だけだと、大胆さや斬新さばかりほめちぎるようだが、詳しい友人に言わせると、史実においてもなかなか抜かりが無いそうで、たとえば討ち入りのときに用意されたとされる「ドラ」が映像化されてるあたりはこの作品ぐらいだそうです。<small>(註釈02)(註02)</small> いろいろ申し分無いいっぽうで、さっきも地味だと言いましたがとにかく本作はマジメ。もうちょっと彩りがあったらいいなと思った。その反省をふまえて染め直したのが東宝のほうの作品っていうことなのかしら。「やるならこうでなくっちゃ」という松竹への挑戦? とはいえ、どこを抽出して覗いてもどの場面も大変よくできている。淡々としているがひじょうに構成が心地良い。"正しい作品"。 公開当時は大入りだったそうで、1位「君の名は(第3部)(松竹)」2位「七人の侍(東宝)」についで堂々3位の興行成績で、5位の「ゴジラ(東宝)」に水をあけている。(ちなみに4位は「二十四の瞳(松竹)」。さらに関係ないが主人公の名前はたまたま[[大石内蔵助|大石]]先生じゃw。)<small>(「キネマ旬報 臨時増刊 忠臣蔵映像の世界」1994 No.1145)</small>
いろいろ申し分無いが、さっきも地味だと言いましたがとにかくマジメ。もうちょっと彩りがあったらいいなと思った。その反省をふまえて染め直したのが東宝のほうの作品っていうことなのかしら。「やるならこうでなくっちゃ」という松竹への挑戦?
とはいえ、どこを抽出して覗いてもどの場面も大変よくできている。淡々としているがひじょうに構成が心地良い。正しい作品。製作:大谷隆三 高村潔/脚本:村上元三 依田義賢 大曾根辰夫/監督:大曾根辰夫
公開当時は大入りだったそうで、1位「君の名は(第3部)(松竹)」2位「七人の侍(東宝)」についで堂々3位の興行成績で、5位の「ゴジラ(東宝)」に水をあけている。(ちなみに4位は「二十四の瞳(松竹)」。さらに関係ないが主人公の名前はたまたま[[大石内蔵助|大石]]先生じゃw。)<small>(「キネマ旬報 臨時特別増刊 忠臣蔵映像の世界」1994 No.1145)</small>----
註釈01…城明け渡しにあたって合戦になるかもと領民が逃げ出す群衆シーンや、病気のために討ち入りに間に合わない浪士とか、註01…城明け渡しにあたって合戦になるかもと領民が逃げ出す群衆シーンや、病気のために討ち入りに間に合わない浪士とか、[[忠臣蔵 花の巻雪の巻|62年の東宝作品]]にはかぶるシーンがいくらもある。
註釈02…後年「註02…後年「[[決算!忠臣蔵]]」でマヌケに映像化されている。