「忠臣蔵1/47」の版間の差分
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悪い意味で優等生的な作品。 | 悪い意味で優等生的な作品。 | ||
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「あ、どうぞどうぞ」と、行儀のいいスタッフがお互いを譲り合って大胆な仕事を避けて、無事故に終わったが、そのかわり思い出が無い遠足ってかんじ。 | 「あ、どうぞどうぞ」と、行儀のいいスタッフがお互いを譲り合って大胆な仕事を避けて、無事故に終わったが、そのかわり思い出が無い遠足ってかんじ。 |
2009年5月7日 (木) 03:29時点における版
作品概要 | |
制作会社 | フジテレビ |
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公開年度 | 2001年 |
内蔵助役 | 佐藤浩市 |
評価 |
主役は木村拓哉の堀部安兵衛。
悪い意味で優等生的な作品。
「これまでにない忠臣蔵」を目指すのも結構だし、おはなしはこざっぱりまとめてあるし、ところどころ斬新だし、スタッフやキャストは無難に仕事をこなして入るんだけど、トータルでは「忠臣蔵に対するこだわり」の無さだけを感じてしまう。独特の気合いは伝わってくるのだが、全編が「のっぺり」している。
「あ、どうぞどうぞ」と、行儀のいいスタッフがお互いを譲り合って大胆な仕事を避けて、無事故に終わったが、そのかわり思い出が無い遠足ってかんじ。
四十七士ってユニットは、かっこいいのもいれば無骨もいればバカもお笑いもいろいろいるわけでしょう?そういう強弱がぜんぜん無いんですよ。「まったいら」なの。
アソビが徹底的に無い。
役者をそろえておきながらよくあれだけ極彩色豊かな「忠臣蔵」をこんだけ油を抜いて仕上げられたなと思う。たしかに「これまでにない忠臣蔵」だ。
そもそも「安兵衛」の物語と言えばもう底抜けに明るく、この江戸っ子の人気者は破天荒でユニークなはずなのに、本編ではまるっきりツツマシヤカ。
キムタクって人は、ある意味安兵衛像に近いと思う。やるときはやるけど愛嬌たっぷりの人気者だ。たとえば糊屋のばあさんに研ナオコかなんかを当てて「おぃばばぁ!ちょ待ぁてよ!」ってやったらもう、安兵衛のイメージぴったりなのに、そうした持ち前の個性を殺してまで作り上げようとしたヒーロー像は「終始堅固で面白味のないおすましさん」。
忠臣蔵エピソードのおいしいところを全部安兵衛にやらせる構成は、やり方によってはすごくバカバカしくなっておもしろくもなるだろうに、特別な演出がなされないから各所をローテンションのキムタクがなんでもないかんじで回る。
もしかしたら、時代劇を平成風なゆるいテンションの若者達でアプローチしようと試みてるようにも見受けられなくもない。「吉良に謝りに行こう」とか「今風」だったし…。
最後の最後にも魅力的なカットもあった。そうそう、あたしが泉岳寺の土産物屋の若女将さんとこの作品を話題にしたとき彼女は「キムタクがタクアン食べてましたネ」とだけ感想を言ってた。やぁでもね、でもせっかく元禄のスターを平成のスターがやるんだから、そんなチョボチョボした名場面(?)じゃあ、いかにせん、もったいない。
コレうまくいってれば、三国志や新撰組にくらべて「萌えキャラ」がいないといわれている「忠臣蔵」の面目躍如になり得ただけに、あまりにもったいない。
最初、星一個だったんだけど、何度か見てると、すごくマジメにやろうという姿勢が見え隠れいたしまして、どっか憎めないので星二つ。