おそ松くん 第39話「討ち入りには、ご用心ザンス!」
作品概要 | |
制作会社 | フジテレビ |
---|---|
公開年度 | 1988年 |
内蔵助役 | チビ太 |
評価 |
ふつうに楽しい、たいへん愉快な作品。
作品背景を元禄時代に置き換えて忠臣蔵をやっている。
アニメはけっこうクオリティが高いと思うし、脚本も実際の忠臣蔵物語のディティールを極力なぞろうと努力している。
大きな脱線もなく、たいへん優等生な出来映えである。が、おそらく、このまじめさが作品を可もなく不可のないモノに仕上げてしまっている。
ただ、「おそ松くん」の作品の特徴は数ある赤塚作品の中でも比較的まじめな構成なので、これはこれでいいのかも。
吉良上野介…イヤミ。浅野内匠頭…ハタ坊。大石内蔵助…チビ太。というキャスティングも楽しんでる感じがあるし。
ちなみに原作にも「江戸工城の忠臣蔵だ(おそ松くん全集)」(1974)というのがある。
アニメと違って、六つ子のお父さんがイヤミの謀略でお城をクビになったので、みんなでその仕返しをするハナシになっている。
「おそ松くん」というギャグマンガでキャラだけ借りてそのまま忠臣蔵をしたのでは意味がないと思ったのであろう、赤塚先生は「忠臣蔵物語」からどこをギャグにふくらませたらおもしろそうかと吟味した末に、結果「雪」「用心棒」「からくり屋敷」「替え玉」「仇討ちに興味がないと思われたキャラの豹変」などの要素を多いにふくらませて大胆にハナシを組み替えた。
それでもコレも「おそ松くん」だからか、カタイ。実験的な頃の「天才バカボン」でやったらはじけたかも。
じつは後年、「レッツラ・ゴン」においても「忠臣蔵(ルビ:レッツラ・ゴン)」というエピソードがあるが、あれほど過激でシュールな「レッツラゴン」なのに、こっちはゴンの親父が戦友(戦争行ってたんだ)にたかりに行くと侮辱されて帰ってくるのでゴンが友達とその戦友の屋敷に討ち入りに行くという、特別なひねりのない作品だった。
赤塚先生は忠臣蔵を丁寧にやろうというポリシーでもおありだったのだろうか。
…て、最後全然アニメのハナシじゃなくなってますが(#^o^#)。
製作側のこういう「はずし方」は、秋元康・作詞の主題曲〜どうかんがえてもクレージーキャッツ的なテイストなのに〜をリズム感の悪いとぎれとぎれの曲にOKを出してるところからもうかがえる。