通し狂言 仮名手本忠臣蔵
作品概要 | |
制作会社 | 松竹 |
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公開年度 | 1977年{{{頃}}} |
内蔵助役 | 松本白鴎ほか |
評価 |
寛延元年(1748年)に初演された歌舞伎。
言わずと知れた、赤穂事件を芝居にした名作フィクション。
「江戸時代当時の大人の事情」で、話は赤穂事件だが、時代設定やキャラクターの名前を全部変えてある。主役の名前は大星由良之助。
それの昭和52年(1977)版。
絢爛だけど、すさまじく、ところどころカワイイという実に不思議なエンターテインメント。
DVDは9話のエピソードがとびとびに収録されており全部見ると10時間くらいになる。
かいつまんで…
序段 フィクションとはいうもののかなり史実とかけ離れた大胆なアレンジ。「プロローグ!」てかんじでパーッときれいなビジュアルが印象的。
三段目 喧嘩場。オーバーアクションであるにも関わらず刃傷までのイライラの高ぶり、持っていきようが見事。
四段目 判官切腹。慣用句?として使われる「おそかりし、ゆらのすけ〜!」って実際セリフにあるのかと思ったら実際は「由良之助か、待ちかねたわやい〜」だった。
五段目 山崎街道、鉄砲渡しの場。そもそも落語の「中村仲蔵」において仲蔵の苦心の工夫の末生まれた「定九郎」像が見たくて仮名手本忠臣蔵を見たがったのが、忠臣蔵にハマっていくきっかけだった。たしかにかっこ良かった〜。いのししがかわいい。
六段目 最初はもう、理不尽すぎて見ちゃいられなかったなあ。おばあちゃんの激怒も勘平のぐしゃぐしゃな気持ちも。でもケッサクですなー。
七段目 祗園一力の場。女形の中村歌右衛門さんがご高齢で、妙齢なおかるがおばあさんにしか見えないのでじゃっかんサメた。 これをDVDでなく平成20年に見に行ったがライブで見ると泣けます。おかるが不憫で不憫で。
十一段目
討ち入りの場。この場だけいちいちアレンジが違うそうで滅多に上演もされないそうですな。昭和52年版ですごく意外だったのは、史実において吉良邸討ち入りのときにわりと応戦してきて手こずったと言われる小坊主が本作品においてビジュアル化されていることであります。ほかの映画などにはまったく無いシーン。
吉良邸の庭(奥庭 泉水の場)での殺陣は見応えがあり、特に竹森喜多八(武林唯七がモデル)と小林平八(小林平八郎がモデル)の、ダンスのような一騎打ちは目を見張り、テレビに向かって拍手しちゃいました。
つかみ合いとか雪の投げ合いとかが逆に新鮮。歌舞伎って池とかに落ちた人が這い上がってきた時の演出がかわいい。 まだまだ映像化されてる忠臣蔵でやってないことって、たくさんあるなあ。